※注意!!※
・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。
・モンスターハンターP2Gの公式設定をかなり無視しております。
・多数の中二病設定が使われております。



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登場人物紹介

NAME:タロ・ライド
HR:2
主な使用武器:ランス・ガンランス

小説モンスターハンター ~愛の物語~



三年前以前の記憶が無かったが、前回の話で自分の過去を「知った」。
ただ今、リオと同居中。


NAME:リオ・アズベル
HR:9
主な使用武器:大剣・ランス・ガンランス

小説モンスターハンター ~愛の物語~



三年前まではタロと愛し合っていた。三年前、ポッケ村の危機を救った英雄。
ただ今、タロと同居中。


NAME:アズ・ルードリア
HR:6
主な使用武器:太刀・片手剣

小説モンスターハンター ~愛の物語~



元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。
これから古龍、「錆びているクシャルダオラ」のクエストに挑む。


NAME:ナルガ・ロウ・セトラ
HR:9
主な使用武器:ハンマー・太刀・狩猟笛

小説モンスターハンター ~愛の物語~


ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。
過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。…と思ったけど近々語る予定。
アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。





37

その日、集会所でアルトから「国王の勅令」として「依頼」を受けた日の夜。
アルトがその日の内に王都に戻らないといけないと言う事から、あの後すぐにあの席は解散となった。

リオ、ロウ、アズの三人は明日の早朝ここの集会所でその依頼を受ける事にして、とりあえずは一旦家に戻る事にした。
4人はタロの家に帰ると、アイルーキッチンにて少し遅い夕食を取る。
食事も終わると、あとは寝るだけというゆっくりとした時間の中、タロとアズの二人はキッチンで向かい合って酒を飲んでいた。

リオ、ロウの女性陣二人は、揃って風呂に入ると言ってつい先ほど出て行った。

テーブルには「黄金芋酒」というラベルが貼られた一本の酒。
その隣に置いてあるつまみは「幻獣チーズ」。
料理長一押しの珍味だ。

アズはタロと向かい合うと、改めて挨拶と共に自分がここに来た訳を話した。
集会所でリオ、ロウに話した事を端的に、なるべく短く話す。
タロは黙ってアズの話に耳を傾けていた。
ミリアの事、タロの「モンスターハンター」の時の事。
タロはアズの話を聞いて時にアズに同情し、時に自分を称賛するアズに照れ笑いを浮かべる。

そして先日ロウよりアズが「人探し」をしていると聞いていたが、タロはそれがまさか自分の事だとは思わず、アズの話に驚いた。

「どうしても…あなたの狩猟が見たくなったんだ。あの大闘技場の外から…俺は…『忘れていた何か』を見た気がするんだ…。」
アズがそう呟くと、ここまでの経緯ももう終わりとでも言うように、キッチンにちょっとした沈黙が訪れた。

二人、静かに酒に口を付ける。

若干の沈黙も、特に気まずいという雰囲気もなく穏やかな時間が流れた。


「俺の狩猟…か。アズが想像してるようなすごいモノではないと思うけど、でもHR上げを手伝ってくれるのは嬉しいな。よろしく頼むよ。」
アズの昔話の余韻に浸りながら、タロが笑顔でアズに言う。
「そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。クシャル戦が終わったら、是非同行させてほしい。」
タロの笑顔と答えに釣られて、アズも笑顔になった。


アズが言っていた「忘れていた何か」。
タロはそんなアズの漠然とした想いが「何なのか」が理解できた。
恐らく当の本人のアズはまだ漠然としたままではっきりとは理解していないだろう。
ミリアと二人で駆け抜けた集会所。
そこで見た、聞いた、感じた「何か」。

それはハンターだけが持てる、特別な感情の一つだ。
その「何か」とは自分がハンターである事に誇りを持てる「何か」。
自分がハンターであり続けたいと思う「何か」。

その「何か」と言うのは言葉に出して説明するには難しい。
しかしハンターとして、モンスターとの「命」のやりとりを経験して培ったその「何か」はそう簡単に忘れられるものではない。捨てられるものでもない。

