告白
告白します。実は、今まで偽善を装ってきましたが、ぼくには大変な嗜好がある
のです。それはどうしてもやめられぬことでして、そのことでなやみ何度か得度を
考えたこともありました。ぼくは大事なことは、ニーチェや、論語、マルクス、ドスト
エフスキー、聖書、親鸞、道元、太宰治などの言葉から判断するのですが、パ
チンコをやめられない人があるように、ぼくはどうしてもやめられぬことがありま
す。このことをやめることができるならば、ニーチェもマルクスも松尾和子も、いえ
若尾文子さえなげすててもいいとすら愚考しております。
さて、そのわたくしの悩みなるものは何かといえば、はずかしながら下ネタ
と悪口なのです。この二つに悩み、あらゆる新興宗教や占いにすがったこともあ
りましたが、せんないことでした。やはりやめられません。きわどい下ネタや、辛
辣な悪口を言った爽快感たるやなにものにもかえがたいものです。おそらく、こ
れらの嗜好を肯定的にゆるされた社会はほとんどありえないと思います。ことに
管理のきつい国家はなおさらでしょう。
ぼくのこの嗜好により何人の友人をうしなったでしょうか。でもぼくはやめませ
ん、たとえ世界の全ての人々に嘲弄されようと、蔑視されようと、ジャンヌ・ダルク
のごとく下ネタと悪口のために戦いつづけます。下ネタの同志米原万里はたおれ
ましたが、ぼくは万里ちゃんの屍をこえて、戦い続けます。
なにも、下ネタと悪口に市民権をよこせというのではなしのです。そんなことに
なれば、下ネタも悪口も力を失います。迫害されてこそ下ネタと悪口の力がます
のです。マルクスは万国の労働者よ団結せよ、といいましたが、非才はなことぼく
はこう言いたい。下ネタと悪口に、もっと迫害を、と。