独り言  7月31日 | はなのブログ

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          ふらふらの記  21

    また朝である。生まれて何度目のアサであろうか。計算すればすぐにわかる

   が、しらないほがいいような気がしてやめた。知るということは、そのことにより

   苦しみを背負うこともあり、かねがね、ぼくのなかのもうひとりのぼくが、ぼくにう

   たた注意をうながしていたが、せんなき性にて、あまつさえ天邪鬼の片方のぼく

   は、いよいよウィトゲンシュタインが放ったテーゼ、語リえぬことについては、人

   は沈黙しなければならない。を無謀にも無視をなし、宇宙の虚空を言葉であや

   なし、神をも恐れぬすっくたる矜持は、さてさてわが内なる世界といえど痛し痒

   し。と腕を掻いていたら、目が覚めた。

    女の夢を見なくなって久しい。いにしえのぼくの頭のなかは裸の女で寿司ず

   め状態だった。あの女たちはいったいどこにいってしまったのか。はて面妖なこ

   とである。ぼくの頭のなかは、一切れのタクアンのシッポと、だれかからもらった

   ちぎられた手紙の切れ端しかのこっていず、惨憺たるありさまである。いまさ

   ら、逃げた女たちを呼び戻すこともかなわず、さていかような手立てを施してい

   いかわからない。とりあえず猫でも飼っておこう、と思案したが、ペットショツプま

   でいくのが大儀である。そのへんをうろちょろする野良猫でもかまわぬ、といえ

   どこんな時に限って猫はみあたらないのである。そこはかとなくわが茅屋を見

   渡せば、なにやら訝しき気配。いゃさゴキブリ、ひさしぶり。なんせ彼らは地球

   の先住のかたがた、あだやおろそかにできません。ちょいとつまんで、ぼくの頭

   の中へ、これでひねもす無聊をなぐさめえる。ガサゴソガサゴソ