パソコンで業務用のソフトを作り始めたころ。伝票を発行したいという依頼を受けて、社長さんを訪ねたことがあった。合計請求書は?と聞くと、あったほうがいいかもという。締日とかあります?と聞いたら、うちは月末締めのお客さんしかいないよ。とつぶやいた。
サンプルを持って訪問すると、経理の担当者が同席した。念のため、締日は末だけですよね?と聞いたら、あれ、20日締めのお客さんいましたよね。そうだっけかと社長。ほら○○さんと××さんは20日締めでしたよね?ああそうだったと社長。結局ソフトは大幅修正を余儀なくされた。
別のお客さんでは、数字の桁数を増やしてほしいといわれた。当時はまだMS-DOSの時代で一行は80文字と決まっていた。全部合わせると80文字を超える。これは無理です。というと、そこを何とかするのがあんたの仕事だろうと返された。なんだかんだともめながら結局80文字以内に収めた。
お客さんがシステムに近寄ろうとせず、何とかしてくれ。だと作る側の労力は莫大になってくる。結局ソフト開発の費用に反映される。お客さんが一歩歩み寄ると無駄が少なくなる。わかってほしいと思いつつ、無理だろうな。