※注意!!※
この作品は完全なる俺の自己満足作品です。
本当に興味ある人で超絶に暇な方だけ読んでいただければ…!!
本当にくだらないことしちゃってごめんなさい★
~登場人物紹介~
タロ
HR:2
主な使用武器:ランス、ガンス
補足:三年前からの記憶がない。
リオ
HR:9
主な使用武器:大剣、ランス、ガンス
補足:三年前以前のタロを知る者。三年前のタロと何か関係があったらしい。
10
「さて、話はまとまったね。ではタロはこれからモンスターハンターに挑んでもらうとして。」
横でネコートとタロのやりとりを聞いていた村長がタロに話しかけた。
「タロに一つワシからお願いがあるんだが聞いてくれるかい?」
村長がそう言ってタロを見上げる。
「お願いですか?まあ聞ける事なら喜んでやりますけど。」
タロがそう言うと村長は嬉しそうに笑いながら、
「ではここに居るリオを、これから当分の間家に住まわせてやってくれんか。」
と、タロに向かって頭を下げた。
そんな質問にタロは驚き、リオの方に視線を向ける。
しかしリオは相変わらず腕組したまま後ろを向いていた。
村長の意外なお願いにもリオが態度を変えないという事はリオ自身はそのお願いの事を知っているのだろう。
タロは少し焦りながらも、リオの態度に変化がない事が彼女自身の答えだと確信すると、
「それは全然構いませんけど…。」
と、返事をした。
しかし言葉尻ではまだリオが本当に良いのか、確認したいニュアンスを残す。
そんなニュアンスに気がついたのか、後ろを向いていたリオが振り向いた。
「元はと言えばあの家、私の家だったんだけど!!私のいない間にあなたが住み着いただけで、本当はあなたが私にお願いしないといけないんだから!!」
相変わらずの仏頂面を変えることなく、リオがタロに向かってそう叫ぶ。
ああ…そうか。確か俺がここに来る前はこの子がこの村の専属ハンターだったんだっけ。
三年前まではリオがあの家を使っていたのか。
「リオも本当に素直ではないな。まあワシからもお願いしたい。今までリオにはちょっとした依頼をこなしてもらっていてな。その依頼がいつ終わるか 解らないので貴殿に来てもらったわけなのだが、今こうしてリオも役目を終えて帰ってきてくれたという訳だ。なのでしばらくの間はリオを住まわしてやってく れんか。近く、家の件はなんとかしよう。なんとかしなくても良くなりそうな気もするが。」
ネコートがそう言って笑った。
そんなネコートの言葉にリオは顔を赤くしながら何か言いたそうな顔をしている。
タロもそんなネコートの言葉の「含み」には気が付いていたが、過去にリオと何があったのか思い出せない以上はヘタな事を言うのはやめようと思った。
それ程に、先ほどの平手はタロに恐怖を植え付けていた。
先ほどから口の中は血の味しかしない。
「タロもこれからモンスターハンターに挑む身。良い機会だしリオにこのクエストの事を教えてもらうのがよかろう。」
ネコートがそんなリオの顔の色に気が付いていたのか、話題をそらすように言う。
しかしそんな意外な話題にタロは思わず、
「リオも…このクエストを?」
と、聞き返した。
「ああ。もちろんだよ。リオ位のハンターともなれば…この依頼はどこからともなくやってくるのさ。」
ネコートが意味深に言う。
「…。」
タロはこれ以上聞くこともなく、ただ黙ってネコートを見つめた。
11
ネコートとの話を終えて自宅に帰宅したタロは、自室に直行すると終始無言のままベッドにドカッと飛び込んだ。
そのまま仰向けになるとそこには見慣れた天井がある。
タロは天井から視線をそらす事なく、じーっとその一点を見つめた。
「モンスターハンター」…か。
今日渡された依頼書に書かれていたクエスト名をタロは呟く。
その言葉に実はタロは聞き覚えがあった。
いや、覚えてるというには何も連想されるものはないが、ただ、何か懐かしい…親しみすら覚えるようなそんなクエスト名だった。
俺は…このクエストを知っている…。
頭が疼いた。
「モンスターハンター」というクエスト名に自分が過去にかかわった事があるかを考えると頭の後ろの方が熱くなる。
思い出せそうなのだが思い出せない。
頭の中が疼き、そんな疼きにタロはもどかしさと苛立ちを感じた。
…。
