「セルフレスキューって何?」
字の通り、自分達自身で実施する救助のことです。
「私達はそんな危険な山へは行かないので、対象外です。」
「ロープなんか使う山には行かない。」
そう思う人も少なくないと思います。
しかし
登山道を登山中、振り向いた拍子にバランスを崩して
転落した人も居ます。
靴の紐を踏んで転落、
ザックを背負う時にバランスを崩して転落など
思わぬことで大きな事故が発生しています。
そして、
ザックを谷底へ落としたら遭難一歩手前です。
さっきまで楽しかった山が、
急に恐ろしい「遭難」の文字が牙をむいて襲って来ます。
遭難とは、他人の手を借りなければ山から下山出来ないこと
・・・と言っても過言ではないと思います。
「平成28年における山岳遭難の状況」・・・警視庁によると・・・
★都道府県別の遭難発生状況
1位 長野県 271件
2位 北海道 206件
3位 東 京 151件
「え~ッ、東京が3番目に多いんですか!」
東京の山でも実は・・・そんな状況なんですね。
前置きが長くなりましたが、
ロープが有ればこんなことが出来る。
ロープは私達を守ってくれ、救ってくれるもの。
グループ登山でロープでの携行
グループ全員の技術の均一化
以上のようなことを考えての1日でした。
天覧山の東屋で準備をして、岩場へ到着するときに
簡単な岩交じりの斜面を下ります。
突然!
「はい、危険個所に遭遇しました。
足慣れない仲間が居た場合にどうしたら
安全に通過させることが出来ますか!」
皆さんは突然の出来事に驚いた様子でした。
固定ロープの設定方法をまず最初に実施しました。
転落事故の防止策の1つです。
カラビナとロープとスリングだけしか使用せずに
全員が崖下まで到着できました。
面倒がらずに積極的にロープを使用しましょう!
ロープ結索は・・・
・ロープに輪を作るもの
・・・八の字結び
・ロープとロープを結ぶもの
・・・ダブルフィッシャーマンズノット
・ロープを立木や体に結ぶもの
・・・ブーリン
以上の3種類が主なものと思います。
そして・・・
・ロープとスリングの摩擦を利用するもの
・・・マッシャ-やプルージック
・ロープをカラビナに絡ませて使用するもの
・・・ムンターヒッチ
上記した5つの分類が有るかと思います。
その中でも結索の種類は多くありますので、
5つの分類の中で最初は1つだけ覚えると覚えやすく、
間違いが少なく成ると思います。
色々なシステム作成を山の斜面で実施しました。
「なるほど~、これだけでいいのか! これなら簡単だ!」
「これは私にもできる!」
色んな情景が頭の中に浮かんだのでしょうか。
ザックを落としてしまった時も、
拾い上げることが出来るかもしれません。
遭難の文字も時間と共に、遠くに遠ざかって行ったことと思います。
負傷した人と一緒にロープを頼りに登り上げ
負傷した人に寄り添う形で同時懸垂
仲間を下まで降ろすローワーダウン
動滑車の原理を利用した各倍力システム
前日の夜に・・・頭の中で整理した順番、
それが一つ狂うと・・・
それを戻そうと私も汗だくになったり、
全員の目が私の手元のロープ裁きを見ていると
緊張の一瞬がやってきたりもします。
風の無い暖かな日だったせいか、色んな汗もかきました。
「間違い」・・・
よく登山の計画書を作りますが、
自分で作った書類の間違いを見つけるためには、
一字一句緻密な作業をしないと見つかりませんが、
人の作ったものは比較的簡単に見つけることが出来ます。
人のロープ結索やロープシステムに間違いに気づいたら、
修正してやることがとても大切です。
その・・・
間違いを見つけるためには結索を知らないと、
見つけることは出来ません。
全員が同じレベルの技術を持つことも必要ですね。
「今日は@@さんが居るから安心だ!」
「00さんは頼りになる!」
@@さんや00さんも間違いをしますし、
もし、
@@さんや00さんが転落したら・・・グループは一大事です。
こんなことを考えると・・・
セルフレスキューは人の一生で、
1回遭遇するかしないか分らない確率かと思いますが、
私は仲間にも習得してほしくて一緒に山に登る前には、
赤城山などで実施したことが有ります。
事故現場では・・・
私は後方で呆然と見ているだけの人とは違う。
その気持ちがすべての原動力となると思います!
今年の夏は・・・
仲間と北アルプス縦走だから・・・
もう少し足腰を鍛えよう、
ロープワークもシッカリ覚えよう、
荷物の分担も引き受けよう、
みんなのために私に出来ることは何?
最後に・・・
傾斜角約70度、高低差約10m下に居る私を
みんなで協力して引き揚げて貰いました。
リーダーを決めると、各部署の役割担当が自然に決まり、
活動開始!
あれやこれやと会話の中でシステムが出来上がって行きます。
「これをこっちに設置しよう!」・・・など
システムが出来上がったら
私は下へ行き、怪我人役となります。
3倍力システムで交代でロープ引き体感
5分の1システムに変更後の引き上げ荷重の差も体感され、
私は講習へ参加した皆さんの総力により、
無事に引き上げて貰いました。
私のも来ることはたくさんある!
最後の振り返りの時間、
輪の中でみなさんはどんなことを思っていたでしょうか。
出来ることは自分たちで!
・・・ですね!
登山・トレッキングのガイド「風」 (HPも宜しくお願いします。)
・・・
「風」のガイドプラン (こちらも宜しくお願いします。)