「アズもまた、根っからのハンターなんだな…。」
タロは酒に口を付けながらそう呟く。
そんな呟きにアズは少し照れたように笑った。

そんなやりとりを経て、アズは改めてタロのHR上げに付き合う事を約束した。


「まあとりあえずは明日だな。アルト隊長の依頼、がんばれよ。」
タロはアズにそう言うと、アズはハッとした顔になった。
「そうだ、タロ。あなたに『クシャルダオラ』の事について聞きたいんだ。今回狩猟の地となる場所が自分の思い出の場所だと聞いて、思わず名乗り出てしまったが…おれは先ほど話した通り、集会所を一気に駆け抜けた。古龍との戦いは経験がないんだ…。」
アズがそう言うと、タロは思わずアズの顔を見た。
「アズはクシャルダオラは初めてなのか!?よくそれで名乗り…そうか、大事な物を守る…か。」
タロは一瞬驚いた顔をしたが、先ほどのアズの過去の話を思い出して、アズの志願の意味に気が付いた。


そしてまた、この発言とアズの行動の真意でタロはもう一つアズについて気が付く。


―――アズは…今一つ、乗り越えなければいけない「現実」があるんだな…。


そう思うタロだったが、今ここで自分がその事を指摘してもなんの解決にもならない事が解ったので敢えて口には出さなかった。


二年も帰らなかった「思い出」の場所。
しかし失うと聞いては、その身を投げ捨てられる程の「想い」。


この「現実」…これだけは自分で自覚し、そして自分で乗り越えなければならない。

今回のクシャルダオラ戦…いくらロウがいたとしても…もしかしたら危険かもしれない…。

「想い」の為に自分の度量を越えることに挑むことは一つの美学でもあるが、それを狩猟に持ち込む事、それは必然的に「死」を招く。

タロの胸中に漠然とした不安が出てきた。
だが、やはりそれはアズ自身の問題だ。
今はただ、タロにとってはアズが無事に帰って来ることだけを祈るしかない。

タロはアズに自分の知りうる全ての「クシャルダオラ」の情報を、事細かに伝えた。
この情報でアズの生還の率が上がるのならば、こそ。

しかし、今回の相手は「錆びている」クシャルダオラだ。
タロ自身、そんな鋼龍とは戦った経験は無い。
タロの胸中の不安は、広がるばかりだった。



アズ自身は恐らく気がついてはいない、アズの持つ一つの「現実」。
受け止めなければならない「現実」から二年間背を向けた、ある一つの「想い」。

そしてこれから戦うであろう、未知なる古龍、「錆びている」クシャルダオラ。
アズの道にどのような未来があるのか―――。

こうして、いつしか夜も更けて行く。

アズの初の古龍戦が―――いよいよ幕を開けようとしていた。


38

時は少し遡り、ここはタロの家に備え付けられている浴場。
浴場といってもそんな大きな物ではない。
人一人では手足も伸ばせるが、二人となると少々窮屈さを感じるような、そんな大きさだ。

しかしそんな窮屈さを特に感じさせるようにも思えない顔で、入浴する二人の女性。
リオとロウがゆっくりと湯船に浸かっていた。

「久しぶりだね~こうして二人でお風呂に入るのも。」
気持ち良さそうな顔で、ロウが浴槽から足を出しつつそう呟いた。
「本当。私はこうしてゆっくりとお風呂に入る事自体、久しぶりかも。」
リオがそう言いつつ、改めて肩まで湯を浸ける。
「やっぱり同じ屋根の下、気になる人がいるとお風呂にもゆっくり浸かれないよねえ。」
ニヤ付いた顔でロウが答えた。
「な…っ!!…あら、現状においてはあなたも人の事言えないんじゃなくて?」
顔を赤らめながらも、話題の主導権を取られまいとリオも切り返す。
「なな…っ!!…う~ん。」
そんな切り返しなど考えてなかったロウはリオ同様顔を赤らせたまま、思わず言葉を詰まらせた。

