堅い話のあとは砕けた話がしたくなります。ずば
り恋ですね。ぼくの初恋は、と記憶の糸をたどれど
も、複雑に縺れてしまいぼんやりと彼方のほうに霞
み、定かな形態が見えませんが、おそらくは小2.3
年生のころと思います。相手の女の子の顔も、いま
は浮かんできませんが、心が騒いだのを覚えていま
す。淡い心持だったですね。まだ苦しんだ気持ちは
ありませんから恋には程とうかったのでしょう。
苦しい気持ちを経験したのは二十歳が過ぎたあた
りでした。恋と博打が似ている、とそのころきずきまし
た。恋も博打もうまくいかないから熱く燃える。逆に、
すんなりぼくの気持ちを受け入れてくれた場合、その
時が頂点で、次第に気持がしぼんでいくのを感じまし
た。
拒否されればされるほど熱くなり、苦しみ悩みました
が、それに比例して思いは膨れていきました。
恋と結婚は異なると、きずいたのもそのころです。恋
は非日常的行為ですが、結婚は日常そのものです。
日常は長く退屈ですので、性格があかるく、金銭感覚が
似てて、料理がうまく、そばにいてても邪魔にならない女
がいいなと思い、今の妻をもらいました。ぼくの判断が正
しかったか否かは、秘密です。