便所考 VOL 3
時代が前後するので、先に古いほうをかたずけよう。
ぼくが中学2生のとき、夏に臨海学校というのがあった。汽車で行ったとおも
うが、くわしいことは忘れてしまった。場所は小松島というぼくらの住むところか
ら1時間かかる、東南の方向にある港町である。
宿泊は公営の施設で130人が泊まれる規模で、食事はハンゴの自炊であ
る。二泊ぐらいしたと思う。
初日の日に事故があった。それはぼくらではなく、ボートに乗りあそんでいた
遊泳客の一人がおぼれたのだ。砂浜にあげられ、ぐったりとしている青年を男
の先生が人工呼吸をしている姿がいまでも目にうかぶ。青年はどうやら助かっ
たらしい。いまも元気にしているだろうか。
本題に入ろう。トイレだ。この宿もトイレがすくないのである。男女共用で男子
小が3、大の個室が3ではあまりにも少なすぎる。しかも男女が別々でないので
気の弱い少年たちは尻込みしてしまうのだ。とてもうら若き乙女らがカナリヤの
ごとく鳴き騒ぐなかをトッパする勇気はない。いつ訪れるかわからぬ便意に
戦々恐々、せっかくの海の生活も楽しくない。
2日はがまんできた。だが最後の日、朝泳いで昼から帰るのだが、皆で海に
つかりワイワイさわいでいっところ、突然やっがおそってきた。海水で腹が冷
えたのも一因だろうが。たまらん、しんぼうたまらんのだ。ぼくはそっと皆から一
人離れて、海水パンツをずらし大砲をはなちました。いやぁ、すっきり、壮快そ
のものです。汚れたあたりを手でよく洗い、これで問題解決だ。皆のほうに帰ろ
うと、歩をすすめましたが、ふと気になり振り向くと、なんとぼくの分身がぼくをお
っかけてくるのだ。あっちえいけと、手で水をかけるのだがあきらめてくれませ
ん。子犬が母親をすがるごとし。いとおかし。