ふらふらの記 18
あとあじの悪いブログを書いてしまい、少し後悔しきりです。でも仮面で生きる
よりもさっぱりしました。これからは本当のぼくを生きていきます。たとえどれほ
どいやな自分でも、自分を生きていくしかありません。
ぼくの知人にOという男がいる。高校のクラスメイトであるが、こいっほど女好
きな男を知らない。男前ではない。頭もよくない。ケチでもある。それなのにひ
たすら女を恋求め、手に入れてしまうのだ。
ぼくは一度奴の手口をみていたのだが、驚いてしまった。いたって単純なの
だ。なんとひたすら相手の女の目を見っずけるのだ。それだけで女はころっと
いってしまった。
今までのぼくの努力はいったいなんだ。せっせとお店に通い、高いお酒を飲
み、寿司をおごり、時計をあたえ、車でおくり、誕生日には薔薇の花束、本を買
って小咄を暗記し笑わせ、ひたすらピエロを演じたぼくのあさましい、涙ぐまし
い、あるいは摂ないともいえる行為はいったい何であったのか。
ある日、スナックのママにそのことを聞いてみた。ママ曰く、
「ここだけの話よ。水商売の女は、人を見る目が肥えているから、プレゼント
なんかしても、客の下心が見えてしまうのよ。それだったら寝ちゃえばおわり
でしょ。エサをやるようにみせて、やらずにひっぱるのがプロよ。その点、Oさ
んは、そんなことしないわね。言葉もあまりしゃべらない。ずうっと女の子の目
を見るのよ。プロの女でも、目は言葉より信用してしまうのよ。まぁ、Oさんの
ほうがプロの女の子より一枚上手ね。わたしは女の子にいっも注意している
のだけれど、若い娘はだめね」
と、ママはため息をついた。