独り言  4月19日 | はなのブログ

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 川島城から吉野川を眺めると、巨大な竜がうねっているようにみえる。

 浅瀬は石に水がぶっかり、川面はなみだつ。ちょうどきらきらかがやく竜の鱗だ。

 川のなかに島がある。昔はひとが住んでいた。両岸に高い土手が築かれ、洪水のおり島は浸かるようになり、ひとはすめなくなった。小学校もあったらしい。

 島には、名があり、阿波島という。島の南には竹がたくさん繁り、ひとが迷い込むとでられなくなる。あとの土地では大根など野菜が収穫でき、夏は西瓜がとれる。

 昔、島と川島を結ぶ渡しがあった。

 私が五歳のころだと思うが、おじいさんに自転車にのせられ、渡し船にのって鴨島の江川遊園地にいった。私はおかあさんが編んでくれた、白いカーディガンをきていたが、かえりに遊園地に忘れてきてしまった。

 おじいさんは、しばらくして死んだ。

 いまでも鴨島で買い物をして、家にかえるとき、川島の潜水橋を渡り島をこえ、ふたたび大野島の潜水橋をわたって家につく。道の左右の畑には、おおむね老人夫婦が農作業に汗をながしている景色が目にうつる。

 私は車をとめて、この平凡だがのどかな風景を愛する。

 太陽が空からしだいに大地に落ちてきて、山の端にしずむと、周りはすっかり真っ暗くらのくら。

 こんなとき、私は空想してみるのだ。

すっかり闇につっまれた阿波島のなかで、五寸玉の花火を打ち上げてみる。

 導火線に火をつけると、シュルシュルと火がはしり、ひゅうーーと音が尾をひき、真っ暗な空で七色の光のかさがひらいた。すこしおくれて、大太鼓をうつおとがどーんとひびいた。

 みごとな冬の花火である。