空想と潮騒 10
ぼくは徳島人である。また四国人でもある。その
うえ関西人ですらあるのだ。徳島あるいは四国の
文化など子供のちんちん程で、関西とりわけ大阪
の圧倒的な文化のエネルギーの塊には恐れ入っ
てしまうのだ。反逆しょうなんて思いもしなかった。
大阪は巨大なる男根ですね。われら田舎者は、ひ
たすら大阪を仰ぎ見あげ、畏敬し、尊崇し、拝跪す
らしておりまして、わが文化の貧弱さを嘆き、恥た
のでありました。そういうコンプレックスがエネルギ
ーを生むのか大阪のお笑いには四国出身のタレン
トが沢山います。西川きよし、横山やすし、間関平
など、寡聞にして知らぬが、まだまだいるでしょう。
ぼくなんかも吉本を観て育った。吉本といっても
吉本隆明ではありません。ルーキー新一や、平三
平です。いま思い出しましてもげらげら心のなかで
笑ってしまいます。思い返せば、ぼくは学芸会に漫
才の台本を書き友人とやったり、そんなことが小中
高とつづきました。成績はサッパリでしたが、先生
や学友がお世辞かもしれませんが、笑ってくれるの
が、ぼくが登校する唯一の根拠でした。それもこれ
も吉本のおかげです。一方の吉本隆明氏にも青年
期に大変お世話になり、ぼくがどうにか生きていけ
るのも両吉本氏のおかげです。吉本さんありがとう。