諤諤たる愚者の記 6
こんなことはないだろうか。夜行列車で無聊にあきあきしている時、ちょうど
列車が駅にちかずきスピードが落ちてきた。窓外の夜景の流れもゆるやかに
なってきて、看板の文字がはっきり読めるようになった時、ふとマンションがあ
らわれ、窓には住人の影が写っている。そのなかに明かに子供のはしゃぐ影
が見える、その瞬間ぼくは得も言われぬ感傷に襲われた。心のなかに大きな
穴が生まれてしまったのだ。鏡になった列車の窓ガラスに写るぼくの目から
涙が流れていた。 ぼくの手帳より
5、本当の人間の幸せはね、欲望を充足していく方向にあるんじぁない。欲望
を切り捨てていくところにあるんだとおもいますよ。 竹 中 労
6、わが抱く思想はすべて金なきに因するごとし 秋の風吹く 石 川 啄 木
7、組織は悪を産む 宇 野 弘 蔵
8、炎あげ地に舞い落ちる赤旗にわが青春の落日を見る 道浦 母都子
9、天才は必要ない。常識に縛られるな。粘っこく人間を追及し、無人の曠野
を走る勇気を持て。 今 村 昌 平
10、裏を見せ表を見せて散る紅葉 良 寛
11、社会主義や共産主義に魅力を感じたことは一度もなかった。あれは徹底し
て人を管理する社会制度でしかない。無政府主義は無意味な絵空事だと考
えている。