tmic61さんのブログ

tmic61さんのブログ

カリスマブロガーのカリスマブログです。

Amebaでブログを始めよう!

篠原涼子主演ドラマ、『アンフェア』の原作本。

ドラマの1~4話までが本作を基にして作られている。そこから先はドラマ版オリジナル。



秦さんは元々はシナリオライターなので(今も活躍中!最近は『ドラマ版コナンくん』、『ろくでなしBLUES』の脚本を担当・・・私の記憶が正しければ、たぶん)、さらっとした読み応え。会話のリズムがいいし、なにより、視聴者の目、(読者の目)の気にしかた(媚の売り方)が上手すぎ。

普段小説を読まない人でもさらさらと読めるんじゃないか。



推理小説 (河出文庫)/秦 建日子
¥620
Amazon.co.jp


さらさら読めるけど、内容はいい感じにどろどろ。私の場合、シリーズ全作品に共通して、読後に「あーしにてー」ってなる(笑)

一番「あーしにてー」だったのは、第2作目の『アンフェアな月』ですね。また後々レビューしよう^^



『推理小説』なんて題名を付けれるところがまた凄い。(都築道夫じゃあるめーし・・・!ドラマの原作とか軽いに決まってるぜ!)と思っていた私。

こないだ『アンフェア the answer』を見に行きまして、(別に『アンフェア』ファンではない。ドラマも見てないし、篠原涼子が好きなわけでもない。こないだ見た前作の『アンフェア the movie』が結構面白かったのと、失恋したので、なんとなく)それが予想以上に面白かったんですね。

で、これは原作も読んでみるか・・・と(・∀・)


結果、原作の方がしっくりきた私。

『推理小説』は、叙述トリック、になるのかな。

犯人に気づいた後もはらはらして読めた。さすが脚本家。ストーリーが最後まで死なない。


決着後にだらだらしないところもシリーズ全体に共通していいところ。



結構哲学的でかっこいいんです、犯人が、全員。

で、なにより雪平のかっこよさったらない。

ドラマ版(こないだ全部見た!勉強妨害はなはだしいわ!!)の雪平よりちょっと賢い(笑)

まあ、探偵役ですしね^^



全10作予定、とか俺得すぎる。

ツイッターにて殊能先生の生存確認したーーー・°・(ノД`)・°・ーーーーー生きてたーーーーー!!




なんか、今精神科に長期入院中らしい。大丈夫かな・・・(´・ω・`)

でも「あーやっぱり」とか思ってしまう。だってしゅのーまさゆきだもの。なんでもありだもの。





殊能先生はこの世で一番好きな作家さんなんだけど、覆面作家なので、全然素性が分からないのよね^^

もし生まれ変わったら(生まれ変わりたくなんか無いけど!笑)、メフィスト賞作家になって殊能先生に会いに行くっ!

なんかのインタビューで、生まれ変わったら3歳から将棋を指すと言っていた先生。どう生まれても『ハサミ男』みたいな小説は是非執筆してほしい。


ハサミ男 (講談社ノベルス)/殊能 将之
¥1,029
Amazon.co.jp

『ハサミ男』は、講談社のメフィスト賞受賞作(ちなみに、『ハサミ男』の受賞によって、・・・先生が受賞するちょいちょい前の方の作品が結構エンタメに走りすぎな傾向があって・・・、メフィストはライトノベル系で正統派ミステリレーベルとは言えないんじゃ?とかなんとかぬかしてたミステリヲタを黙らせた!)。

で、先生のデビュー作でもある。

シリーズモノではなく、一発完結型。


(殊能先生は「名探偵石動戯作シリーズ」を5作執筆。・・・順に『美濃牛』、『黒い仏』、『鏡の中は日曜日』、『樒/室』、『キマイラの新しい城』・・・。また、児童向けに『こどもの王様』という作品も執筆。『どんんがらがん』(アヴラム・デイヴィットスン)というSF短編集を編集。計8作品を世に送り出している。作風は随時変化。変化とか、読者の目をいい意味で恐れないすごい人。)