「だめだ!!!考えると頭がおかしくなる!!」
そう叫ぶとタロはガバッと起き上がる。
結局、「モンスターハンター」から思い出す事は何一つなかったが、ただ、タロは一つの確信に近い何かを感じた。
その何かとは。
『俺は…過去にこのクエストに挑んだ事がある…。』
タロは声を出さずに頭の中でそう唱えると、それ以上このことを考えるのを止めた。
頭の疼きと苛立ちで気持悪くなってきたからだ。
過去の事を思い出そうとするといつもこうだ…。
この感覚だけは…耐えられない…。
タロはベッドから降りると、窓の外を見た。
窓からは今まさに沈みゆく太陽が見える。
窓から見える村一面が、その夕日に照らされ朱色に染まっていた。
夕方ころにリオが荷物を持ってくると言っていたっけ。
そろそろ来るかな。
そう思うとタロは雑巾を手に持ちおもむろに掃除を始めた。
過去に何かあったか解らないが、やはりタロも男だ。
可愛い子と一緒に住むというシチュエーションには胸躍る。
これから始まる生活を色々想像すると、心なしかタロの雑巾をかける手に力が入った。
12
リオが大きな荷物を抱えて来たのをタロが玄関で出迎えると、まずは荷物を自室に置かせてアイルーキッチンに招いた。
タロがリオをキッチンに招くと、テーブルには豪華な食事が並んでいた。
「あら、思ってたより歓迎されてるのね。」
その料理を見てリオは笑顔になる。
タロは昼間の非礼もあるし何より早く口の中の血の味を忘れたかったため、友好関係を深めようという作戦に出た。
ウチのキッチン猫やオトモ達を紹介するにも良いタイミングだし、一石二鳥だった。
「リオ、ようこそニャ!!先日はご主人がお世話になったニャ!!」
リオを席に着かせると、ウチの料理長を務めるガルが足元からリオに話しかけた。
「ガル、ありがとう。これからよろしくね。」
そう言ってリオはガルに微笑む。
おおー!良い感じだ。
タロはリオのそんな笑顔を見つつ、これなら案外上手くやっていけるかな…と食前酒に口を付けた。
今日は前回とは違って落ち着いた酒が飲めそうだ。
そんなリオの顔を見てガルは嬉しそうに眼を細めると、ガルはピョンとテーブルの上に飛び乗る。
「今日のメインはギガントミートとシモフリトマトの蒸し焼きニャ!体力、精力付けて元気な子を産んでほしいニャ!!」
と、その可愛らしい前脚を高らかに振り上げながら叫んだ。
ブフゥ――――ッ!!!
ガルの「今日の料理長のセリフ」に、タロは口に含んだ食前酒を吹きだした。
ガルの一言を聞いたリオも顔を真っ赤にしながら
「あんた、アイルー達に私をなんだと説明したのよ!!?」
とタロの胸ぐらを掴む。
「いやいやいや!!俺はただ今日から、この前来た女の人がココに住むから頼むよって…!!」
胸ぐらを掴まれ、苦しそうにしながらもタロは必死に説明した。
「ご主人はまだ結婚してないからリオとご主人の関係は『コンヤクシャ』って言うニャ!!」
と、脚元にいたシラタキが得意そうな顔で言う。
「さすが我がキッチンの『チエブクロ』のシラタキにゃ!良く知ってるニャ!!」
そう言ってガルがシラタキに向かってぱちぱちと拍手をする。
「このマセ猫!!いらん勘違いするな!!」
露骨にリオを「婚約者」と位置付けられて流石にタロも顔を赤くしながらシラタキにでこピンする。
「にゃ!!なんで怒られたか解らないニャーーーー!!」
シラタキはでこピンされた額を押さえながら叫んだ。
「じゃあご主人とリオはどんな関係にゃ?」
そんなやりとりを見ていたキッチンアイルーのアシガルが呟く。
何気ない質問だったが、リオもタロもどう返して良いか解らず思わず顔を見合わせた。
二人とも言葉に詰まっていると、アシガルがため息交じりに
「人間ってメンドくさい生き物ニャ。もっとこうボク達みたいに素直に生きればいいニャ。」
と呟く。
アシガルの思わぬ呟きにタロもリオも何も返す事が出来なかった。
13
食事も大体済むと、タロとリオは向かい合いながら芋酒を飲んでいた。
落ち着いた時間がキッチンに流れる。
タロはそんな雰囲気に従いながら、
「リオは今日俺がネコートさんから受けた『モンスターハンター』をこなしたと言っていたけど…実際どんなクエストなんだ?」
と、あまり抑揚のない声でリオに聞いた。
