稲子湯までは、
雪道に弱い私の後輪駆動車とスタッドレスで到着出来て、
予定時刻に遅れることなく一安心。
此処までバスが来ているのでしょうか、
稲子湯の庭先にバスの回転場がしっかりと確保されてあります。
テントや重い食料を入れたザックを背負っての登山開始です。
まるで春の様な気温と景色でした。
今回の目的は・・・
・ザックの重さを体感する
・地形図とコンパスを利用した登山の実践
・-20℃近い山中でのテント泊
ここは登山道のため、
トレースを外さなければ、
間違いなくテント場には到着できますが、
登山技術の1つの「地図読み」をしながら
登山をします。
目標となった2つ目の橋周辺、
そこでも休憩時には地形図と地形を比較します。
針葉樹の林、沢、橋、道路の方向、登山道の方向・・・と
色々と地図に有るものと現状を照らし合わせます。
そして再出発するときに、地図担当さんから・・・
「次の目標は・・・@@です!」
「ここから約@@mの位置にあります。」
・・・と全員に周知して
5人の目を総動員して目標物を探しながら歩くことが大切です。
全員登山ですね!
このルートは沢ルートです。
一般的に沢ルートは・・・
最初は緩やかな登りですが
最後は急な傾斜となります。
今回も同じようにテント場近くに成ったら
傾斜も増してきました。
何度も足を止めて
周囲の地形を確認しながら歩くと・・・
地図を見ることが段々と楽しくなって来ます。
私もそうでした!
屋根にある煙突から立ち上る煙
こんな景色は山小屋くらいしか見ることが出来ません。
癒しの景色です。
足を何度も止めることで足にも優しい登りとなり、
重たい荷物もあまり感じないで
シラビソ小屋までやって来ました。
全員が間違いなく、15Kgは超えていた荷物と思います。
予想通りの天気予報です。
夜は大荒れ?
しかし、テント場は谷合いのエリアのシラビソ小屋テント場のため、
上空で強風が吹き荒れても影響は少ない場所です。
テントを設営して
早速、楽しい食事の時間です。
重い食材を全員で荷物分担をして担ぎ揚げて来ました。
食糧計画担当さんが苦心して考えた韓国風料理
私が細工をした家庭用鍋も持参しました。
取ってと蓋の上のツマミを小型化して
ザックに収納も容易に成りました。
そして
わさび醤油で食べる豆腐こんにゃくのお刺身、
大根のうす切り漬物 キュウリの漬物と盛りだくさんでした。
また良い香りのする日本酒が出てきたので、
私もほんの一口! これなら私にも飲めるかも!
楽しい食事の後は、
明日の戦略会議です。
地形図を広げて、コンパスを当てて、定規で距離計算、
そして標高差などを調べて5人で1時間以上の会議でした。
登山の過程を研究して、
協力して全員が山頂へ到着すること・・・
いままさに明日の山頂への過程を研究して、
全員の心の中では同じ戦法が描かれ、
一致していることと思います。
そうすれば何倍もの力が発揮されます。
良かった、良かった!
明日は成功だな!
手袋と靴の中敷き、そしてヘッドランプと一緒に
シュラフに潜り込んだ瞬間、
爆睡してしまった感がありました。
夜中は強風が吹き荒れて
時々枝の先の雪がテント落ちたのでしょう、
ザザア-という大きな音で目が覚めましたが、
足元も暖かだし、
床からの冷え感も感じません。
外は大荒れでしたが、
テントの中は穏やかな時がジーっと流れて
楽しい1夜が終わろうとしていました。
2日目
4時起床・5時朝食・6時出発の予定です。
起きたらまず、シュラフの収納、
その後はテントの中を暖めることと
お茶を一杯飲んで食事に取り掛かります。
残飯の整理ですが、雑炊が美味しかったです!
それからは、
荷物の収納ですが、いつも慌ただしいです。
そしてテントの撤収です。
昨夜の雪はテント表面で氷化してますので、
バタバタと払い落としてからです。
アイゼンやピッケルは立てておいたので
探すことなくセット出来ました。
しかし
私達が出発したのは予定時刻の6時から大幅に遅れてしまって、
なぜそんなに遅れたのか考えたりしていました。
昨夜は15~20㎝ほどの積雪がありましたが、
歩行には支障ない程度です。
また50分ほど歩いた小休止で・・・
私のピッケル埋没事件が起きてしまいました。
風呂桶2杯分くらいシャベルで掘り返したりして
これでまた時間ロス!(申し訳ありませんでした。)
傾斜が増したころ、
隊の速度は落ちはじめました。
ゆっくりとゆっくりとした速度です。
ザックの重荷でしょうか!
・時間経過の遅れ
・程度は少ないが新たな積雪
・ザックの重荷
そのようなことでルートを変更することにしました。
稲子岳のピークハントのみとしました。
幸い樹林帯であるので風は問題に入って来ていません。
登山道から樹林に入り、
コルからピークを越えた辺りで・・・隊の速度を上げるために
不要な荷を
テントのフライシートの中に入れてデポすることとしました。
やはり荷の重さが軽くなるとテンポよく進みます。
小さな岩場では安全第一でロープで確保、
そして露岩帯ではやはり強風に曝されました。
1分でも早く樹林の中に逃げ込みたいくらいの風で
急速に手先も冷たくなって行くようでした。
冬の風は大敵ですね!
この下は稲子岳南壁です。
常に風が強いのか地表にはほとんど積雪は有りません。
そして樹林に入り、山頂へと到着しました。
山頂は標識も看板もない所、
しかし自分達が苦労して至った頂きです。
私達は計画を練り、装備品や食糧計画書まで作って
ルートを事前に研究して
今登山の過程の山頂です。
今回は計画変更で此処で引き揚げることとしました。
それも登山の過程においての自分たちの判断です。
そして
自分たちの実力でしょう!
仕方ありません!
でも、これは第一ステップです。
次は・・・
「登山は、過程を研究して、楽しんで、協力して、
そして全員で山頂に立ち、下山すること」
私の考える登山のまっただ中に5人は居ます。
それぞれ違った想いの部分もあるかと思いますが、
いまは全員が登山隊の一員で山頂に立てました。
後は往路を下山することです。
トレーニングの効果がでていました!
ここで一安心、小休止!
デポした荷を積みこんで居ましたが、
あそこが登山道と分かったら、早い早い!
かわいい道標でしたので、カシャリと撮って来ました。
振り返ると・・・
みんな大きなザックを背負って
満足そうな表情で下山してきています。
1人1人の課題は多少違うかもしれませんが、
全てが凍り付いた稲子岳の山頂が・・・
私達に与えてくれたものは
大きなものであったと確信しています。
山は本当に私達を豊かにしてくれます。
やっぱり、
山は良いもんですね~!
登山・トレッキングのガイド「風」 (HPも宜しくお願いします。)
・・・
「風」のガイドプラン (こちらも宜しくお願いします。)
https://www.youtube.com/watch?v=4yoWgTnmGnc