そんな、「終わった恋の後処理」は、実のところ、日本女性にとって、1,000年もの昔から、かくも煩わしいものと受け止められていたようです。
有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
関西出身の方はすぐにピンときたかもしれませんが、有馬山というのは、港町神戸の中心地から地下鉄や神戸電鉄線で六甲山地を越えた先にある、関西屈指の温泉地。自治体では神戸市北区に属します。そして、猪名の笹原とは、同じく関西の地名で、六甲山地を南東に下った先の、伊丹空港を間近に臨む、伊丹、尼崎の周辺。この地域を通過するJR宝塚線に「猪名寺」、阪急伊丹線に「稲野」という駅があり、地域名を今日に伝えています。もともと平坦な地形であり、一面に生い茂る笹が六甲おろしになびいてそよそよと音を立てる地であったとされています。
「そよ」は掛詞で風に揺れる笹の効果音と「そうよ」との意味を掛けています。「せやろ!誰が忘れるっちゅーねん!なぁ!」(倖田來未のマネで)と。
今日では、忘れられない、あきらめがつかない恋というのは、どちらかと言えばカッコ悪いと受け止められがちです。しかし、本当に忘れられない恋ならば、それがアナタにとって理想の恋、ということではないでしょうか。たとえカレの思わせぶりに無力にも振り回される恋だとしても、そんなカレの手玉に取られたとしても。そんな恋を抜け出して、新たな恋に安心感を得たとしても、ドキドキ冷や冷や、カレに踊らされる恋を懐かしむのもまた、人間なのですから。