タロ自身、自らの質問の内容に飲まれて緊張したくなかったのだろう。
リオもそんなタロの心情が理解できたので、あまり感情を入れないように語りだした。
「『モンスターハンター』は大闘技場で行われる大連続狩猟のカテゴリに入るクエストよ。出てくるモンスターは今のタロが受けれるクエストでは最多数なんじゃないかしら、4匹。リオレウス、ティガレックス、ナルガクルガ、ラージャンの順に出てくるわ。」
そうリオが説明すると、タロが顔をひきつらせた。
「4匹…しかもよりによってすごい名前のモンスターが並んでるんだな…。」
改めてそのモンスター達の名前を聞いて、タロは唖然とする。
「報酬金の高額さも頷けるな…。」
そう言ってタロは手に持っていたグラスをぐっと空けた。
ちょっとでも緊張しないようにするためなのか、空けたグラスにすぐに手酌で酒を埋める。
「確かに出てくるモンスターの名前を聞くだけで嫌になる依頼よね。でもね、このクエスト…脅すつもりはないけどソレだけじゃないの。」
リオはタロの急いだ手酌を珍しそうな顔で眺めながらそう呟く。
タロはそんなリオの視線に気づいた。
特にその視線の意味を考えた訳ではなかったのだが、リオのそんな顔を見た途端なぜか頭の中が疼つく。
なんだ…?
今…何か俺は思い出しそうになったぞ…。
「ソレだけじゃないとはどういう事だ?」
頭の疼きから逃れるように、早口で聞き返す。
さらには思わず手に持っている酒を口に運んだ。
「その『モンスターハンター』というクエストはね、出てくるモンスターは全てG級の強さを持っているの。」
タロが焦るように酒を飲んでいるのを見て、リオは首をかしげながらそう言う。
G級…!?
「おいおい…俺はG級相手にどうこうできるような武器は持ってないぜ?」
タロがリオの説明に顔をしかめた。
「G級と言ってもタフさは上位とは変わらないわ。ただ…恐ろしく強いの。」
リオの声色が若干重くなる。
村の英雄ですら「強い」と言う言葉に重さが加わるのだから『モンスターハンター』に出てくるモンスターの強さは、やはり並のものではないのだろう。
タロは落ち着いて話を聞こうと思っていたが、そんなモンスターを想像して生唾を飲み込んだ。
酒を口に入れても、すぐにその口が渇く。
タロ自身でも、自分が緊張しているんだと解った。
これから…俺はそんなクエストに挑むというのか。
いたたまれず、また酒を口に入れる。
それでも、今日は酒で記憶を飛ばすなんて醜態は晒したくないという自覚はまだ持っている。
酔いは回っているが、記憶を飛ばすような感じはしない。
まだ、大丈夫だ。
なぜ、あの時は記憶を飛ばすほど飲んだのだろうか。
「正直…あのクエストを上位装備の段階でこなすなんて無謀だと思うわ。挑む以上はこなしてほしいと思うけど、タロもダメだと思ったらリタイアする事も頭に入れておいた方が良いわよ。」
リオは目線を下に向けてタロにそう言った。
リタイア…か。
そんな選択肢もあるんだな…とタロは改めて思った。
そう思うと多少は気が楽だ。
下に俯いたリオを見て、空気が重くなったと感じたタロは今日はこの話はもう止めようと思うと話題を変えた。
「そう言えば聞きたかったんだが…リオは三年前以前の俺を知ってるみたいだけど、俺とリオってどんな関係だったんだ?」
タロがサッと思いついた事を聞く。
タロとしては何気ない質問のつもりだったのだが、リオはタロと目を合わせるとぷいっと横を向いて、
「さ、さあね…。どうだったかしら。三年も前の事だから忘れちゃった。狩り友…みたいなモンだったわよ。」
と話をはぐらかす。
タロも自分の質問がかなり際どいものだったんだと気が付くと慌ててまた話題を変えようとした。
「ああー…そうか。じゃ、じゃあ俺ってどんな奴だった?名前はタロで合ってるらしいんだが…俺は三年前、どこで何をしていたのか教えてくれないか?」
タロはなるべくリオと自分の関係には触れないように質問を変える。
その質問にリオはホッとしたような、でもちょっと寂しそうな顔をすると、
「ああ、タロはね三年前はジャ…
フッと自分の記憶が無くなる音を、タロは聞いた気がした。
4に続く
この作品は完全なる俺の自己満足作品です。
本当に興味ある人で超絶に暇な方だけ読んでいただければ…!!
