2018・1・8 セルフレスキュー講習を終えて | 高橋 丈のブログ

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山を登るということ、辛い時の方が多いかも知れません。
でも、頂上で交わす握手や笑顔は代えがたいものが有ります。

日帰りハイキング、夏山縦走、雪の山、
色んな山について、ここで紹介したいと思っています。

「セルフレスキューって何?」

字の通り、自分達自身で実施する救助のことです。

 

「私達はそんな危険な山へは行かないので、対象外です。」

「ロープなんか使う山には行かない。」

そう思う人も少なくないと思います。

しかし

登山道を登山中、振り向いた拍子にバランスを崩して

転落した人も居ます。

靴の紐を踏んで転落、

ザックを背負う時にバランスを崩して転落など

思わぬことで大きな事故が発生しています。

 

そして、

ザックを谷底へ落としたら遭難一歩手前です。

さっきまで楽しかった山が、

急に恐ろしい「遭難」の文字が牙をむいて襲って来ます。

 

遭難とは、他人の手を借りなければ山から下山出来ないこと

・・・と言っても過言ではないと思います。

 

「平成28年における山岳遭難の状況」・・・警視庁によると・・・

★都道府県別の遭難発生状況

1位 長野県 271件

2位 北海道 206件

3位 東 京 151件

 

「え~ッ、東京が3番目に多いんですか!」

東京の山でも実は・・・そんな状況なんですね。

 

前置きが長くなりましたが、

ロープが有ればこんなことが出来る。

ロープは私達を守ってくれ、救ってくれるもの。

グループ登山でロープでの携行

グループ全員の技術の均一化

以上のようなことを考えての1日でした。

 

天覧山の東屋で準備をして、岩場へ到着するときに

簡単な岩交じりの斜面を下ります。

 

突然!

「はい、危険個所に遭遇しました。

足慣れない仲間が居た場合にどうしたら

安全に通過させることが出来ますか!」

皆さんは突然の出来事に驚いた様子でした。

固定ロープの設定方法をまず最初に実施しました。

転落事故の防止策の1つです。

 

カラビナとロープとスリングだけしか使用せずに

全員が崖下まで到着できました。

面倒がらずに積極的にロープを使用しましょう!

 

ロープ結索は・・・

・ロープに輪を作るもの

     ・・・八の字結び

・ロープとロープを結ぶもの

     ・・・ダブルフィッシャーマンズノット

・ロープを立木や体に結ぶもの

     ・・・ブーリン  

以上の3種類が主なものと思います。

 

そして・・・

・ロープとスリングの摩擦を利用するもの

     ・・・マッシャ-やプルージック

・ロープをカラビナに絡ませて使用するもの

    ・・・ムンターヒッチ

 

上記した5つの分類が有るかと思います。

その中でも結索の種類は多くありますので、

5つの分類の中で最初は1つだけ覚えると覚えやすく、

間違いが少なく成ると思います。

色々なシステム作成を山の斜面で実施しました。

 

「なるほど~、これだけでいいのか! これなら簡単だ!」

「これは私にもできる!」

色んな情景が頭の中に浮かんだのでしょうか。

ザックを落としてしまった時も、

拾い上げることが出来るかもしれません。

遭難の文字も時間と共に、遠くに遠ざかって行ったことと思います。

 

負傷した人と一緒にロープを頼りに登り上げ

負傷した人に寄り添う形で同時懸垂

仲間を下まで降ろすローワーダウン

動滑車の原理を利用した各倍力システム

 

前日の夜に・・・頭の中で整理した順番、

それが一つ狂うと・・・

それを戻そうと私も汗だくになったり、

全員の目が私の手元のロープ裁きを見ていると

緊張の一瞬がやってきたりもします。

風の無い暖かな日だったせいか、色んな汗もかきました。

 

「間違い」・・・

よく登山の計画書を作りますが、

自分で作った書類の間違いを見つけるためには、

一字一句緻密な作業をしないと見つかりませんが、

人の作ったものは比較的簡単に見つけることが出来ます。

人のロープ結索やロープシステムに間違いに気づいたら、

修正してやることがとても大切です。

その・・・

間違いを見つけるためには結索を知らないと、

見つけることは出来ません。

全員が同じレベルの技術を持つことも必要ですね。

 

「今日は@@さんが居るから安心だ!」

「00さんは頼りになる!」

@@さんや00さんも間違いをしますし、

もし、

@@さんや00さんが転落したら・・・グループは一大事です。

こんなことを考えると・・・

セルフレスキューは人の一生で、

1回遭遇するかしないか分らない確率かと思いますが、

私は仲間にも習得してほしくて一緒に山に登る前には、

赤城山などで実施したことが有ります。

 

事故現場では・・・

私は後方で呆然と見ているだけの人とは違う。

その気持ちがすべての原動力となると思います!

今年の夏は・・・

仲間と北アルプス縦走だから・・・

もう少し足腰を鍛えよう、

ロープワークもシッカリ覚えよう、

荷物の分担も引き受けよう、

みんなのために私に出来ることは何?

 

最後に・・・

 

傾斜角約70度、高低差約10m下に居る私を

みんなで協力して引き揚げて貰いました。

 

リーダーを決めると、各部署の役割担当が自然に決まり、

活動開始!

あれやこれやと会話の中でシステムが出来上がって行きます。

「これをこっちに設置しよう!」・・・など

 

システムが出来上がったら

私は下へ行き、怪我人役となります。

3倍力システムで交代でロープ引き体感

5分の1システムに変更後の引き上げ荷重の差も体感され、

私は講習へ参加した皆さんの総力により、

無事に引き上げて貰いました。

 

私のも来ることはたくさんある!

最後の振り返りの時間、

輪の中でみなさんはどんなことを思っていたでしょうか。

 

出来ることは自分たちで!

・・・ですね!

 

・・・・

登山・トレッキングのガイド「風」  (HPも宜しくお願いします。)
 

・・・
風」のガイドプラン  (こちらも宜しくお願いします。)