こういう茶化しあいに慣れていないロウを見て、
「こういう言い方はいけないかもしれないけど、明日。良かったね、ロウ。」
と、フフッと笑いながらリオが口を開く。
そんな言葉にますますロウは顔を赤らめると、
「ちょっと!!別にそんな事は思ってないよ!」
と、少し声のボリュームを上げた。

明日、アズとロウは「街」に向けて旅立つ。
町までの道中は二人きりだ。
ロウにとってはこれ以上ない、最高のシチュエーション。

しかし、ロウはふうっとため息をつくと、浮かない顔をしながら浴場の天井を見上げた。
そんなロウの浮かない顔に、
「どうしたの?」
と、リオが首を傾げると、ロウがぽつりと呟いた。
「なんか、さ。今日のアズの過去の話。私なんかじゃアズのパートナーにはなれないなあなんて思っちゃったんだよね…。」
「パートナーって…、それはちょっと気が早いわよ。」
ロウの呟きにリオは苦笑すると、ロウは慌てて、
「ち、違う!!狩猟の方だよっ!!何勘違いしてんのよ!!」
と、思わずリオを見る。
「ああ、なんだ。」
リオはロウの顔の慌て方を見て、そう呟きながら微笑んだ。もちろんわざとだ。

「アズの…ミリアさんの話。アズ、自分では『引きずってるつもりはない』なんて言ってたけどさ…。そんな訳無いじゃない。」
ロウはそう言うと、また天井を見る。
「そうね…。そもそも『引きずってるつもりはない』なんて…思想自体が間違ってるものね…。」
浮かない顔して天井を見ているロウを見ながら、リオが相槌を打つ。

「故人をさ…忘れようとするなんてしちゃ駄目なんだ。大事な人なら尚の事…それがどんなに辛い事でも。いや、辛い事だからこそ…忘れちゃ駄目なんだ。」
天井の一点から視線を外そうとせず、ロウは淡々と呟いた。
「そうね…。『ナルガ』さん。」
そんなロウの呟きに、リオは微笑みながらロウをファーストネームで呼ぶ。
リオが呼んだ「ナルガ」という言葉に、ロウは昔出会った一頭の小柄な迅竜を思い出すと、少し寂しそうにフッと笑った。

「ねえ、ロウ。今回の戦い…アズをちゃんと守ってあげるのよ?」
リオは少し心配そうにそう言う。
「ちょっと!守ってもらうのは私の方なんじゃないの?」
ロウはそう言ってリオを見る。
リオとロウは少し見つめ合うと、二人とも同時にハハッと笑った。

「…大丈夫だよ…アズは。まだ出会って間もないけど、私には解るんだ。あいつは強い!色々とさ。」
ロウはそう言ってリオから目線を離した。

そんな呟きをするロウの顔は自信に満ちているような、しっかりとした意思が表れている。


先ほど、アズとのやりとりでタロが気がついた、アズの越えなければならない一つの「現実」。
それは集会所で話を聞いたリオ、ロウの二人も気が付いていた事だった。
アズが越えなければならない「現実」。


―――それは失った者の「実感」。
―――「失った」事を受け入れる勇気と覚悟。


「そうね。あなたが惚れた男だもんね。」
そんなリオの言葉にロウは顔を真っ赤にすると、ぶくぶくと顔を湯水に埋ずめて行った。


―――大丈夫…!アズは…あなたは「強い」人だって、私には解ってるから…!


