地元の観光スポットなど

普段は行かないけれど

占いで良い思い出のある場所へ行くと

なんか良い事あるよと書いてあったからと

ポンと浮かんだ展望台へ行ってみた



年末休暇も相まって

ロープウェイで仕事終わりに

展望台へと向かう道すがら

街中の人手の多さに驚き

札幌は観光地なのだと思い知った



空き空きのチンチン電車で

展望台へ向かおうと停車場へ行くと

誰もいないから年末とはいえ

ここはいつでも居心地が良いなどと

呑気にしていたら

乗った電車は激混み状態



寒さ対策のヒートテックが 

車内の暖房ででヒートアイランド

一人お澄まし顔を赤らめて

早く目的地へ辿り着けと念じる始末



着いたら着いたで

今度は無料の言葉に引かれて

吹きっ晒しの

シャトルバス乗り場で待ちながら

今度は万全の寒さ対策が功を奏したと

お澄まし顔で前に並ぶ

寒そうにしている観光客を横目に

喜ぶヒールに成り下がる始末



シャトルバスに乗り

ようやくロープウェイ乗り場へ

すると長蛇の列が

まさか地元の展望台がこれ程混み合うとは

インバウンド様々だと感心しながら

またまた体はヒートアイランド



並び始めは屋外で寒く

建物内は暑くなり

乗り場の外気は冷たくて

混み合う車内がちょうど良い



本来なら即帰る所なのだけれど

何か良い事があると占いが言うものだから

欲にまみれた愚かな私は

我慢に我慢を重ねて

チケット売り場へ辿り着き

市民割引でおよそ半額で登れる事を知ると

早速良い事GETだぜと

またまた外国人観光客を横目にニヤリ



こんな行列普段なら全く並ばないのに

なんか妙な優越感に浸りながら

最近買ったワイヤレスイヤホンで音楽を聴き

嬉々としてロープウェイを待っていた



狭い車内の絶景スポットをGETして

いざ登り始めると早速札幌の夜景が広がり

思わず光の海だと呟いた



中継施設に到着すると

今度はケーブルカー待ちの行列に並ぶ

あの光の海が今度は肉眼で拝めるのかと

ワクワクしながら数十分

もう暑さ寒さの揺さぶりにも慣れて

上着の前のジッパーを

開け締めしながら調節し

心も身体も揺れなくなった



そしていざ展望台へ

何かよく分からん鐘が映えスポットの様で

多くの人が撮影していたが

地元一人旅の吾輩は素通りして

光の海へと視線を向けた



円山は何故円山なのかは

あのシルエットが物語っていた

丸くは見えないが

おそらく空から見ると丸いのだろうと

思える真っ黒な輪郭が

光の海へ突き出す半島のように思えた



漆黒の山々と

光る街並みの境界線がくっきりとして

確かにあそこなら

熊達の楽園からほど近い所に

人が暮らして居る事が一目瞭然だ



物事を俯瞰する事を

これ程にも具現化している光景が

この場所以上に

感じらる所は無いだろうと思った



光り輝く海なのか

漆黒に包まれる海なのか

分からなくなり

空にはきれいなお月様



月明かりが

夜空をディープな紫に染め上げて

街の灯が山の黒さを有機ELのように

黒く際立たせた眼下に広がる景色

イヤホンから流れる音楽



感覚的に自分が

今どこに存在しているのか分からなくなり

ただただその不思議な感覚に溺れ

その快感に浸り尽くしたくなったけれど

現実の氷点下の気温と

降りるケーブルカーの行列の長さが

目に入ると驚いて

思わず並んでしまった



移動時間に約二時間

滞在時間は僅か5分足らず

そこから下山するまで小一時間

シャトルバスを降りて

チンチン電車を待つのにまた10分

流石に帰りの車内は空き空きで

いつも通りの昭和感



不意に見上げた料金表の 

金額が60円も値上がりしていて

思わずおっ!と声が出る始末



観光客は盛り上がり

閑古鳥はどこかへ去っても

乗車料金は跳ね上がる

まったく観光とは苦行だなどと

思いながら帰宅して

結局何が良い事だったのかも

分からず仕舞いでトホホと言って 

いいだけ駄洒落て月見酒