本当にくだらないことしちゃってごめんなさい★
~登場人物紹介~
タロ
HR:2
主な使用武器:ランス、ガンス
補足:三年前からの記憶がない。
リオ
HR:9
主な使用武器:大剣、ランス、ガンス
補足:三年前以前のタロを知る者。三年前のタロと何か関係があったらしい。
10
「さて、話はまとまったね。ではタロはこれからモンスターハンターに挑んでもらうとして。」
横でネコートとタロのやりとりを聞いていた村長がタロに話しかけた。
「タロに一つワシからお願いがあるんだが聞いてくれるかい?」
村長がそう言ってタロを見上げる。
「お願いですか?まあ聞ける事なら喜んでやりますけど。」
タロがそう言うと村長は嬉しそうに笑いながら、
「ではここに居るリオを、これから当分の間家に住まわせてやってくれんか。」
と、タロに向かって頭を下げた。
そんな質問にタロは驚き、リオの方に視線を向ける。
しかしリオは相変わらず腕組したまま後ろを向いていた。
村長の意外なお願いにもリオが態度を変えないという事はリオ自身はそのお願いの事を知っているのだろう。
タロは少し焦りながらも、リオの態度に変化がない事が彼女自身の答えだと確信すると、
「それは全然構いませんけど…。」
と、返事をした。
しかし言葉尻ではまだリオが本当に良いのか、確認したいニュアンスを残す。
そんなニュアンスに気がついたのか、後ろを向いていたリオが振り向いた。
「元はと言えばあの家、私の家だったんだけど!!私のいない間にあなたが住み着いただけで、本当はあなたが私にお願いしないといけないんだから!!」
相変わらずの仏頂面を変えることなく、リオがタロに向かってそう叫ぶ。
ああ…そうか。確か俺がここに来る前はこの子がこの村の専属ハンターだったんだっけ。
三年前まではリオがあの家を使っていたのか。
「リオも本当に素直ではないな。まあワシからもお願いしたい。今までリオにはちょっとした依頼をこなしてもらっていてな。その依頼がいつ終わるか 解らないので貴殿に来てもらったわけなのだが、今こうしてリオも役目を終えて帰ってきてくれたという訳だ。なのでしばらくの間はリオを住まわしてやってく れんか。近く、家の件はなんとかしよう。なんとかしなくても良くなりそうな気もするが。」
ネコートがそう言って笑った。
そんなネコートの言葉にリオは顔を赤くしながら何か言いたそうな顔をしている。
タロもそんなネコートの言葉の「含み」には気が付いていたが、過去にリオと何があったのか思い出せない以上はヘタな事を言うのはやめようと思った。
それ程に、先ほどの平手はタロに恐怖を植え付けていた。
先ほどから口の中は血の味しかしない。
「タロもこれからモンスターハンターに挑む身。良い機会だしリオにこのクエストの事を教えてもらうのがよかろう。」
ネコートがそんなリオの顔の色に気が付いていたのか、話題をそらすように言う。
しかしそんな意外な話題にタロは思わず、
「リオも…このクエストを?」
と、聞き返した。
「ああ。もちろんだよ。リオ位のハンターともなれば…この依頼はどこからともなくやってくるのさ。」
ネコートが意味深に言う。
「…。」
タロはこれ以上聞くこともなく、ただ黙ってネコートを見つめた。
11
ネコートとの話を終えて自宅に帰宅したタロは、自室に直行すると終始無言のままベッドにドカッと飛び込んだ。
そのまま仰向けになるとそこには見慣れた天井がある。
タロは天井から視線をそらす事なく、じーっとその一点を見つめた。
「モンスターハンター」…か。
今日渡された依頼書に書かれていたクエスト名をタロは呟く。
その言葉に実はタロは聞き覚えがあった。
いや、覚えてるというには何も連想されるものはないが、ただ、何か懐かしい…親しみすら覚えるようなそんなクエスト名だった。
俺は…このクエストを知っている…。
頭が疼いた。
「モンスターハンター」というクエスト名に自分が過去にかかわった事があるかを考えると頭の後ろの方が熱くなる。
思い出せそうなのだが思い出せない。
頭の中が疼き、そんな疼きにタロはもどかしさと苛立ちを感じた。
…。
「だめだ!!!考えると頭がおかしくなる!!」
