※注意!!※
・これは素人が書いた「創作物」です。この手の事に興味のない方、苦手な方は読まない事をお勧めしておきます。いや、本音としては読んでほしいですけど…。
・モンスターハンターP2Gの公式設定をかなり無視しております。
・多数の中二病設定が使われております。



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登場人物紹介


NAME:アズ・ルードリア
HR:6
主な使用武器:太刀・片手剣

小説モンスターハンター ~愛の物語~


元大闘技場の門番兵。前回のタロの戦いに感動して「ハンター」に戻る決意をする。
これから古龍、「錆びているクシャルダオラ」のクエストに挑む。


NAME:ナルガ・ロウ・セトラ
HR:9
主な使用武器:ハンマー・太刀・狩猟笛

小説モンスターハンター ~愛の物語~


ややこしいけど名前は「ナルガ」。ロウはミドルネーム。
過去にちょっとあってファーストネームに「ナルガ」と付けている。…が、今回の本編には関係無し。…と思ったけど近々語る予定。
アズを追いかけてポッケ村にたどり着く。


NAME:アリス・サトー
HR:9
主な使用武器:大剣

小説モンスターハンター ~愛の物語~


宰相ミストが率いる「蒼穹飛翔隊」に所属しているハンター。
大剣「大王虎」を愛剣としている。


NAME:カラハウ・トト
HR:9
主な使用武器:ガンランス

小説モンスターハンター ~愛の物語~


宰相ミストが率いる「蒼穹飛翔隊」に所属しているハンター。
二年前までロウに猛烈なアタックをしていた。


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「生きて。」
そんな一言を残してこの世を去った、最愛の人は。
今なお俺の中では「生き続けている」のだろう。

それ自体は良い事なのかもしれない。
しかし俺は…「この世」に彼女がいない事をまだ「現実」として受け止めきれていないんだ。
自分でも解っている。
解っているんだ。

二年間、俺はそんな「現実」から目を背けた。
この二年間は彼女の事を全く考えないようにした。
思い出さないようにした。

辛いから。
寂しくて、悲しくて。

涙があふれ出て。


でも、あの時…タロの「モンスターハンター」から感じた「ハンター」としての「何か」を見極める事が、俺のこれからの「生きる」意味になろうとしている。
俺はそれを求めているんだ。

それを求める以上、俺は…。

ミリア、俺はお前の「死」を受け止めなくてはいけないね…。
俺が「ハンター」を続けるには…お前との「思い出」が多すぎる。



俺は…お前と二度と会えないという「現実」に立ち向かわないと…いけないんだね。



「MHP2G~愛の物語~『街』編」




雪山の麓にあるポッケ村より半日、王都を抜けてさらに数刻歩いた所にアズ、ロウの目指す「街」がある。
その「街」は火山、雪山、砂漠、樹海という各モンスターの生息する地域の丁度中間点に位置する所にあり、「獲物」を求めたモンスターが山から降りてくると、よくこの街はモンスターの襲来を受けていた。
本来ならばそんな危ない場所に「街」などを作る事自体がおかしな事でもあるが、ここで下山してくるモンスターを抑えないと、「獲物」を求めたモンスターが各地域に行きわたってしまう。
なので、ここでモンスターを抑える「施設」を作っておくことで、ある程度の「組織的な狩猟」を可能にしたのだ。
その施設が人を呼び、それが「街」となった。
故にこの「街」には対モンスター用の迎撃用の設備が充実している。
「対モンスター用迎撃都市」と言われている「街」だ。

さらには「宮仕え」の兵士も、随時襲来するモンスターに備えて配備されていた。



「全体、構えよ!!!」
「撃龍槍」という巨大な二本の槍が装備されている「街」の砦部分。
そこに数名のヘビィボウガン、ライトボウガンを持った兵士が一斉に銃口を砦の外に向けていた。

向けられた銃口の先、そこにいるのは…ある古龍種。
大きな翼を羽ばたかせ、悠然とその砦の前でホバリングをしている。

銃を構える兵士達は、そんな悠然と目の前で飛んでいるその古龍種に狙いを定めた。

「撃てえええーーー!!!」
編隊を組み、綺麗に整列しているその中央にいた隊長らしき人物が、声を張り上げてそう叫ぶ。

一斉掃射にてその古龍種に一気に鉛の弾が襲いかかった。
攻撃力こそ大したことは無いが、反動軽減に特化した装備に身を包んだその一部隊から繰り出された弾の数は相当なものだろう。
現存最強種とされた「古龍種」と言えど、この一斉掃射は無事では済まないだろう。

