痛みを,純粋な身体の問題ととらえた場合,
「痛みは身体の危険信号で,痛いときには動かさない」
というのが原則になります。
ところが,痛みというのは身体面のみで解決するものではないと思われます。
例えば,身体的に明らかな痛みの原因があっても何かに集中しているときは痛みを感じなかったり,反対に身体的に何も問題がないのにいつまでも痛みが続いたりと,痛みには精神面が深く関わっていそうな気配を感じます。
理学療法では,身体を動かすこと(動作)を
意図(動かそうとすること)⇒身体運動(随意的(意識)・不随意的(無意識)な身体の反応の組み合わせの結果生じる活動)
と捉えて,患者様にとって動かしやすい身体を,セラピストが作り出すことに重きを置いています。
これに対して,動作を心理的アプローチによって改善しようとするのが臨床動作法です。
この方法では,つぎのように考えるそうです。
意図(動かそうとすること)⇒努力(意図を実現する為に,自分の身体に注意を向け,身体を調整・操作するための主体的な自己の活動)⇒身体運動(自己の主体的な活動が行われた結果,発生する心的なエネルギーによって起こる活動)
自分の身体の状態に気づき,意図するとおりに動かそうと努力する過程が重要で,その部分を身体的・心理的にサポートして訓練していくことによって,痛くなくなったりすることもあるのです。
理学療法しか知らなかった私は,臨床動作法について当院の臨床心理士や実際に痛みから解放された人の話を聞いて,かなりのショックを受けたのですが,,改めて人間の複雑さ,奥深さを感じました。
身体と精神は一体で,どちらかを病んでしまった人には,どちらのメンテナンスも必要だと思います。
理学療法・心理療法と分けて考えずに,治療者として,患者様の身体・精神両面をサポートできるように,これからも精進します!!