日本最古の歴史書・古事記には「稲、粟、小豆、麦、大豆」、日本書紀には「粟、稗、稲、麦、大豆、小豆」が書かれています。しかもそのすべてが、神様の遺体から生じたという記述があるのです。
・・・神様の遺体から穀物!?

日本最古の農業書である「親民鑑月集」や江戸中期の農業書「農業全書」にも雑穀の種類について書かれています。特に農業全書での記述は詳しく、粟のことを「まことに一粒万倍とも云ひつべき、ならびなき上穀」と書くなど雑穀の栽培を勧めています。
なぜ古くから雑穀が栽培されてきたのかというと、
・土壌や気候などの条件が悪い土地でも生育しやすく、干ばつや冷害にも強い。
・長期保存が可能。
・粒のまま食べるほか、餅や粉、時にはお酒などにも加工ができる。
・栄養価が高く、薬用にも用いることができる。
などのメリットがあったからです。
雑穀は、その後明治時代まで庶民の主食でした。
しかし戦後、白米食が主流となり、雑穀は「貧しい食」と考えられるようになりました。1900年~2000年の100年間で、雑穀の栽培面積は1/1000になったと言われています。
そして現在、美容・健康の観点から雑穀は注目されるようになり、「古くて新しい穀物」として再び脚光を浴びるようになったのです。