こうして、いつしか夜は更けて行く。
アズとロウ、二人の初のPT戦が―――いよいよ幕を開けようとしていた。


39

その日の夜。
アズは夢を見た。

火山の、あの決戦場。

隣にいるのはミリアだ。
レウス装備に身を包み、アズと視線が合うとミリアは優しく微笑む。

ああ…ミリアが横にいるのか。

アズはミリアの笑顔を見るとフッと安心感に包まれた。
そしてみるみると自分の中に自信がみなぎってくる。

ああ…!これなら勝てそうだ!
「これなら…これなら勝てる!なあミリア!共に、行こう!」

そう言って隣を見ると、しかしそこにはすでに誰もいない。
アズの隣には真っ暗な「虚無」が渦巻いていた。


ミリア…がいない…。


急に押し寄せてくる、「不安」。
いつしか自分が流された、隣にある「虚無」。

無意味な生。
生きる意味を無くした、明日という未来。


アズはそんな「景色」に、思考が停止した。
アズの横にあった「虚無」が、アズを飲み込もうとしている。

自分の体が真っ暗な「虚無」に飲み込まれていく。

停止した思考の中で、ただ一つ理解できる感情。

それは「失望感」。
このまま「虚無」に飲み込まれることに、抵抗しない自分。


「ああ…良いか、別に。」
そんな呟き。

そして、闇がアズの全体を飲み込もうとした時。

アズの耳に、ある音が聞こえてきた。

…ワアアアアアアアアァァーーーーーー!!!!!

この音…この歓声…どこかで…。

どこで聞いた…。
何だ…なんで俺はこの歓声に惹かれる…。
アズはその音に集中しようと目を閉じた。


閉じたはずの目の中に飛び込んできたのは一つの光。

この光は…。



そこで、アズは目が覚めた。

朝日の光が、タロの家の窓越しからアズの顔に当たる。
キッチンで横になったいたアズは身体をゆっくりと起こすと、窓を見る。
地平線に広がる山脈の間から顔を出す朝日が眩しかった。



夜が明けた。




色々の想いにふけた、次の日の朝。
タロ、リオ、ロウ、アズの4人は集会所にいた。
リオは黄色い制服を着たジーコから。
ロウとアズは緑の制服を着たジョーイから。
タロはピンクの制服を着たカイから。
昨日のアルトの依頼通り、リオは火山でG級のテオの狩猟。タロはいつも通りHR上げ。ロウとアズは「街」で「錆びたクシャルダオラ」。
各々が各受付嬢より依頼書の半紙を受け取ると、集会所の裏口に当たる、クエスト用出入り口に集まる。

「私とタロは場所が近いから、早ければ今日中には戻ってこれるかな。でもロウとアズは「街」だもんね。帰って来るのは早くても明日になるね。」
リオがそう言うとアズとロウを見る。
「気をつけて。ちゃんと無事に帰ってきてね。」
リオが少し心配そうにそう声をかけると、
「いや、それを言うのは俺達の方だよ。リオの相手はG級のテオだろ。本当に…気をつけてな。」
と、アズがリオの方に心配そうに言った。
「大丈夫だよ、リオは。」
そんなアズの言葉に、ロウが笑う。
そんなロウの笑いに釣られるようにタロも笑いながら口を開いた。
「いや全くだ。リオほど『死にそうにない女』はいなフゴッ!!!!」
リオから綺麗に肘鉄を脇腹に食らったタロが悶える。
「アズ、ありがとう!でも、本当に私は大丈夫だから。あなたも気をつけて。」
リオはそう言うとアズに向かってニコッとほほ笑んだ。

そんなやり取りをしていると、隣にいた売店の女の子が声をかけてきた。
「今日は皆さん、全員クエストに行かれるんですか?」
ニコニコと爽やかな笑顔で、その少女は4人に問いかける。
「ええ。クエストはバラバラだけどね。」
リオがそう言うと、その少女は足元にあった笛らしきものを「よっこらしょ」と担ぎあげた。
「そうですかー!今日はやっと『良い笛』が入ったんですよ!今までは貝で出来た笛で代用してましたが…っ!!ゲン担ぎも兼ねて、このガウシカの角から出来た良質の『角笛』で、皆さんをお見送りしますね!!」
そう言うと、その売店の少女は笛に口をつける。
笛に口をつけたまま、にっこり笑うと、
「ご武運を!」
と言って笛を鳴らした。


プァア~プォ~!!


少し間抜けな、でも不思議と力の入る、そんな音。


4人はその音を合図とでも言うように、一斉にそのクエスト用の出入り口から足を一歩、踏み出した。



MHP2G~愛の物語~『街』編1に続く