【使用環境】
基本はNW-A16に直挿し、ボーカルの癖が気になる曲だけNW-A918での直挿しも併用。周囲は、ハードディスク入りノートPCの動作音以外に気になる音の無い環境です。
【デザイン】
形自体はシンプルです。他のモニターヘッドホンに比べ、ハウジングの色で左右が確認しやすい点が良いと思います。ただ、コードが片出しなので、コードを見れば直ぐに左右を把握できますが。
ヘッドバンドのクッションは薄めで、クッション性が低いです。上記の画像は、クッション性を補うために、プチプチを1重ほど巻き付けた状態のものとなっています。
コードが硬く、取り扱いの面で不便です。"コードの耐久性が高い"という見方もできますが、ハウジングの付け目の方に負担が掛かりやすそうで不安になります。
【音質】
ほぼフラット。特に周波数特性的な癖は感じられません。解像度が高く、エッジが効いたモニター系な音です。音の分離や定位も良いと思います。しかし、少しだけボーカルに癖があるように感じる時があります。
音場は、やや狭いです。前後ろが広く、左右が狭いような楕円型な音の広がりを感じます。
音量は、並み。ヘッドホンにしては大きめだと思います。
【フィット感】
イヤーパッドが若干小さめなので、中途半端だと感じます。側圧は並みで、ヘッドバンドのクッション性が低いことから、フィット感自体は悪くありません。ただ、長時間の使用は控えたい着け心地です。
【タッチノイズ】
ヘッドホンなので大して気になりませんが、コードが硬いせいでヘッドホンとしては気になる方です。
【外音遮断性】
ヘッドホンにしては平均より良い方だと思います。カナル型イヤホンの中で遮音性が低めと言われているものと同等程度でしょうか。
【携帯性】
「折りたたみできない」「コードの取り回しが悪い」「コードを着脱できない」ということで、ヘッドホンとしても悪いです。
【総評】
悪くは無いと思います。純粋にモニターヘッドホンとしての性能だけを考えれば、かなり良いとは思います。しかし、総評としては"悪くは無い"という感じです。
欠点である「コードの硬さ」「ボーカルの癖」「イヤーパッドのサイズ」が使うたびに気になります。「ボーカルの癖」は、そもそも気になる場面が少なく、エージングで自然な音に変化しそうではあります。「イヤーパッドのサイズ」について、サイズ自体はMDR-CD900STとほぼ同サイズのようなので、他社製のものと変えれば良いでしょう。しかし、「コードの硬さ」は、そう簡単に改善させることができないので、これだけはどうにかして欲しかったです。
欠点以外は良い面ばかりです。音質的な癖が殆どなく、ただ淡々と鳴らしたような音でないため、リスニング用途でもお勧めです。モニター用途も言わずもがな。装着感もヘッドバンドの頭頂部にスポンジなりプチプチなりクッション材を挟めば良い方です。挟まなくても短時間なら問題なく、比較的良い方です。