その砦に響き渡る幾重にも折り重なった銃声が爆音となり、辺りに鳴り響く。

この集中砲火、あの鋼龍とて一溜まりもあるまい…命令を下した隊長の顔に「勝利の確信」という笑みが浮かぶ。


しかし、そんな集中砲火の中、特になんの変化もなく目の前の古龍種は飛び続ける。
弾を撃てども撃てども、その古龍種に期待した反応は訪れない。

さらに予想とは逆に、何故か仲間の兵士がうめき声と共にその場に倒れ込んだ。

な…!?どう言う事だ…!?

自分が予想していた事態とは真逆な事が起こったことに、隊長は気が動転する。
いつの間にか劣勢な状態にこの隊長は一瞬、出すべき命令を怠った。
「うわああーーー!!」
そしてまた、仲間である兵士が叫び声と共に倒れる。
その叫び声で、やっとこの隊長は命令を下した。
「こ、攻撃中止!!負傷した兵士を砦内に運べ!!一時撤退!!急げ!!」

負傷した兵士を庇うように隊長と数名の兵士がヘビィボウガンで目の前の古龍種に弾を撃ち込む。
しかし、目の前で悠然と飛び続ける鋼龍「クシャルダオラ」は、まるで怯む様子を見せなかった。



そこで、撤退のしんがりを務める兵士は見た。
「な、なんだ…『風』な…のか…?」
撃ちこんだ弾が、鋼龍の目の前で弾かれたのだ。
身体に当たっていない。
よく見ると、その鋼龍の身体の周りには透明の膜のようなものが貼りめぐらされている。
透明の膜のようなもの…それは高速で回る空気の壁。

鋼龍は「風」を纏っているのだ。

「なんだというのだ…。この化け物め…。」
しんがりを務めた兵士はその事に気が付くと、一気に戦意を失う。
それもそうだろう。
「風」を操るなどという得体のしれない事をやってのける化け物が目の前にいるのだ。

その兵士は足がすくんだ。
動けない。
その得体のしれない化け物への恐怖に、その兵士は我が身を硬直させることしかできなかった。

負傷した兵士を砦に運び終えたのを確認したその部隊の隊長は、その場に立ち尽くす兵士に声をかける。
「おい!!早く撤退しろ!!何やってんだ!!」
その隊長の叫び声に、ゆっくりとその兵士はふり向くが恐怖のあまり声も出せないようだ。

目の前にいる、その「錆びている」鋼龍はゆっくりと息を吸い込む。
目の前で立ちつくす兵士に向かって。

「おい!!早く逃げろーーー!!!!」
その鋼龍の動作を見た隊長は叫んだ。

回りで見ていた兵士達は覚悟した。
あの場に立ち尽くしたあの兵士が、「死ぬ」事を。


その時。
隊長の横を何かが横切って行く。
何事かと隊長がその横切ったものに目を向けた瞬間。


―――カッ!!!

いきなり目の前に眩い光が飛び込んできた。
この光は「閃光玉」だ。
誰かが、目の前にいる化け物、鋼龍クシャルダオラに向かって閃光玉を投げつけたのだ。
その場にいる者達のほとんどが、この突然の閃光玉に目を眩ます。

眩しくて目を開けられない中、誰かが叫んでいた。
「おい!カラハウ!!その兵士を担いで砦内に行け!!私がコイツを足止めする!!」
「はいよ!!」


そんな会話を、目を眩ませながら聞いた隊長は、
「誰だか知らんが…頼む…!!ウチの者を…助けてくれ!!」
と、懇願するように、その「声」に向かって叫んでいた。




朝日を背に「街」に向かって旅立った二人アズとロウは、今太陽を頭上に見上げる頃になってやっと「王都」を抜けた所まで来ていた。
ここを抜ければ、目指す「街」までは後数刻、自然と二人の歩く速度も速くなっていた。

「もう少しで着くね。アズ、着いた早々戦闘になるかもしれないけど、大丈夫?」
王都を抜けて、目的地まで後少しとなった所でロウがアズに話しかけた。
「ああ、もちろん大丈夫だ。体力的には問題無いさ。これでも二年、あの灼熱の地の門番兵をしてたんだからな。あれは結構体力がいるんだぜ?」
そう言ってアズは余裕の顔をしてみせる。
「確かにあの闘技場の門番ってキツそうだよねえ。」
アズからそう言われて、ロウはフッとあの闘技場の門の辺りを思い出す。
確かにあの場所に日中ずっと立っているのはキツそうだ。
あの闘技場に足を運ぶだけで、だらだらと汗が出てくるのだ。
並みの体力ではすぐにバテてしまうだろう。

