税理士試験における私の仮説② | 元エンジニア税理士のブログ

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私の経験と思い込みをもう1つ言います。

下記の記事で平均点を取ることの話をしました。

  


下記の記事で税理士試験の大変さを書きました。

  


その上で私の経験からの思い込みです。

働きながら税理士試験を3~5年で終わらせる人は

「こういう試験勉強の特性において

 初めから上位10%に入っている人」

がほとんどではないかという思いです。

 

そう感じた根拠を言います。

私は元エンジニアでした。

エンジニアの中ではそれほど理数系が突出していたわけではなく、バランス型でした。

 

そんな私が、日商簿記1級に合格したときの

ことです。

前にも書きましたが、勉強比率は

商業簿記7:工業簿記3くらいだったのですが、

理系人間丸出しで商業簿記29点、工業簿記44点

の73点(7割の70点合格)で受かりました。

しかも工業簿記の原価計算は満点の25点でした。

 

得点力みたいなものを数値すると

比較しやすくなります。

(時間はわかりやすく70、30時間にします)

商業簿記29点÷70時間=0.41点/時間

工業簿記44点÷30時間=1.47点/時間


1.47÷0.41=3.54

時間当たりの得点力が3.54倍も違います。

逆に言うと努力の結果が3分の1に

なってしまうのです。


これは後からですが痛感しました。

法人税は3年で約2000時間で55点、少し届かず。

国税徴収法は3年で約2000時間で十分に

合格する力がつきました。


なんとなくですが、すんなり通る人の3倍くらい

は時間がかかっているような気がします。

(やり方も悪かったのが大きいですが)


逆に工業簿記側の話をします。

自慢ではなく、簿記1級を受けていたときに

理系大学院卒でエンジニアで10年仕事をした

私ならこの業界では数学的要素では上位10%

に入っていてもおかしくはないと思います。

(逆に考えると経済、法学部卒の人で会計事務所

経験10年の人がエンジニア集団の中に入って

会計、税金や社会保険のことについての知識で

比較したら、ほぼ確実に上位10%に入りますよね。)

 

なので、ほぼ数学のみの知識や要領で解ける

工業簿記はすっと頭に入り、特に勉強しなくても

忘れ止めくらいのケアで大丈夫でした。

その反面、商業簿記に関しては簿記の考え方や

ひたすら解き方を覚えて解くことに抵抗があり、

やってもやっても29点という6割以下の得点率で

終わるザマでした。

 

つまり、税理士試験をあっさりクリアする人は

私にとっての工業簿記のような感覚で初めから

上位10%に入ってしまう人が大半ではないかと

思われます。

 

そういう人を例にした専門学校のプランには

鵜呑みにしない方がいいと思います。

(もちろん、5年以内に受かる気持ちでスタート

しないと、もっと時間がかかるのでそれくらいの

気合いは大切です)

そして、合格体験記や勉強法も、「頭のいい人の考え方やプロセスを参考にする」という意味ではいいですが、そのまま自分に当てはめてうまくいくかはわかりません。

 

なので、私は苦労せずに合格レベルに達した

工業簿記の勉強法やコツや秘訣は書こうと

いう気になれません。

苦労して試行錯誤の上で合格した税理士試験に

ついてのみ、その経験談を伝えて参考にして

頂きたいと考えています。

 

そして、あえて言いますが、私は簿記1級と

税理士試験においては「運良く受かったこと」

はありません。謙遜とかをする必要はないので

感じたまま言います。

「運が良かったおかげで受かった人」のやり方を

参考にしても、運が悪かった落ちます、いや、

悪くなくてもそのままだと落ちるということ

ですよね。

 

ただ、このあたりは仕事、家庭や自分の時間など、いろいろなことをバランスを取りながらほどほど

の勉強で運がやってくるの待つのか、いろいろな

ものを犠牲にしてでも一気に畳み掛けて合格する

のかによっても変わってきます。


皆さんも受験計画、勉強方法を検討する際の

参考にしてください。


(余談)

私はむしろ「運が良かったら受かっていた」と

いう気持ちの方が多く(落ちた6回のうち4回が

A判定ですので)、受かったときは受かる実力の

まま受けて「相当運が悪くないと落ちない」

という状況になっていました。

 

単なる傲慢な人の話に聞こえるので、あえて

言うと私は大学は運良く受かったと思っています。

その根拠としては、大学生の時に大学受験

指導側に居ましたが、私のやり方ではあまり

実績が良くなかったと後から振り返りました。

(当時の高校生の方、ごめんなさい。手を抜いた

わけでもなく自分なりには一生懸命していました。)

 

運良く受かったやり方、もしくはかなり自分に

カスタマイズされていたので、あまり参考に

ならなかったのだと思います。

(ここが上にも書いたように、確実な実力をつけた

人のやり方と、運で受かった人のやり方の違いです)

 

大学合格で試験運は使い果たした気がします。

なので、税理士試験では「運が良かったら

受かっていたのに」と感じたことが多いのだと

思います。


なので、最後は時間がなかったこともあり、

運に頼らない勉強方法に切り替えたという

経緯があります。