阿波の津田村というところに、金太郎という名の少女がいました。
彼女はいわゆる不良少女なのです。
小学校で番をはっていました。
金太郎ちゃんにかなうものはいません、はむかうものはすべて駆逐してしまい、
学校では校長先生さえ、彼女をはれものにさわるようにしているのです。
今日もいつものように、ぶりぶりいわせて登校していますと、道の片隅に子猫ちゃんが、ミイミイとないているではありませんか。
「どなんしたんや、こねこちゃん」
と、金太郎ちゃんは声をかけました。
「おかあさんと、はぐれてしまったのミイミイ」
と、子猫ちゃんはいってなくのです。
金太郎ちゃんは、番長といっても義侠心の強い、強きをくじき弱きを助ける豪の
ものです。
こまっている子猫ちゃんを見捨てることはできません。
右手にもった竹刀をすてて、子猫ちゃんをひろいあげ、
「あんしんせい、今日は学校は休みじゃ。おまえのおかあさんをさがしてやる」
といいました。
子猫ちゃんのおかあさんはみつかるでしょうか?
じつは、みつからないのです。
なぜかといえば、不良少女金太郎ちゃんの学校でのやんちゃぶりに、手をやい
た校長たちが、捨て猫におこずかいをあげて計画した作戦だったのです。
まんまと計画にのってしまった金太郎ちゃんは、いるはずもない子猫のおかあさんを、いつまで探しつずけるのでしょうか。