「そういうロウは大丈夫か?ずっと歩きっぱなしだったし、少し休んでも良いんじゃないか?…相手はあの古龍種、鋼龍だからな。コンディションは万全にしておかないと。」
アズがそう言うと、ロウはぷいっと視線を逸らす。
「あ、うん、私は平気だよ。これでもリオのパートナーだからね。こんなの日常茶飯事だから。」
何気ないアズの一言に、ロウは顔を赤く染めた。

ちょっと前まで、自分が思い描いていた、まるで「リアリティ」の無いアズと二人きりの時間。
何をするべきなのか、何がしたいのかも解らないまま追いかけてきたロウにとっては、こんな「現実」が今一つ実感として湧かなかった。
しかし、こうしてアズと会話をするとそれを実感してしまう。
今のロウにとっては、アズにどういう顔をすれば良いのか、どんな言葉使いをすれば良いのか。
そんな些細な事まで、改めて考えさせられてしまう状況だった。


ちょっと前までの私じゃ…考えられないな…。
そんな事を頭に思うと、ロウは自分の人生でこんな感情にさせられた男って他にいたかな…と、思い出してみる。
しかし、パッと思い浮かぶ男の顔が出てこない所を見ると、ロウにとってはこれが「初恋」というものなのかもしれない。

過去に「好きだ」と言われた事は何度もあったが、それがどんな感情なのか今一つ理解できなかったロウにはそんな言葉に返事を返した事はない。
今こうして改めて自分が「恋」をしてみて、そんな過去の自分は返事も返さなかった事に結構残酷な事をしたのかな…と、少し反省した。

ああ、そういえば。
そんな昔の、自覚も無いまま振って行った男の中でも妙に「インパクトのある男」がいたなあ。
言い寄られた男達の顔を思い出して行って、ロウは一人の男を思い出す。
会う度に「付き合ってくれ」「好きだ」を連呼していたっけ。
「付き合う」とか「好きだ」と言われてもどうしたらいいのか解らなかったロウは、そんな男の告白もサラリと受け流していた。

リオと街で暮らすようになって、リオとしかPTを組まなくなってからは会う事も無くなっちゃったけど…。
名前、なんだったっけ…確か、カ、カラハウだったっけか。
ああ、そうだ。「カラハウ・トト」だ。

こうして自分で恋をしてみると解るけど…悪い事しちゃったな。
もう2年近く前の事だが、ロウはその男を思い出すと、今更心の中でその男に謝ってみる。
まあ…もう会う事もないだろうけどね。

「どうしたんだ?ロウ。そんな難しい顔して。」
急に黙りこくってしまったロウを横目に、アズが声をかけた。
「えぇっ!?ああー!!いやいやっ!!なんでもない…っ!!」
いきなり「好きな男」から声をかけられて「現実」に戻されると、ロウはまたしてもどんな顔をすればいいのか解らず、俯く。
ロウ自身でも自分の顔が「真っ赤」だろうと思うと、目も合わせられなかった。


先ほどから目を合わせないロウにアズは首を傾げると、また目線を目的地の方に向けた。


微かに、視線の先に目的地である「街」が見えている。
アズはその「街」を見ると、少し顔を顰めてまた歩き出した。

また…帰ってきたんだな…。
その「街」を見て、アズはフッと二年前の事を思い出す。
ミリアと過ごした街。
ミリアの思い出が詰まった街。

今、この「街」は鋼龍に襲われている。

だがこの街は「対モンスター用迎撃都市」と呼ばれた「街」だ。
そう簡単には墜ちない事は知っているが。
しかし今回の依頼は「国王の勅令」。
「国」単位で「被害」が予想された、古龍種の襲来。

アズはここまで来て、さらに目の前に自分にとって特別な「街」が見えているという状況になって、いてもたってもいられない…そんな焦燥感にかられ始めていた。
自然と歩く速度も速くなる。

そんな速度で数歩も歩くと―――。
その「街」から煙が立っているのが見えた。

「ロウ…。あの煙…。」
そんな煙を見ると、アズはロウの方に向く。
ロウもまた、そんなアズの言葉に、「街」から煙が立っているのを確認した。
「始まってる…!!行こう、アズ!」
ロウの言葉に頷くと、アズは「街」に向かって走りだした。
ロウもそれに続くように走りだす。