そう叫ぶとタロはガバッと起き上がる。
結局、「モンスターハンター」から思い出す事は何一つなかったが、ただ、タロは一つの確信に近い何かを感じた。
その何かとは。
『俺は…過去にこのクエストに挑んだ事がある…。』
タロは声を出さずに頭の中でそう唱えると、それ以上このことを考えるのを止めた。
頭の疼きと苛立ちで気持悪くなってきたからだ。
過去の事を思い出そうとするといつもこうだ…。
この感覚だけは…耐えられない…。
タロはベッドから降りると、窓の外を見た。
窓からは今まさに沈みゆく太陽が見える。
窓から見える村一面が、その夕日に照らされ朱色に染まっていた。
夕方ころにリオが荷物を持ってくると言っていたっけ。
そろそろ来るかな。
そう思うとタロは雑巾を手に持ちおもむろに掃除を始めた。
過去に何かあったか解らないが、やはりタロも男だ。
可愛い子と一緒に住むというシチュエーションには胸躍る。
これから始まる生活を色々想像すると、心なしかタロの雑巾をかける手に力が入った。
12
リオが大きな荷物を抱えて来たのをタロが玄関で出迎えると、まずは荷物を自室に置かせてアイルーキッチンに招いた。
タロがリオをキッチンに招くと、テーブルには豪華な食事が並んでいた。
「あら、思ってたより歓迎されてるのね。」
その料理を見てリオは笑顔になる。
タロは昼間の非礼もあるし何より早く口の中の血の味を忘れたかったため、友好関係を深めようという作戦に出た。
ウチのキッチン猫やオトモ達を紹介するにも良いタイミングだし、一石二鳥だった。
「リオ、ようこそニャ!!先日はご主人がお世話になったニャ!!」
リオを席に着かせると、ウチの料理長を務めるガルが足元からリオに話しかけた。
「ガル、ありがとう。これからよろしくね。」
そう言ってリオはガルに微笑む。
おおー!良い感じだ。
タロはリオのそんな笑顔を見つつ、これなら案外上手くやっていけるかな…と食前酒に口を付けた。
今日は前回とは違って落ち着いた酒が飲めそうだ。
そんなリオの顔を見てガルは嬉しそうに眼を細めると、ガルはピョンとテーブルの上に飛び乗る。
「今日のメインはギガントミートとシモフリトマトの蒸し焼きニャ!体力、精力付けて元気な子を産んでほしいニャ!!」
と、その可愛らしい前脚を高らかに振り上げながら叫んだ。
ブフゥ――――ッ!!!
ガルの「今日の料理長のセリフ」に、タロは口に含んだ食前酒を吹きだした。
ガルの一言を聞いたリオも顔を真っ赤にしながら
「あんた、アイルー達に私をなんだと説明したのよ!!?」
とタロの胸ぐらを掴む。
「いやいやいや!!俺はただ今日から、この前来た女の人がココに住むから頼むよって…!!」
胸ぐらを掴まれ、苦しそうにしながらもタロは必死に説明した。
「ご主人はまだ結婚してないからリオとご主人の関係は『コンヤクシャ』って言うニャ!!」
と、脚元にいたシラタキが得意そうな顔で言う。
「さすが我がキッチンの『チエブクロ』のシラタキにゃ!良く知ってるニャ!!」
そう言ってガルがシラタキに向かってぱちぱちと拍手をする。
「このマセ猫!!いらん勘違いするな!!」
露骨にリオを「婚約者」と位置付けられて流石にタロも顔を赤くしながらシラタキにでこピンする。
「にゃ!!なんで怒られたか解らないニャーーーー!!」
シラタキはでこピンされた額を押さえながら叫んだ。
「じゃあご主人とリオはどんな関係にゃ?」
そんなやりとりを見ていたキッチンアイルーのアシガルが呟く。
何気ない質問だったが、リオもタロもどう返して良いか解らず思わず顔を見合わせた。
二人とも言葉に詰まっていると、アシガルがため息交じりに
「人間ってメンドくさい生き物ニャ。もっとこうボク達みたいに素直に生きればいいニャ。」
と呟く。
アシガルの思わぬ呟きにタロもリオも何も返す事が出来なかった。
13
食事も大体済むと、タロとリオは向かい合いながら芋酒を飲んでいた。
落ち着いた時間がキッチンに流れる。
タロはそんな雰囲気に従いながら、
「リオは今日俺がネコートさんから受けた『モンスターハンター』をこなしたと言っていたけど…実際どんなクエストなんだ?」
