独り言  6月16日 | はなのブログ

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            便所考  VOL6

    こんなこともあった。

    ぼくは元来、組織的なるものになじまぬ性質で会社勤めは無理なのではと、

   しかし働かざるもの喰うべからずと思い、自営をいとなむか、はたまた少数の

   人員が働く職場がいいと、たまたま知り合いが司法書士事務所を紹介くれたの

   である。要するに代書屋である。

    勤めてみて思った。小人数の欠点がある。来る日も来る日もおなじ部屋で毎

   日顔をあわせていると飽きるのである。あいての性格や考え方がわかってしま

   うと、もうつまらない、バカとおもわないまでも、あいて(つまりボス)の俗物性に

   へきへきとし、顔をみるのも嫌だつた。ましてやものを喰ってるところを見ると鳥

   肌がたち、おぞましさに汚いものをみているような感慨におそわれたものだ。お

   たがいさまはわかっていても、それとこれとは別、毎日まいにち、いつ辞めよう

   かを考えながら勤めていた。

    その事務所は、二部屋あつてぼくらの事務する部屋と隣の客室とからなる。ト

   イレは客室のほうにある。

    ある日、ぼくが仕事をしていると、客室のドアのあくおとと足音がした。ぼくは

   気にせず仕事をづづけていると、そこへお客さんがきたもようで、ぼくが、ハイと

   へんじをしてとなりの部屋にいくと、ふたりの男がいたのである。とりあえず座っ

   てもらい要件をきけば、会社の設立とのこと、詳しいはなしを聞いているとき、

   ひとりの男がトイレにたちドアをあけた。あっ、その男がこえをあげた。男の目

   に汚い尻がうった。ボスがドアをロックをするのをわすれて用をたしていたの

   だ。「すいません」と、その男は尻にあやまった。そのごの経過はつまらないの

   で略させてもらう。ちなみにさきほどの男ふたりは二度と事務所に現れなか

   った。