二人は間もなくして、その「街」にたどり着いた。




撃龍槍という二本の巨大な槍が装備された「砦」。
その砦の上で羽ばたいていた鋼龍が閃光玉に目を眩ますと、その巨体は砦の下に落ちる。
ゴシャーンッ!!!
という大きな音ともに、砦にいた者達はゆっくりと目を開けた。
突然の光に視界を奪われていたが、それも収まると辺りを見回す。
そこには今までいた土気色の「鋼龍」の姿は無く、代わりに二人の見慣れぬ男女がその場にいた。
「カラハウ」と呼ばれた男の方は、先ほど鋼龍に命を狙われて腰を抜かした兵士を肩に担ぐと、すぐさま砦内に向かって走りだす。
女の方は砦の外側を覗くようにして、砦から身体を乗り出していた。
「よし!今なら『撃竜槍』が使える!!お前達、衝撃に備えておけ!!!」
女はそう叫ぶと、その砦の中央部にある赤いスイッチのようなモノが設置されている所に走る。
「行くぞ!!化け物!!」
女はその叫びと共に、目の前にある赤いスイッチに向かって拳を振り上げた。

ゴッ!!!

女はそのスイッチに渾身の一撃を振り下ろす。
その瞬間。

ドガガガガッ!!!!

そんな轟音と共に、砦内が大きく揺れた。
「砦」に設置されていた「撃龍槍」という巨大な槍が砦から発射されたのだ。
丁度その槍の前に落とされた「鋼龍」は、その槍をまともに食らったようだ。

化け物の唸るような「叫び」が砦の下から聞こえてきた。

「よし!!これなら少しは時間が稼げるだろう!おい!!とりあえず一度砦内に全員避難しろ!!早く!!」
女は足元のさらに下の方から聞こえてくる「鋼龍」の咆哮を聞くと、撃龍槍が当たったと確信した。
急いで自身も砦内に走る。

その場にいた全員がその「砦」の上部から避難すると、一旦全ての扉を閉めた。

扉の前、女が覗き窓から「鋼龍」の様子を伺う。
上空にその姿が確認できない事を知ると、そこでやっと安堵のため息をついた。

女が扉に背をつけて息を整えていると、先ほどガンナー部隊を率いていた隊長がその女に声をかけてきた。
「先ほどは我が部隊の兵士を助けてくれて、なんと礼を言えば良いか…助かった、本当にありがとう。」
そう言って隊長は女に頭を下げる。
「いや、礼には及ばない。我々も一応これでも『国』に仕える身なのでね。同胞は見捨てられない。あなた達は王都からここに配属された『宮仕え』部隊だろう?」
女は隊長に手を挙げて応えると、そう質問した。
「ああ、その通りだ。先日交代で配属されたばかりでね…。どうにも化け物と戦うのに慣れていなくて…恥ずかしい所を見せてしまった。」
隊長はそう言いながら頭を下げる。
「何、気にするな。配属一発目が、古龍種とは…あなたも運が悪い。」
女はそう言うとフフッと笑う。
隊長もその女の笑いにどうにも言い様が無く、照れ笑いを浮かべた。
「所で貴殿も『国』に仕える身と言っていたが…どこの配属の者なのだ?その出で立ち、どうにも『宮仕え』の兵士には見えんが…。」
今度は隊長が先ほど気になる事を言ったこの女に質問した。

その女は「宮仕え」の兵士とは違う、いかにも「ハンター」という出で立ちだった。
背中には大剣「大王虎」という、厳ついデザインの剣を担いでいる。

「私と…先ほど貴殿の兵士を助けた男は、ミスト様の『お抱え部隊』に所属している。故に専門はあなた達のような『対人間用』ではない。だからこんな『ハンター』の格好なのさ。」
女がそう言って笑うと、目の前にいた隊長はぎょっとした顔をすると、急いで背筋を伸ばして敬礼のポーズを取る。
「大変失礼いたしました!!私はミルザ国王直属部隊隊長アルト様管轄の下、第223部隊の隊長を務めさせていただいておりますマキジ・ドーラであります!先ほどの無礼な振る舞い、どうぞお許し下さい!!」
マキジと名乗る隊長が敬礼のポーズを崩さないままそう叫ぶと、
「私は宰相ミスト様ご自身が管轄される対モンスター部隊、『蒼穹飛翔隊』に所属するアリス・サトーだ。よろしく。」
女もその隊長に合わせて敬礼しながら名乗る。
「いやまさか…あの有名なミスト様直属部隊『蒼穹飛翔隊』の方にお会いできるとは…光栄です。」
マキジは目を輝かせながらそう言った。
「何、私は『所属』しているだけであって、何もしていない。えばれる身分じゃないよ。」
アリスと名乗ったその女は少し照れ笑いをすると、大した事ではないとでも言うように手を横に振って見せた。


