給食は日本の縮図
先日のNHKの番組で学校給食の厳しい実態について特集していた。
原因は言うまでもなく、昨今の物価高騰である。
食材が大幅に値上がりしている。
当然、円安による影響が極めて大きい。
日本国内において供給される食材で、輸入に頼らないで調達できるのは米だけである。
いわゆる、食糧自給率の低さが直撃している。
因みに学校給食法が制度の基本・基準を設定している。
食育などの理念は勿論だが、設備や人件費などの運営費は自治体、食材の費用は保護者が負担する、と定義している。
番組での解説がなかったが、近年は給食の無償化を実施している自治体もある。
これは上記の定義に抵触していないか、矛盾していないか。
疑問点が残った。
たぶん、努力目標で罰則は勿論ないと捉えられる。
いずれにしても、献立を考えて計画する管理栄養士の苦労は絶えない。
1円未満の金額まで切り詰めて、食材を仕入れている。
紹介されたケースでは、果物を省いたり、月に2~3回程度のデザートも省いたりする対処が欠かせない、という現実。
流石に我々の世代のような、脱脂粉乳には戻れないだろう。
末端は頭を悩ませて苦しんでいるのに、一方ではバブルの極みを享受する金満な世相で、令和の花道を謳歌している。
日本はいつから、これほどのアンバランスを、歪んだ形質を黙認し、許容し、放置する国になったのか。
一過性ではなく、常態化するのか。
政権与党の邪道は論外。
たぶん、富裕層の家庭の子供は「こんな、不味い給食は勘弁してくれ」が本音のはず。
その親は「こんな冴えない給食はやめるか、選択制にしろ」と早晩、モンスターペアレント化するかもしれない。
昭和の終わりの頃からか、校内あるいは集約化した給食センターではなく、民間に外部委託のケースもある。
しかし、これには問題もある。
去年、発生した広島県の業者の経営破綻による倒産。
これは13県、64校で給食の停止という事態に至った。
特に全寮制の高校では1日3食が提供されず、大問題となった。
この事案は当該業者が異常に低い価格で入札し、受託していたことに大きな要因があった。
業者としてはスケールメリットで大量に請け負えば、採算は可能と考えたはずだが、物価高騰は想定外だったのか。
甘かったと言える。
混乱を避けるためには、土木建築の入札のように、最低価格を設定する方式も検討すべき。
検索すると、公立の義務教育で給食費の平均は小学校で4,000円、中学校で4,500円の負担額となっている。
質を確保するためには、1,000円程度の値上げは緊急避難として、止むを得ないのでは?
それ以上に無償化を実施して、現下の不均衡・不公平を早急に是正しなくてはならない。
リニアモーターカーの建設に数兆円を計上する余力があるのなら、ロケットを飛ばす余剰があるのなら、楽勝で予算措置が可能だろう。
これらのプロジェクトを全廃しても、改革すべき。
優先順位として、疑問の余地はない。
国会議員の歳費も大胆に削減すべき。
現行の半額で充分だ。
政権与党の無能には辟易する。
永田町で蠢くグランドデザインの欠落した、政治ブローカーどもは日本が超大国だと思っているはずだ。
馬鹿に付ける薬はない。