ふらふらの記 22
ブログを一本一本仕上げるたびに、あたかもぼくは一枚一枚服を脱いでい
るよな気がする。あとひと月もたてば、ぼくは文字道理のスッポンポンになら
ざるを得ぬ、と思うと気がめいる。いっか市民プールにこういう光景によくであ
った。たいていの人は脱衣をすれば、すぐ水に入るが、身体に自信のある奴
はすぐに水には入らない。プールの横でこれ見よがしにストレッチをするの
だ。しかもパンツたるや黒のビキニで目のやり場もない。こんなときぼくはや
つの股間のこんもり山を凝視してやるのだ。何分ぼくの目力に耐えるかため
してやるのだ。たいていの奴はぼくの憎しみをこめた目線にきずき、たえきれ
ず、すごすごと水のなかに入るが、なかにはぼくの視線を無視する剛の者も
いる。こんな奴は、東京都知事の石原のごとく傲慢不遜であたりを憚らず、天
上天下唯我独尊の体でいかにも剛直、こんな奴にかぎってコンプレックスの
塊、東大法学部をけなし、ノーベル賞をそしり、なにやら反権力の気骨のある
拗ね者とおもいきや、なんのこともない鎧のしたから何とかが見えるの体で、名
誉がほしくてほしくてたまらなぬ御仁。なるほど体はゴリラにたがわぬが、頭は
蚤とやゆするはぼくのひがみか、剛の者やおらシャワーをあびて入場、かるい
すてっぷで、あなたこなたを散策。タイガーマスクさながらガウンをヒラリと脱ぎ
捨てて、プールサイドを一周半、ひたすらモハメド、アリのごとし。着用するは金
色のビキニのパンツのみ、市川海老蔵の睨みを泳ぎいる面々に投げかけ威圧
をする。あれれ、大仰なわりにパンツのもっこり山いささかこぶり、皆でそれを
冷かすと、あわててこかんを手で隠して逃げてしまつた。やはり金で金をかくし
たのがいけなかったようだ。金じ手にしなくてはいけないな。我ながら恥じ入る。