皆様お久しぶり!(最近毎回言ってますね)
開業準備は大幅に遅れております(汗)
それとは関係ないのですが、以前書いたと思ってた
エンジンOHの記事をアップしておきます
実昨年私の個人所有の530エンジン、12000キロ走行で
原因不明のオイル減りでクランクが駄目になりました
原因は?そこは原因がはっきりしないのでネットでは書けません
構造的に、TMAXのエンジンはユーザーに優しくない所が
結構あるというのははっきりしています
そこで、OHを機に内部構造の確認や傾向と対策を練っていきたいと思います
今回問題になったバランサーのクランクピンです
見ても分かるように完全に油膜が切れて焼き付いています
この時点でメタルは厚み0.5mm以下になっています
ガラガラ言っているので分かるのですが、コンロッドが折れたり、
クランクがメチャメチャになると廃車になります
同じ油路で繋がっている1番と2番のクランクピンに
異常が無いことから恐らく〇〇〇当りが臭いと思われます
エンジンに詳しい方やバイク屋さんは勘付かれるかもしれません
恒久的な対策を取るとなると大幅な構造変更が必要になるので
現状ではエンジン側の対策で守る事しかできません
今回はOHと対策の他にも、フリクションレス加工、ポート研磨加工を施しています
TMAXのエンジンは脱着するだけでも相当な工数が必要になるので
どうせやるなら全部やってしまいたいですよね
自分は機械加工がメインなので(汗)エンジンOHは、鈴鹿のエンジンチューナーに委託しています
このお方は・・・鈴鹿内外で有名なチームのエンジンを組んでおられて
今までに組んだエンジン数千基に上るお方でして・・・
ポートの形状ノウハウは計り知れないものがあります
上の画像でその凄さがわかる方は相当なマニアです(笑)
ちなみに、今回のヘッド加工は純正530エンジンを
高効率かつ長持ちさせるためのチューニングになります
0.1馬力でも高く!のチューニングではありません
まだまだパワーは上げられるよ!とのご意見ですが
AMC的に、ストリートで長く楽しむのが目的でしたので
今回はコチラの設定にしていただきました
純正ベースといえども、要所要所は全く手を抜かない仕上げになっております
ちなみに、エンジンチューニング=ボアアップやハイカムを
組み付ける事と勘違いをされてる方も多いと思います
勿論、ハイポテンシャルな部品を取り付ける事はパフォーマンスアップに繋がります
しかし、メーカーラインによってコストと時間に制約されて組まれたエンジンのままで
設計値を超えるハイポテンシャルな部品をそのまま組んだら
ハイ、純正よりもはるかにリスクの高いエンジンになってしまいます
チューニングとは本来調律の事を指します
そのエンジン、はたまた車体をその機械製品として最高の状態に持ってくる
という事が大事で、空気とガソリンに最高の仕事をさせる事です
なんだか、またウンチク臭くなりそうな気がしてきましたが・・・(笑)
エンジンの出力とはボア×ストロークの寸法では無く
効率よく吸い込んだ密度の高い空気を
流速を上げたまま負荷なく燃焼室に
送り込みつつ、ムラの無い混合気を作成して
漏れの無い燃焼室で高い圧縮ガスにして
タイミング良く点火して、効率よく爆発させて
最高のピストンを下げるエネルギーにし
それを効率よく回転エネルギーに変換し
駆動ロスがなるべくかからないように伝達する事が重要
その過程の中で、エンジンの熱問題や、回転上昇に伴う負荷、変形油脂状態の変動など
様々な問題を踏まえ、最高の状態でタイヤが路面をとらえるまでの効率をマネジメントが大事
そこまで考えられるか?
そこがチューナーの腕の見せ所だと思ってます
エンジンを組んでバラす・・・それだけならばマニュアルと工具があれば誰でも出来ます
AMCでは一歩先行くクオリティや安心安全を留意しお客様との
ディスカッションで最終的なチューニングメニューを決めていきます
ちなみに・・
TMAXには普通のバイクでは当たり前についているプレッシャースイッチなるものが付いておりません
エンジンの油量が減ったらライダーにそれを伝える警告灯を出す非常に重要な物
つまり、なんらかの原因でエンジンオイルが減った場合・・・・
予告なしにエンジンが焼きつきます
そうなった時に、一番可能性が高いのが一番上画像のようなバランサー部分のクランクピンなのです
AMCでエンジンをOH依頼される方にはエンジンを加工しての取出し口の増設なども行っております
バイクに乗りながらにして、油温と油圧(油圧こそ最重要!)が確認できるこの安心感!
是非是非TMAXエンジンOHのご用命はAMCまで
※遠方の方はエンジン単体発送でのご用命も承っております