快楽と独楽 6
このあいだの赤ずきんちぁんはどうもスベッタよう
だ。一本目が完璧だったのに、次作が駄作ではさく
さくたる心持だ。
ぼくはどうも小中学生と真面目な作文は苦手だっ
た。それに引き替え、自由題の作文はその奔放さ
にクラス中を騒然となさしめたほどである。これは自
慢に非ず。歴史的事実なのである。あるみめ麗しき
国語の教師などぼくの作文を読み上げるなか、途
中から抱腹絶倒笑いすぎてオシッコをもらしてしま
った。ぼくの作文は彼女によって他のクラスにも運
ばれ、また読まれ、そのクラスの爆笑が学校中に
轟わたり、ぼくは小さな巨人だった。ぼくはラヂィゲ
かランボーの気分だった。しかしあまりにも早熟な
才能は断ち切れ、高校では平凡なフツーの生徒で、
成績たるや45人中43番目だった。内1名は病欠
だった。3年間勉強をした記憶が全くない頭の中は
98㌫が女、あとの2㌫がビートルズのことだった。
中学生の知識で今まで生きてきたのであるが、な
んとかなるもんである。アフリカで生まれていたら、
今頃ライオンに食われているか、象に踏みつぶさ
れているに違いない。日本に生まれて本当に良か
った、と思う今日この頃である。