■ 犬の性格判断はなぜ難しいのか
犬の性格を正確に評価することは、警察犬の選抜や家庭犬の飼育において非常に重要です。判断を誤ると、危険な事故や、保護施設への返還といった問題につながることもあります。
これまで犬の気質は、専門家が行動を観察するテストで評価されてきました。しかし、この方法には人間の主観が入りやすく、評価がぶれやすいという課題があります。
■ 研究:唾液から性格を測れるのか
韓国・慶北大学の研究チームは、「犬の性格を生物学的に客観評価できるか」を検証しました。
24匹の犬を対象に、音や不安定な足場などを使ったストレステストを実施。同時に、唾液から次の2つの物質を測定しました。
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コルチゾール(ストレスホルモン)
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セロトニン(気分に関係する物質)
■ 分かったこと:落ち着いた犬の共通点
結果は非常に明確でした。
テストで落ち着いた行動を見せた犬は、
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テスト前からコルチゾール値が低い
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ストレス状況でもホルモンの急上昇が小さい
一方、不安を示した犬は、
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もともとのストレス値が高い
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テスト中にコルチゾールが大きく上昇
つまり、「落ち着いた性格」は生物学的にも裏付けられていたのです。
■ 性格は脳とホルモンで決まる?
研究では、犬の性格はHPA軸と呼ばれる体内システム(ストレス調整機構)と関係していると考えられています。
安定した犬は、このシステムが過剰に反応せず、強い刺激を受けても冷静さを保てる可能性があります。
■ 今後の可能性
この研究は、犬の性格評価をより客観的にする道を開きます。
将来的には、
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警察犬や作業犬の選抜
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保護犬の適切なマッチング
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問題行動の早期発見
などに活用できるかもしれません。