スキー部いいなと思う君へ➀。スキー最高の瞬間。 | 東京医科歯科大学スキー部

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文責:スキー部主将 大橋

 

 

朝、最高の瞬間。

 朝7:40、今日は早めに宿を出る。

 スキー部の朝は早い。夜も早いので当然であるが、スキーのポールセットより前にフリースキーをするためには必要な努力である。

 スキーミリしらの読者が居る可能性のある当ブログでは詳細な魅力をお届けすることを目指したい。故に朝早く行ってフリースキーをするメリットをお伝えする。スキーミリしらの読者、と言ってしまってる筆者も大学始めスキーヤーなので偉そうな口調も生暖かい目で見守っていただけると嬉しい。

 スキーミリしらの諸君はきっと今まで勉学に励んできた事だろう。その際の国語では「冬はつとめて」という一節を知らないはずがない。また、理科や地理を少しでも触ったことがある人間ならば一日で最も気温が低くなるのが朝であることは周知の事実であろう。そんな時間帯、一日の最上の雪質となるのは想像に難くないと思う。

 圧雪車、というものがある。ピステンとも呼ばれるこれはスキー場の雪を均一にし、引き締まったバーンを用意してくれる。この引き締まったバーンは朝イチにしか味わうことが出来ない。このピステンバーンをフルカービングで滑走する脳汁と言ったらこれを超える瞬間はスキー部において中々ない。カービングターンについては追って別のブログで解説したい。気になる読者は調べて見てほしい。

 朝のスキー場、まだ誰も滑っていないピステンバーン。まるで自分一人だけのために用意されたようなそれを目の前に我々は1日の始まりを感じる。疼く、と言うのはこの時のためにある言葉なのだろうとまで思う。
滑り始めるとピステンバーン特有の最高の応答をくれる雪面を足元に、全身に突き刺さる風圧。ヘルメット越しに風切り音、視界には一面に広がる銀世界。この瞬間だけ、世界は自分のものになる。

 

 

 午前練習、あまりうまくいかないこともある

 8:30、フリースキーを終えポールセット。

 午前はSL(回転)のポールに入る。今日は個人的にDay14にして今シーズン初めてのSLポールだ。あまり芳しくはなかった。

 膝は動かない、エッジは噛まない。フリースキーで出来たことがポール練習出来ないもどかしさを感じたまま午前は終わる。午前のことは忘れよう。SLは明日から頑張るとしよう。後述するが、寝て起きたら何かが変わっているかもしれない。

 

 

 

 午後練、滑りが変わる瞬間。

 12:30、午後練開始。

 午後はGS(大回転)のポールに入る。GSは冬合宿、十大戦と行っているので1本目の調子は悪くない。外側の足に体重をもっとかけるようアドバイスを貰う。自分の中で調子が良くても傍から見るとそうでも無いことも多い。

 2本目は少し自分の中で色々試した。外足に如何に体重を載せるか。ターンの時にそれを意識すると私は外側の足を突っ張ってしまう傾向にあるが、11旗門のポール中に改善されることは無かった。頭の位置だけでも外側に、とアドバイスを貰う。

 これを元に3本目、4本目は試行錯誤を重ねる。コーチは「もう少し」「まだいける」と言う。少しずつフォームが変わる。コース取りも意識する。

 5本目、何かを掴んだ感触があった。今までの滑りと違う。外側の足の上に綺麗に頭が乗る感覚を感じるターンが2.3個あった。コーチは「少し良くなった?」と聞く。私は頷く。感覚を忘れたくない。リフトへ向かう身体が急く。

 ところで読者諸君は今までに出来なかったことがふとできるようになる瞬間に遭遇したことはあるだろうか。私は高校の時器械体操部だったので、そのような成功体験は何度も経験した。昨日まで全く出来なかったことが、今日いきなり出来るようになるあの不思議な感覚だ。

 同期のF山は修学旅行生を教えるコーチをやっていた。曰く、4コマのコーチングを1泊2日で熟すのと2泊3日で熟すのでは後者が圧倒的に上手くなるそうだ。リフトで聞いた私はなるほど、と思った。

 6本目、明らかに滑りが良くなっている。

 そして7本目。完全に滑りが変わる瞬間だった。全てのターンが噛み合い、次のポールが鮮明に見える。ターンはフルカービング、つまりフリースキーで出来たことがポール練習でも出来ている。何より気持ちよいほど足が動く。気づいたときには11旗門すべてを通過した後だった。高揚感に包まれた私はコーチのもとへ向かう。

 

 コーチは何も言わなかった。何か悪かったのかと思った私は「どうでしたか」と聞く。徐にコーチは片手を天に掲げ、親指を立てた。雄叫びを挙げそうになるのを我慢し、平静を装う。しかし「次でラストにしよう」という言葉に「はい!」と答える瞬間には上ずる声を抑える術を私は持っていなかった。

 

 

 最後に

 スキー最高の瞬間を紹介しました。スキー部いいなと思う君へシリーズは続くかわかりません。新入生を意識してみました。少しでもスキー部いいなと思った方はX(旧Twitter)またはインスタのDMで話しかけてほしいと思います。アドレスは両方とも@tmduskiです。宜しくどうぞ。