内に秘めた情熱を外に出す瞬間 | 鶴田真由応援ページ

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REPLIQUE 2001.1

 鶴田真由といえば、お嬢様女優の代名詞のような存在だ。可憐で清楚。どんな悪女を演じようが、育ちの良さは雰囲気に現れてしまうものである。


 だが演出家・蜷川幸雄は、鶴田さんの内面に隠された激しい情熱を見逃さなかったようだ。
鶴田さんの初舞台に用意したのは『真情あふるる軽薄さ2001』(清水邦夫・作)。
同作品で蜷川氏は1969年に初演出を手掛けた。今や”伝説”と言われている舞台だ。
無意味に列をなす人々に対し、反発心を剥き出しにする青年と女。
学生運動全盛だった当時、その物語は明らかに世相を反映した内容で、舞台上の役者たちと観客の間で大激論が起こったこともあったという。

今回、鶴田さんは行列を壊す女を演じる。
32年の時を経て、「政治的言語は使用しない」と蜷川氏は打ち出しているが、「何に価値基準を置いて生きているか」というテーマは変わらない。
「確かに私は今まで、情熱を内側に秘める芝居が多かったと思います。でも今回は、そのエネルギーを外に出していく芝居。蜷川さんによって、それがどう引き出されていくのか。自分がどう壊されていくか。それが楽しみなんです。一方的だけど蜷川さんに信頼感があるので。”心はすべて預けます”と言う感じですね(笑)」

映画『就職戦線異常なし』でデビューし、来年でちょうど女優生活10年。
蜷川氏から何度か「舞台に出ないか」と声をかけられた。
だが正直言えば。舞台にあまり興味がなかったと言う。
舞台が持つ作為的な部分が、どうも心に引っ掛かったらしい。
しかし、蜷川氏からこの舞台の依頼を受けたとき、「これだったら私にも出来るかも」と思ったという。
「私にとって重要なのは、”主人公が何を感じているのか”。別に外側は娼婦であろうがなんであろうが関係ないんです。今回演じる女は、社会に馴染めず、自分にごまかしが利かない人。だからなんのポリシーもないくせに、勝手にいろいろモノを言う人々に反発を覚えているんです。すごくピュアなんだと思います。私自身も、ただ皆が並んでいるからと、列に並んだりしませんね」

 そう言う鶴田さんの意志の強さは、公式ホームページ(http://tsurutamayu.com)の中でつづっている日記を読むとよ~くわかる。
有名小説が原作の映画を観て、ガッカリしたこと。ドラマの決定稿を読んで、自分の思惑との違いに疑問を抱いたこと。
そこにはブラウン管からではわからない、鶴田さんの意外な一面が垣間見える。
「きっと私も”女”と同様のスピリットを持っているんだと思うんです。蜷川さんとは何度かお会いしていたから、その時に感じていたのかもしれませんね」
 鶴田さんの新しい一面が引き出されるのは、役柄のせいだけではなさそうだ。
共演に萩原聖人、古田新太ら個性派が揃った。加えて、列に並ぶサラリーマン役などに、井出らっきょ、つまみ枝豆らたけし軍団のメンバーが出演するのだ。
「とにかく彼らと共演するなら”楽しまなきゃ損だな”って思いました(笑)。彼らの前向きなエネルギーをもらって、引っ張っていってもらいたいですね」
 しかし、まさにこれは”美女と野獣”。いろんな意味で鶴田さんが心配だ・・・。「蜷川さんは井出さんに”舞台で脱ぐな”と言ってたけど、絶対にどこかで期待していると思うんですよ。私もだんだん慣れてきて、”いいから服を着て”とか冷静に言うようになるのかも・・・。うふふ」
 どうやら心配はいらないようである。