小説財界 | 公園ぐるぐる+トレッドミル

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2017年からハノイ駐在
ランはただいま出直し中

「確かに藤井専務は、大阪電力(関西電力)の恥部に手を染め過ぎています。
政治資金を一手に扱い、そのためにトンネル会社をつくったり、
情報蒐集と称して、総会屋とかブラックジャーナリストとの交際もある。
美浜に原子力発電所をつくったときには、反対派を抑えるために、
山口組系の暴力団を使ったという噂まであるくらいですからね


…事故後の東電の会見では、政治献金の有無を記者が問う場面があって、
東電としては、政治献金は行っておりません、
などと答えていた。(関電とて同じことだろう)
それに対して記者は何も突っ込まなかった。
かなりあとになって、役員個人が献金をやっていることが記事になっていたが、
その場で追求しなければ迫力がないだろう。

マスコミも馴れ合いだ。

原発と暴力団のつながりだってさもありなんだろう。

30年前に清水一行氏はすでに十分その点を取材していたに違いない、と思うのである。
で、おそらく事実なんだろう。

記者が書けるのは、やらせ質問ぐらいまで。

さらにその裏には踏み込めないんだろう。



赤報隊事件が、影を落としているような気がしてならない。



「企業小説とか、社会派と呼ばれるような推理小説の執筆に、事件とか問題企業の周辺調査と、事実関係の綿密な取材は、省略することのできない大前提になっている。
 調査とか取材といっても、問題の表面を軽く撫でる程度の通り一遍なものでは、わたしの小説の読者は満足してくれない」
と清水氏はあとがきで書いている。