と、あまり抑揚のない声でリオに聞いた。
タロ自身、自らの質問の内容に飲まれて緊張したくなかったのだろう。
リオもそんなタロの心情が理解できたので、あまり感情を入れないように語りだした。
「『モンスターハンター』は大闘技場で行われる大連続狩猟のカテゴリに入るクエストよ。出てくるモンスターは今のタロが受けれるクエストでは最多数なんじゃないかしら、4匹。リオレウス、ティガレックス、ナルガクルガ、ラージャンの順に出てくるわ。」
そうリオが説明すると、タロが顔をひきつらせた。
「4匹…しかもよりによってすごい名前のモンスターが並んでるんだな…。」
改めてそのモンスター達の名前を聞いて、タロは唖然とする。
「報酬金の高額さも頷けるな…。」
そう言ってタロは手に持っていたグラスをぐっと空けた。
ちょっとでも緊張しないようにするためなのか、空けたグラスにすぐに手酌で酒を埋める。
「確かに出てくるモンスターの名前を聞くだけで嫌になる依頼よね。でもね、このクエスト…脅すつもりはないけどソレだけじゃないの。」
リオはタロの急いだ手酌を珍しそうな顔で眺めながらそう呟く。
タロはそんなリオの視線に気づいた。
特にその視線の意味を考えた訳ではなかったのだが、リオのそんな顔を見た途端なぜか頭の中が疼つく。
なんだ…?
今…何か俺は思い出しそうになったぞ…。
「ソレだけじゃないとはどういう事だ?」
頭の疼きから逃れるように、早口で聞き返す。
さらには思わず手に持っている酒を口に運んだ。
「その『モンスターハンター』というクエストはね、出てくるモンスターは全てG級の強さを持っているの。」
タロが焦るように酒を飲んでいるのを見て、リオは首をかしげながらそう言う。
G級…!?
「おいおい…俺はG級相手にどうこうできるような武器は持ってないぜ?」
タロがリオの説明に顔をしかめた。
「G級と言ってもタフさは上位とは変わらないわ。ただ…恐ろしく強いの。」
リオの声色が若干重くなる。
村の英雄ですら「強い」と言う言葉に重さが加わるのだから『モンスターハンター』に出てくるモンスターの強さは、やはり並のものではないのだろう。
タロは落ち着いて話を聞こうと思っていたが、そんなモンスターを想像して生唾を飲み込んだ。
酒を口に入れても、すぐにその口が渇く。
タロ自身でも、自分が緊張しているんだと解った。
これから…俺はそんなクエストに挑むというのか。
いたたまれず、また酒を口に入れる。
それでも、今日は酒で記憶を飛ばすなんて醜態は晒したくないという自覚はまだ持っている。
酔いは回っているが、記憶を飛ばすような感じはしない。
まだ、大丈夫だ。
なぜ、あの時は記憶を飛ばすほど飲んだのだろうか。
「正直…あのクエストを上位装備の段階でこなすなんて無謀だと思うわ。挑む以上はこなしてほしいと思うけど、タロもダメだと思ったらリタイアする事も頭に入れておいた方が良いわよ。」
リオは目線を下に向けてタロにそう言った。
リタイア…か。
そんな選択肢もあるんだな…とタロは改めて思った。
そう思うと多少は気が楽だ。
下に俯いたリオを見て、空気が重くなったと感じたタロは今日はこの話はもう止めようと思うと話題を変えた。
「そう言えば聞きたかったんだが…リオは三年前以前の俺を知ってるみたいだけど、俺とリオってどんな関係だったんだ?」
タロがサッと思いついた事を聞く。
タロとしては何気ない質問のつもりだったのだが、リオはタロと目を合わせるとぷいっと横を向いて、
「さ、さあね…。どうだったかしら。三年も前の事だから忘れちゃった。狩り友…みたいなモンだったわよ。」
と話をはぐらかす。
タロも自分の質問がかなり際どいものだったんだと気が付くと慌ててまた話題を変えようとした。
「ああー…そうか。じゃ、じゃあ俺ってどんな奴だった?名前はタロで合ってるらしいんだが…俺は三年前、どこで何をしていたのか教えてくれないか?」
タロはなるべくリオと自分の関係には触れないように質問を変える。
その質問にリオはホッとしたような、でもちょっと寂しそうな顔をすると、
「ああ、タロはね三年前はジャ…
フッと自分の記憶が無くなる音を、タロは聞いた気がした。
4に続く