日経クリック2000.10 No.10
「スタッフ、役者、全員が本当に真剣に取り組んでいるドラマです」
TVドラマ『つぐみへ・・・』で鶴田さんが演じるのは、卑怯な犯罪によって幼い1人娘の命を奪われた、母。
犯人は分かっているのになかなか捕まらず、警察やマスコミは遺族の心を踏みにじる行動を繰り返し、夫は犯人に復讐することに没頭して家に帰らず・・・・・。
状況だけ見たら、悲しみと怒りのあまり自分を見失ってもおかしくない。
「でも、それを乗り越えて、明日に向かって生きていこうとするんですよ」
間もなくクライマックスを迎える番組のオフィシャル掲示板には、鶴田さんの想いに呼応するように、現実に「どうするべきなのか」という視聴者からの問いかけや意見が並び、プロデューサーが答えを返すこともある。
今までのオフィシャル掲示板のように「ファンが意見を言う場所」にとどまらず、ちょっと違う場になっている。
「ええ、もちろん読んでいます。書いて下さる方も真剣だから、こちらもますますちゃんと作らなくては、と思います」
ある事件で実際に子どもを亡くしたお母さんが、”犯人に対しても母親のような気持ちで、ちゃんと生きてほしいと思う”と手記で語るのを読んで、「ああ、それが人としてあるべき姿だなぁと思いました。でもその当たり前のことが普通は出来ない。みんなができない当たり前のことをできる境地に至った、それこそが本当の母性じゃないでしょうか」と話す。
現実に痛ましい事件が頻発する今だからこそ、ドラマにはドラマの役目がある。