今回は、私のカスタムイヤーピース作成について書きたいと思います。タイトルの通り、結果から言えば、作ってみたものの完成を待たずに作成を断念しました。特にその原因と理由をまとめるつもりです。
○自作する目的
そもそもカスタムイヤーピース(以下、イヤピ)を自作しようと思った理由は、ウレタン製イヤピの圧迫感とイヤホン装着時の手間が気になった為でした。したがって、圧迫感(違和感)が少なく、装着が簡単なイヤピを作ることを目的としています。
○用意した用具
1.HTV-4000
→食品用グレードのシリコン。
硬さは、スーパーボールより少し柔らかい程度。
色は、若干白っぽい透明。
透明度は、透明なレジ袋程度。
2.インプレッション材(Westone製)セット
3.おゆまる
4.リュータ
5.紙コップ
6.リップクリーム(離型剤代わり)
7.カッター&カッターマット
○作成手順
1.インプレッション加工
1.インプレッション作成
2.インプレッションの余分な部分をカッターで切り落とす。
3.インプレッションの凹凸をリュータで丸める。
2.シリコンの雌型作成
1.インプレッションにリップクリームを塗る。
2.インプレッションを紙コップへ入れ、シリコンで埋める。
(6時間放置)
3.硬化したシリコンからインプレッションを外し、雌型が完成。
3.イヤピ作成
1.おゆまるをステム幅の棒状に成型する。
2.雌型に棒状のおゆまるをセットする。
3.シリコンを注ぐ。
(6時間放置)
4.雌型から硬化したシリコンを外す。
5.カッターで少し整形して、イヤピの完成。
○出来上がった物について
装着感、遮音性ともに微妙な出来となりました。ただ、意外と音質は一般的なシリコン製イヤピと変わりませんでした。
※作成手順は完結に記しましたが、実際はインプレッションをシリコンに潜らせて厚みを出したり、おゆまるでなくストローを使用したりと試行錯誤しています。
○不出来な原因と理由
1.インプレッションの造形が上手くない
これが主な原因で、それ以上でもそれ以下でもないかもしれません。この原因が発生する理由は、3つあります。
理由1.そもそも耳から外して、次の日に付け直してもピッタリと嵌らない。
理由2.厚みを足し引きする部分と具合が分かっていない。
理由3.どの部分を切り取るかの判断が行き当たりばったり。
そもそも耳の形は日々微妙に変化するものなので、理由1は仕方ないところがあります。ただ、それにしても次の日にはガンガン音が入ってくるような状態になることには、何か理由があると思います。インプレッション材の挿入方法が悪いのか、バイトブロックの噛み方が悪いのか、等々。
理由2は、完全に私の研究不足です。某メーカーのように足さず引かずが良いのかもしれませんが、私が試しても上手くいきませんでした(理由1が原因かもしれませんが)。「カナルの部分を足す分には問題ないだろう」との当初の想定は誤りで、下手に足すと隙間ができてしまい、遮音性の低下に繋がりました。
理由3は、仕方ありません。今は試行錯誤の状態で、他に有力な情報が公開されているわけでもないので、今は色々試しながら作るしかありません。しかし、この点が出来上がりの質に大きく影響していることは間違いありません。
2.シリコンの扱いが上手くない
これも原因です。私自身、シリコンを取り扱うことは初めてで、使い慣れていません。そのため、気泡が沢山できますし、雌型の作成元と雌型から外したシリコンが同じ大きさなのかもわかっていません。
○総評
兎にも角にも、インプレッションの加工が出来上がりを大きく左右すると分かりました。一部が0.5mmでも最適な形と異なれば、それだけで駄作になりえる世界です。そのため、特に遮音性の追及は非常に困難な道のりになります。
私の目的として、遮音性の他に、装着時の手間軽減もあります。実際に作ってみて、一般的なイヤピと違って形が決まっているものなので、装着時の手間はウレタン製イヤピと大して変わらないと分かりました。
現状で作成できるものは、ウレタン製イヤピに劣る遮音性と同等の装着時の手間がかかるものです。材料が残っているうちは試行錯誤してみますが、現状では自作イヤピを使う理由はありません。そのため、自作を断念することにしたわけです。