独り言   12月9日 | はなのブログ

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         空想と潮騒   9

 三島由紀夫氏が生まれたときの、産湯を浸った記

は、つとに有名なおはなしである。父親の平岡梓

氏によればその話はウソッパチだそうであるが、梓

氏は父親と言えどあくまで本人でなく、この場合三島

氏の言葉を信じるか、あるいは氏の作家としてのレト

リックに過ぎないということか。ぼくはなにも三島氏の

アンではないけれど、氏ほどの有り余る才能の持

主ならばそんなことがあっても不思議ではない。な

にしろ聖書では、処女マリアが神と姦通して子供を

んだのだから、それに比べれば三島氏のほうが信用

できる。

 さて、三島氏のはなしのつぎにぼくのことを述べる

は、いかにも天才を汚すようで申し訳ないが、ここでや

めるとブログが終わらないので続けさせていただく。

 ぼくのいちばん古い記憶は、混沌としていて定かで

はないが、無理に整理すると、二歳か三歳のころ、と

心もとないが、母親の背中に負われた時の母親がき

ていた着物の冷たさである。ひやっとした不快な感じ

を鮮明におぼえている。それが次第にあたたかくな

っていきぼくは眠った。ただそれだけの記憶で、三島

氏に比べるといささか散文的で風味に欠けるが、そ

れはそれ天才となんとやらで、いたしかゆしである。

 うん、ぼくなにか変なこと言いましたかね?