「蒼穹飛翔隊」。
この国の現国王であるミルザの弟である、宰相ミスト。
そのミストが率いる「対モンスター用迎撃部隊」がこの「蒼穹飛翔隊」だ。
国内の優秀なハンターを集めたこの部隊の活躍は、一般市民にも「英雄譚」としてよく語られている。
現在、この国でも色々なハンター集団がいるが、この集団ほど有名な「対モンスター部隊」はない。
今までにも色々な強大なモンスター達を狩ってきた事で有名だ。

だがしかし、この部隊はあくまでミスト直属部隊であるため、今回のような「国王の勅令」などのミルザの依頼は回ってこない。
「蒼穹飛翔隊」はあくまでもミストの「私営部隊」だった。

この件が何を意味しているのか。
その意味に気が付いている者はこの国でも今まだ、数少ない。
「血縁を以って国を動かす」と言うのは、「良識ある国王」を以ってしても…中々にして上手くいかないのかもしれない。


「まあこうして名乗らせてもらった上でこう言うのは酷かもしれないが…我々はミスト様直属でね。貴殿達を助けはしたが、私の立場上、この鋼龍とは戦えないんだ。」
アリスはそう言うと、改めて隊長を見る。
「ミスト様の命令が無いと、勝手に狩れない身でね…。で、どうする?今の貴殿達では…この『古龍種』は、手に負えないんじゃないか…?」
アリスが少し心配そうにマキジを見る。
「恥ずかしながら…仰る通りです。今の我々が出来る事は見ての通り『火力のゴリ押し』です。対人間ならこれも通用しますが…あの化け物には…それが効かない。」
そう言うとマキジは俯く。
「ただ先ほど、伝書鳩にてアルト隊長より、『優秀なハンター』を二人、この地に向かわせたという伝書が届きまして。今は…その『ハンター』を信じて、それまでは時間稼ぎをしようかと思っています。」
マキジはそう言うとアリスを見る。
「アルト隊長から…?『優秀なハンター』…か。その二人の名前は解るかい?」
アリスは少し考える姿勢を取ると、マキジにそう聞く。
「いや、そこまでは残念ながら…。しかし、アルト隊長が自ら『優秀』と付ける以上は、信用しています。」
マキジはそう答えると真っ直ぐにアリスを見た。
そんなマキジの目を見たアリスはフフッと笑うと、
「なるほど…。私は未だアルト隊長にはお会いした事はないが…噂通りの方なのだな…。」
と、呟く。
そして言葉に出さず、内心で『我々の主とは違って…な。』と、付け足した。
「アルト隊長を、私は信じます。」
アリスの言葉を聞いて、マキジはもう一度同じ台詞を繰り返した。
「貴殿の意思、今後の行動については解った。私と、もう一人の男『カラハウ・トト』は直接に鋼龍に攻撃は出来ないが、協力するよ。」
そんなマキジの台詞に、アリスはそう言葉を返した。
「ご協力、感謝します!」
そう叫ぶと、マキジはアリスに敬礼する。

そこまで会話した所でアリスが背にしていた扉の向こう側から、モンスターの咆哮が聞こえてきた。
「ちっ…さすが『古龍種』だね。もう復活したか!」
アリスがその咆哮を聞くと、さっと扉の覗き口を見る。

しかし、覗き口を見たアリスは、「あっ」と声を出すとクルッとマキジの方に向いた。
「どうされました!?」
覗き口から反転したアリスに、何を見たのかとマキジが首を傾げる。
「いや…。どうやら私達の『協力』は要らないのか…な。」
そう言って、マキジに微笑んだ。
「どういう…事ですか?」
マキジは状況が掴めずに、首を傾げながらそう聞く。



砦の上部、上空に羽ばたく土気色の鋼龍の前。
アルトが言っていた、ある二人の「優秀なハンター」が。

小説モンスターハンター ~愛の物語~



いつの間にか、その鋼龍の前で武器を構えていた―――。



街編2へ続く