お天気が悪くなる前に体調を崩す方が多いような気がします。
「私も明日の天気がわかる身体になっちゃったよ」とおっしゃる高齢者の方や、「今日はすごく痛いから明日は絶対雨がふるよ。これだけ当るんだから気象予報士にでもなろうかしら」とおっしゃる片麻痺の方がいたり、私も15年ほど前に傷めた膝が雨になる前に痛むことがあります。
また、気持ちが落ち込んだり、落ち着かなくなったりする方もいると聞きます。
2007年4月には、日本気象協会北海道支社がこんな予報を出しています!
<20日、21日午前から午後にかけての短時間に気温が急上昇し、体調不良や気分が落ち着かないなどの「気象病」が起こる可能性があるとして、「車の運転や、夫婦げんかに注意を」と呼びかける異例の気象情報を出した。>
気象病とは「天候や時間~日単位での気温や気圧・湿度などの気象条件の変化が、痛みに限らず症状の変化の引き金になる疾患」をいうそうです。以下に、(財)山口県予防保健協会保健部さんの情報を引用します。
●お天気屋さんは、性格が悪いわけじゃない
以前より、自律神経が天気痛をはじめ、気象病にも関与すると予想 されていました。 交感神経と副交感神経からなる自律神経のうち、痛みと関連が強いのは 「体のテンションを上げる」交感神経の方です。
比較的最近、足に痛みを感じやすい弱点つきのラットを使った研究で、天候が変わる程度の 範囲の変化では、気圧は低いと、また温度は下がると、そして湿度は高いと、交感神経の作用で 痛みを感じやすくなることが証明されました。しかし寒いけれど湿度も低い冬は、リウマチの 症状はむしろ軽くなる方も多いことから、特に痛みに関しては、温度に較べて気圧と湿度の影響力 が大きいようです。
寒いと交感神経が優勢になることはよく知られています。でも、気圧が下がると副交感神経が優勢になるとされていました。 一見、矛盾するのでは?と考えられます。しかし、気圧が低下すると、ヒスタミンという物質が 増えることがわかりました。ヒスタミンは、外部からの刺激に反応して増え、アトピーや喘息などの アレルギーや炎症を起こすことで知られていますが、他に血管を拡張させる作用や血管から水分などが 周囲の組織にしみ出させる作用により、血圧を急低下させたりします。その一方で、神経伝達物質としては 交感神経を刺激します。気圧の低下に合わせてバランスがとれるまでは、身体の各部が大気を押し返す圧力が 気圧より優勢になるため、血中に物質が溶け込みにくくなったり、一つ一つの細胞が膨張ぎみになります。 このときに、血中の肥満細胞からヒスタミンが出されます(梅雨どきにアトピーが悪化する方は、 カビの他にここにも原因が)。
●直接原因は自律神経のパニックと血行の悪化とむくみ
そもそも、交感神経の作用で痛みが増すのは、筋肉や関節周辺では血管を収縮させ、血行が悪くなり、疲労物質がたまることが主因です。一方脳の血流は逆に増やすため、血管の拍動が主原因の偏頭痛も起きやすくなります。さらに、痛いという感覚自体が交感神経を刺激して、悪循環になります。
気圧の低下で基本的に副交感神経が優勢になりローテンションでけだるいところに、ヒスタミンの作用で交感神経への逆の指令も来るため、自律神経失調状態(要するにパニック)となる上に、ヒスタミンと交感神経のダブルの作用で血行が悪くなり、痛みに対処できなくなるようです。
また、気圧が下がると組織の膨張で、神経と周囲の器官が触れやすくなって痛みが増すという説も あります。
さらに、雨が降ると湿度が上がります。湿度が高いと汗が引きにくいため、体がむくみやすくなります。 むくみも血行が低下し疲労物質がたまる原因になります。また体液のカルシウムイオンが薄まることで、 筋肉や神経が過敏になって痛みが出やすくなります。さらに汗が引きにくいことで、不快感もさることながら、 体温調節(夏ばてや熱中症を参照)しにくくなり、自律神経のバランスの乱れに拍車を かけます。
雨降りの前後の気圧のアップダウンと湿度の上昇による自律神経失調状態+むくみ+血行の悪化が、 関節痛、神経痛、古傷の痛みを引き起すようです。そう、冷房による夏ばてや冷え症と 似た状態です。
●お天気屋さんのための痛み対策
夏ばてや冷え症と原因が似ていることもあり、対策もかなり共通します。
お風呂は強い味方です。汗をかく上にすっきり流して余分な水分を出し、さらに血行もよくなります のでむくみに大変効果的です。マッサージをしたり、足を上げ下げしたり、曲げ伸ばしなどの運動をするのもいいでしょう。
そして、湿気と冷えは悪化の要因ですので、お風呂あがりはしっかり拭いて、血行を妨げない ゆったりした服装を。冬は保温性第一ですが、夏の場合は、体に熱がこもるのもよくありません。 続いて出てくる汗が引きやすいよう、通気性と吸湿性がよいものを(ねまき用の浴衣は湿度の高い 日本ならではの知恵です)。
気温の変動しすぎに気をつけて、夏のエアコンは除湿(ドライ)を活用し、冬は重ね着で調節します。
むくみの原因となる水分や塩分のとりすぎに注意して、冬なら冷え症に効く食べ物を。 そしてあとなぜか「もち米」はむくみを起こしやすいので、お餅やおかきの食べすぎにも気を つけましょう。夏は自律神経が正常に体温調節をするためには水分を出し入れすることが重要 なので、上手にとって、ちゃんと出すことです。生の野菜や果物は、適度に水分を補給でき、 自律神経を整えるビタミンCと、利尿作用のあるカリウムに富み、体の熱を放散させる効果があります。 とくに夏が旬のきゅうりやすいかなどのうり系統と、トマトや茄子などのなす系統がおすすめです。 それから、自律神経や痛覚の神経をなだめ、骨や関節を強くするカルシウムをとるよう心がけましょう。 牛乳だとお腹の調子が悪くなる・水分の摂りすぎが心配、という方は、チーズやヨーグルト、 小魚など、手を変え品を変えるようにするとよいでしょう。
そして、自律神経のバランスをとるにはできるだけストレスをさけて睡眠を十分に。
筋力が弱いとむくみやすいので、きつくないときには歩いたり、ストレッチなどの軽い運動で血行と 筋力を高めておきましょう。