元敏腕編集者だった、という先生。

主人公は小さな出版社のアルバイト!なのですが、仕事内容にも結構触れられている。作者の仕事柄、想像上じゃないから、細かく描写できるんですね。

私的に、

・主人公と「医師」の会話

・主人公のグルメツアー(まじでいちいちお腹空く)

・「医師」の引用(ジョイス、とかいい)

・主人公のどんよりした日常と刑事さんたちのふつ~な感じの日常の書き分け

・謎解き部分へのもって行き方

・参考文献の多さ(笑)

がツボです。



好きな場面は、被害者タルミヤユキコの母親との会話の場面。

それから、主人公が「そんなことで人を殺すなんて、頭がおかしいんじゃないのか」って言うところ。



もう10回は読んだと思う。もし無人島に一冊しか本を持っていけないとしたら、選ぶのは確実にコレ。なんでこんなに愛して止まないのか、まだ解明できていない。

トリックは結構ありふれているし、連続殺人鬼の心理も(もはや)ステレオタイプかもしれない。

でも、さいこーなんですよね。

こういうのに出会っちゃうから、読書はやめられない。

パソコンで記事を書くと、本の画像が載せられるからナウいね^^



柳広司『贋作「坊ちゃん」殺人事件』に引き続き、『ジョーカー・ゲーム』読了!

以前リタイアしていたんだよね、この作品。

ジョーカー・ゲーム (角川文庫)/柳 広司
¥580
Amazon.co.jp


今回は楽しく読めた。人の嗜好は日々変化、ですね。

でも好きなタイプだけは変わらない・・・ww



続きが気になる!早く読みたい!!ってなる類のミステリじゃなくて、「ふうん、あ、ね」とストン、とお腹に落ちていく類のミステリ。

例えるなら・・・えーっと・・・うん、なんだろ。私は基本的に、早く読みたい!系(単純に言えばエンタメ)じゃないとなかなか読めないんだよな。だからこそ、『ジョーカー・ゲーム』は凄い。

似たような感覚がしたのを敢えて挙げるなら、有栖川さんの『ロシア紅茶の謎』あたりか・・・短編ならではの「あ、ね」感なんかな。

ロシア紅茶の謎 (講談社文庫)/有栖川 有栖
¥570
Amazon.co.jp


でもこないだ読んだ高木彬光の『人形はなぜ殺される』は、長編だけど「あ、ね」な感じだったな。

やっぱ本格でエンタメってどうしても軽くなる。

まじなミステリファンから本格として評価されている作品は、大体「あ、ね」系な気がする。『人形は~』はさすが、の一言だった。題名がほぼネタバレなのに面白い、最後まで読ませる。さすがは高木彬光!埋もれない作家はやっぱり実力と魅力があるんだなぁ。

人形はなぜ殺される 新装版 高木彬光コレクション (光文社文庫)/高木 彬光
¥880
Amazon.co.jp
人形といえば、昨日古本屋で見つけた、最近の人形作家(技師?)の展示会の写真がレポートしてある小冊子・・・名前なんだっけか・・・が欲しくて欲しくてたまらんのだけど、薄いのに1000円だった。
あきらめた。
でもかなり欲しい。そのくらいやばかった。明日にでも買いに行こうか。
一目惚れは、後からくる。
大幅に話逸れた!戻るっ(ノ´▽`)ノ
『ジョーカー・ゲーム』はスパイのお話。
スパイっていうと、外国の作品に多い題材かな、と感じるよね。
日本でやるなら公安モノ。

でもこれは第二次世界大戦時の日本が舞台!

問題ない!

軍まんせー系はなんだか読めないたちなので、初読の時はリタイアったけど、しっかり読むと、むしろ当時のパブロフ的愛国主義をディスってくれてて気持ちよかった。

私、人を信用しない人好きだし^^スパイしか出てこんから、信用しない人だらけやし。

かっこよくて大満足!!

一貫したストーリーは無いけど(短編に短編)、吉川英治文学新人賞、日本推理小説協会賞も納得の一作だった。

続編の『ダブル・ジョーカー』も読むの決定。