諤諤たる愚者の記 5
気骨のある拗ね者、がぼくの人間としての理想です。例えて言えば、竹中労、
ご存じないかもしれませんが室原知幸などの人々です。なぜ理想かといえばぼ
くと対極に位置する生き方をした人々だからです。ぼくの生きてきた航跡を振り
返れば、長いものに巻かれろ、くさいもんに蓋、の生き方でした。これからもそ
う生きていくでしょう。しかし、心のなかでは、竹中労や室原知幸が「しゃあな
い奴ちゃなあ」と苦笑しています。彼らは決してぼくのことを非難しません。それ
だけによけいにぼくは苦しいのです。一生に一度だけでも彼らに「ようやった」と
あの世でほめられたい、と思っていますが、さてできるかどうかおぼつかないで
す。
ぼくの手帳より
4、この人は口は悪いが、気持ちはとても優しい人だから誤解しないで下さい。
けんかをしたら誰にも負けないほど強いから気をつけて下さい。--この人
の息子より。 田 中 秀 征 母の棺に入れた手紙
母に学んだ最大のこと、それは徹底した無学だけが最高の学識をしのぐこと
ができる、ということである。
田 中 秀 征