『平成史』小熊英二編著。起源におけるフリーターの定義。八〇年代には、パート労働で小金を稼いだ女性と若者が、「消費者」として文化の担い手とみなされる傾向さえあった。一九八五年には「フリーター」という言葉が生まれたが、アルバイト紹介雑誌『フロムエー』の一九八七年の紹介文によれば、それは「既成概念を打ち破る新自由人種。敷かれたレールの上をそのまま走ることを拒否し、いつまでも夢を持ち続け、社会を遊泳する究極の仕事人」と定義されていた。38p