今回は税理士試験や税金から少し離れますが
仕事と密接するな話です。
様々な中小企業と税理士の関係
税理士という仕事は多種多様な中小零細企業、
個人事業主と日々接してその財務内容を見ます。
基本的にどの会社にも毎月訪問します。
1年でどんな会社も決算はするのですが
私たちの間では上記を「月次決算」と言い、
必ず実施します(もちろん税理士によりますが)。
毎月の数字とその時の前年比を必ず把握します。
そのため、この仕事をしていると
景気や円安などの影響がどう出てるのか
ということを肌で感じることが出来ます。
追い風の強いゲーム業界
昨日の新聞で
「ゲーム業界 人材確保に熱」
~給与上げ・同業を買収~
という記事を見たのがこの話題のきっかけです。
これによると、(以下、斜体青字は記事を要約)
カプコンは正社員の基本年収を
平均30%上積みし、初任給は4.75万増の23.5万
バンダイナムコ、コーエーテクモにいたっては
それぞれ初任給が5.8万増の29万、5.6万増の29万
と大卒初任給の平均を約3割も上回ったとのこと
です。
理由は、ゲームが高度化しているため、開発に
多くの人材が必要になっているようで、社会の
デジタル化が進む中、ITの知識を持つ人材が
幅広い業界で奪い合いになっているようです。
会計業界でも話題の中心は電子帳簿保存と
インボイス制度ですよね。
どちらもデジタル化の流れに乗っており、
ITの知識が不可欠です。
上記の理由には既に触れられていませんが、
ゲーム業界の好景気はコロナ禍で巣ごもりが
加速した影響が土台にあります。
最初の緊急事態宣言の時にはゲーム機の売り切れ
が続出し、メルカリなどで高値で販売されて
いました。
コロナを味方につけた事業
そこで、約100社に接している税理士の私が
コロナ禍で逆境で業績アップや黒字回復した
業種を挙げてみます。
○アウトドア業界(キャンプ、釣りなど)
街飲みが敬遠された逆反応がこれです。
屋外でのレジャーに再びスポットがあたり
近年は業績低迷だった業界が良くなりました。
ただ、下に書いた鉄の高騰、それに加えて
ウクライナ問題で原材料不足と高騰と
ガソリン価格高騰による輸送費の増加で
利益を圧迫してきています。
これは全業種に影響している深刻な問題です。
○園芸等
自宅時間が増えたことで、家を綺麗で快適な場に
したいという意識が働いたと思われます。
こちらも下火でしたが、花、庭などインスタ映え
する投稿などもあり、売上が増加しています。
○不動産
同じく自宅で過ごす時間が増え、逆に旅行(特に
海外)や飲食に行く機会が減ったので、その資金
を一番長く居る自宅に投資して、快適に過ごし
たいという気持ちの表れで旅行代、飲食費が流
れているのではないかと思われます。
○スクラップ回収業
これは製造業の生産減でスクラップの量が減少している反面、中国の環境政策の影響もあり、スクラップの買取単価が高騰したようです。
上記の業種は逆にコロナの終息でどうなるのか
という不安もあります。
(他の業種もあれば、教えて頂けたら
良いデータになります)
売上増、利益増は一過性の原因によるものと
時代の流れによるもの、どちらによるかで
大きく変わります。
逆に縮小される市場では企業努力も微力になる
というマイナス面もありますが、業界内で淘汰
が進み企業として力や特色があるところは仕事
が集まってきたりもします。
大きな時代の流れを捉える力が大切だと
つくづく思います。
ダーウィンの名言で
「生き残る種とは、最も強いものではない。
最も知的なものでもない。それは、変化に
最もよく適応したものである」
というのを痛感します。