独り言  5月21日 | はなのブログ

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          ぼくの想い出にのこる本  5

   推理小説は謎解きですので、どうしても人間の描写がおろそかになりがちです

  がハードボイルドは謎解きよりも人間の描写に重点がおかれます。ハメットのサ

  ム・サペード、チヤンドラーのごぞんじフィリップ・マーロウ、マクドナルドのリュウ・

  アーチャーなど、魅力的な探偵がすてきなセリフをしゃべるのです。村上春樹も

  彼らの影響をうけています。

   江藤淳は保守派の論客ですが、夏目漱石の研究など優れたものです。江藤に

  シンパシーは感じませんでしたが、ぼくのおもいこみを修正するおおきな指針でし  

  た。

   阿佐田哲也・色川武大は大衆小説と純文学のどちらもすぐれた作品です。

   田中小実昌はすごい作家です。彼の影響を受けている作家は沢山います。色

  川氏同様もっとよまれていい作家です。

   ドストエフスキーは奇跡です。世界文学のなかでも図抜けた存在です。一作い

  っさくが信じられない濃密で異常な世界です。作品のなかのどんなささいな端役

  さえ存在感があるのですが、それはトルストイもおなじです。ロシア文学の特徴 

  なのでしょうか。

   どの作品もすばらしいのですが、あえて一つあげよといわれればやはり未完成

  ですがカラマゾフの兄弟です。この作品は神はそんざいするか否かを問うた根源

  的なもんだいをかかげたさくひんなのです。プルーストの失われた時を求めて、

  ジョイスのユリシーズ、トーマス・マンの魔の山と、カラマゾフは人類が所有する最

  高の文学作品だと、ぼくはおもっています。