人の姿で
一番格好良いのは背中
それはサウナなどの
温浴施設へ行けば
一目瞭然で分かりやすい
肩幅があって
腰の辺りがシュッとして
余程のぽっちゃりさんでも無ければ
おっ格好良いと思いきや
横を向くとぽっこりひょうたん腹が
呼んでもいないのに顔を出す
太鼓持ちが得意なら
波をチャプチャプかき分けるように
人並みを乗りこなして
太っ腹な大将に取り入るのも
悪くはない選択で
私のように上手く
太鼓も持てない者からすると
サラリーマン社会を
スイスイと泳ぎ回れる才能が
羨ましくなるから
馬鹿野郎と陰で愚痴るけれど
発明や発想の才能
学業の才能やスポーツの才能と
およそ誰もが理解出来て
社会実装がし易い才能の
持ち主だけが天才ではない
何か一つだけ
飛び抜けた才能を持っていて
誰かに発見されて
利用されて求められる事を
受け容れる才能が無ければ
おそらく社会的な成功を
収める事は難しい
どの成功者を見ても
取材申し込みがあれば
それを受け
愛想良く質問に答えると
さらに広く自分の才能を
広められるのだから
噂の出処を嫌うと
それだけで成功の道は絶たれる
ただ黙って
無表情にそこにいる存在を
警戒しない者も信用ならないし
そこを超えて来る
太鼓持ちの天才もウザったい
凡庸だけれども
それなりに警戒心を持ち合わせる
太鼓持ちが話し掛け易いのは
おそらく赤ん坊くらい
無表情でもマシュマロフェイスへなら
警戒を解いて笑顔を向ける
そう考えると
赤ん坊というのは才能の塊
誰もが心を開く鍵になり得る
あのマシュマロボディが
周りの雰囲気を明るく照らし出し
人生の舞台を明るくしてくれる
娯楽の乏しい時代
彼等の日々の成長そのものが
周りの家族の娯楽であり
あやしたり遊んだり
忙しく世話をするのも
楽しみながら
暮らしていたかもしれない
そう考えると
少子化とは娯楽過多が
原因の一つかもしれない
平日昼間のカフェには
たくさん親子連れがいるけれど
親はスマホに夢中になり
その親の視線を勝ち取る為に
夢中になって動き回る
子供達を見ていると
もう一押しだガンバレー!と
応援したくなってしまう
子は親の背中を見て育つと
昔から言うけれど
幼い頃から背中を向けられては
子供達も逞しく育つに違いないが
年老いた親の方が
子供の背中について行けずに
独居老人へと流れて行くのだろうか
願わくば出来過ぎた子供たちが
海外へと飛び出して荒波に揉まれても
チャプチャプとかき分けて
いつの日かひょっこり顔を出しては
温泉にでも浸かりながら
ポッコリお腹に
マシュマロボディを乗せて
笑い合えれば良いけれど