大日本スクリーン製造幻のデジタルカメラ② | 四畳半カメラ大系

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4.90年代のデジタルバックの正体

 

…軽く調べてみると、FOTEX F10は1994年大日本スクリーン製造㈱から発売されたプロ用(業務用)のデジタルバックらしい。企業やスタジオで使われていたカメラなのだろう、一般的でなかった理由が少し分かった。デジタルバックは一眼レフに装着するイメージだが大判カメラでも使える様になっている。この場合、4×5(シノゴ)の大判カメラが多い。

 

しかしFOTEX F10の場合は最初から4×5専用のデジタルバックとなっている。また附属品のNikonFマウントを用いる事で独立したデジタルカメラとして使えるスグレモノ。な~るほど!

 

センササイズは2048×2048のスクエア型で、RGB3ショットの撮影方式らしい。センサの種類はCCDイメージセンサで画素数としては約400万画素で画像取り込みには3秒ほどかかっていた。このRGB3ショットとはR(レッド)G(グリーン)B(ブルー)の各色で撮影し、それぞれの実画像をカメラ内部で合成することでカラー写真を生成できる仕組み。

 

 

元々CCDイメージセンサはモノクロでしか撮れないのでこうしたフィルターは必要。この方式で動体写真は撮れない。

 

5.大日本スクリーン製造

 

発売元の大日本スクリーン製造は製版機器で有名なメーカーで、現在のSCREENホールディングスの旧称。特に「ガラススクリーン」は写真製版では重要なメーカーだ。また過去には製版カメラも開発・発売している。ちなみに創業は明治時代と歴史は長い。

 

さて、そんな大日本スクリーン製造のHP(ホームページ)で企業情報を見ても「デジタルカメラ」の文字が見当たらない。90年代前半にデジタルバックを発売していたのあれば、その辺のデジタルカメラよりもよっぽど早く開発出来ている。この時代だとデジタルカメラの進出は始まっているものの、人気があったのは低価格の普及型デジタルカメラだけで画質はまだ余り良くない。

 

またこの会社自身のカメラは製版カメラしかないのだから実質2種類しかないので載せない筈がないと思われる。

 

はて?

 

広告や実機が殆ど確認できないのでオリフレックスみたいに会社から忘れられた製品となったパターンとかだろうか。

 

↓別記事参照

 

 それにしても違和感があるのでもう少し調べてみたい。

 

6.SCREEN DIGITAL CAMERA BACK

 

1996年の写真工業の雑誌を見てみるとフィルムの代替品として画質に評価があったのは「Canon EOS DCS 1c」「SCREEN DIGITAL CAMERA BACK FOTEX F10」の両者が挙げられている。FOTEX F10の正式名称はコレらしい。

 

 

取り付け規格はトヨビュー規格と共通。スキャニングタイプと書かれているので、どちらかというとスキャニングバックに属する代物のようである。なのでデジタルバックとしては妙に大きいサイズなのだろう。これだけ特徴があるのにインターネット上で殆ど情報が無いのは少し変だ。

 

あ、もしかして製造は別会社だったり?

 

 

③に続く