現の夢を、今ここで・・・                                   ~艶が~る 妄想小説~ -9ページ目

現の夢を、今ここで・・・                                   ~艶が~る 妄想小説~

今まで色々だらだらブログを書いてきましたが
艶が~るの妄想二次小説などをぼちぼち載せてみたいと・・・

古高俊太郎さまが好きなので、メインは俊太郎さまの予定。

桜舞い散る季節に その2からお読みください


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



そんなお花見から数日がたったある日、私は俊太郎さまのお座敷にいた。



「明日、桜を見に行きまへんか?」



「桜?」




あの日満開だった桜は、もう散る頃を迎えていた。




「でも、もう桜は・・・」



「なんも言わんと、わてに着いてきてくれへんやろか?」




こんな俊太郎さまは見たことがない。




「もちろん、藍屋はんが許可してくれたらどすけど」







置屋に帰ってから秋斉さんにそのことを話すと、



「桜?今時期に?」



と言ってはいたけれど、外出の許可をもらうことができた。






翌日、あの日龍馬さんたちとお花見をした場所に着くと、そこはその時とは全く違った雰囲気になっていた。



「・・・・・・・」



「これはこれで、なかなかええでっしゃろ?」



そこには、一面、桜の花びらの絨毯が広がっていた。



「すごい・・・・・」




その時、さぁっと風が吹いた。




まだ花の残っている枝から、花びらが舞い散る。




風に舞う桜の花びらは、綺麗だけど、とても儚げだった。




「綺麗やなぁ・・・」



「ほんとに。とっても綺麗」



俊太郎さまは目を細めて、小さくかぶりを振ってこう言った。



「綺麗なのは・・・あんさんや」



「俊太郎さま・・・」



「あの花見のときにそう言おうと思うたんや。せやけど、坂本はんに先を越されてしもた」



柔らかく笑う俊太郎さま。




でも、その笑顔がなんだか私には切なく見えて、今この瞬間に、俊太郎さまが消えてしまいそうで・・・




「どこへも・・・行かないで」



そう言って、そっと俊太郎さまの手を握った。



「かえではん?」



「私を置いて、どこへも行かないでくださいね」



桜の絨毯の中で見つめあう。



その時、俊太郎さまがが私を抱きしめた。



「どこへも・・・どこへも行きまへん。あんさんがわてを必要としてくてる限り・・・もしこの身が果てても・・・」



「そんなこと、言わないで・・・生きて、ずっとそばにいてください」





桜の舞い散る中、私たちはずっと抱きしめあっていた。



この平和で、幸せな時が、永遠に続けばいいのに・・・と願いながら・・・







桜舞い散る季節に END

桜舞い散る季節に その1からお読みください


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



それから一刻後、私は俊太郎さまの横にいた。






楽しそうにお花見をする人たちが何人かいるけど、そんなに込み合っているわけではない。





「うわぁ・・・綺麗・・・!」



私の言葉を聞いて、俊太郎さまは嬉しそうに微笑んだ。



「それはよかった。ぎょうさん歩かしてしもたよって、なんやこんなもんか、て、げんなりさせてしもたらどないしよう思てたのや」



「がっかりなんて、そんな!」



俊太郎さまと一緒なら、どこだって嬉しい。



きっと何を見ても綺麗だろう。



けれど、そんな気持ちを抜きにしても、ここの桜は綺麗だ。





「本当に、とっても素敵です。こんなに綺麗な桜、初めて・・・」



「この桜も綺麗どすが、わてにはあんさんのほうが・・・」







「おーい!」



(?)



遠くからそんな声が聞こえて、私と俊太郎さまは、声のするほうに目を向けた。



「・・・・龍馬さん?それに、翔太君!」



二人が走ってこっちに来る。



「久しいのぉ、元気にしちょったかえ?」



「はい!龍馬さんもお元気そうで。翔太君、久しぶりだね」



突然現れた2人にびっくりしたけれど、元気そうで安心した。



「坂本はん、それに結城はんも。お久しぶりどす」



「枡屋さんも一緒じゃったか!2人もここで花見かえ?」



柔和な表情を崩さないまま、俊太郎さまが言った。



「へぇ、今日は花見日和ですさかいに」



それを聞いた龍馬さんは、さらに嬉しそうな顔になる。



「ほうじゃろう、ほうじゃろう!そうじゃ!酒も飯も用意してきてるきに、みんなでここで飲もう!」




「龍馬さん!そんなに勝手に話を進めて・・・枡屋さんだってかえでだって、都合があるでしょうに」



翔太君があわてて龍馬さんを止める。



「えい考えじゃと思うたんじゃが・・・二人の邪魔をしちゃあ、いかんしのぉ・・・」



そう言って、とっても寂しそうな顔をした。



「行きますよ、龍馬さん。本当に突然すみませんでした、枡屋さん。かえでも、ごめんな」



翔太くんが龍馬さんを引っ張って行く。





「・・・・・・・」



顔を見合わせる俊太郎さまと私。



「・・・今日はみんなで花見をしまひょか」



「いいんですか?」



「あないに寂しそうな顔見せられてしもたら」



苦笑しながら俊太郎さまはそう言った。



「確かに、そうですね」



私もつられて笑ってしまう。






「龍馬さん!翔太くん!」



離れて行きかけていた二人を呼び戻す。




「今日はみんなでお花見をしましょう!」



「いいのか、かえで。だって枡屋さんと・・・」




翔太くんの言葉が終わらないうちに、さっきまでの表情とは打って変わって、お日様のような笑顔をした龍馬さんが言った。



「ほうかほうか!場所はここでええかのぉ、あ、向こうのほうがちっくとばかり綺麗かもしれんの。いや、あっちのほうが・・・」



「龍馬さん、ちょっと落ち着きましょうよ」



苦笑しながらそう言う翔太くん。



「す、すまんの・・・」



少し恥ずかしそうにそう言う龍馬さんを見て、私たちは笑った。














「枡屋さん、飲んじょりますか~」



盛んに俊太郎さまにお酒をすすめる龍馬さん。





「いやぁ~、今日はまっことえい日ぜよ!天気はえいし、桜は綺麗じゃし」



「そうですね、私もこんなに綺麗な桜、初めて見ました」



「うんうん、綺麗じゃ。けんど、今日のおまんは、この桜よりも綺麗じゃ!」



「!!」



そんなストレートな言葉をかけられて私が俯いていると、俊太郎さまが私をそっと抱き寄せた。



「坂本はん、今日はかえではんを口説かないでおくれやす」



俊太郎さまに触れられているところが、ドキドキする。



さっき龍馬さんに褒められたときよりも、ずっとずっと顔が赤く染まっているのが自分でもわかる。



そんな私を見て、龍馬さんも翔太くんも顔を赤くした。



その3へ続く








『明日あたり桜が満開になるさかい、一緒にお花見でもいかがどすか』



私の元にそんな内容の文が届いたのは、昨日の朝だった。






(楽しみすぎて、昨日はあまり眠れなかったなぁ・・・)



目の下にくまでもできてたらどうしよう、と思い手鏡を覗き込む。




(うーん、大丈夫・・・かな?あっ、でも目がちょっと充血してるかも・・・どうしよう。)






「ずいぶん熱心に、自分の顔を見てはりますなぁ」



(えっ!!)




びっくりして振り返ると、そこにはちょっと呆れ顔の秋斉さんがいた。





「お、おはようございます。秋斉さん」




「おはようさん。あんさんは十分綺麗やさかい、そない熱心に鏡を見んでも大丈夫や。綺麗やゆうて褒めてくれはるやろ」





俊太郎さまの事を考えていたことを言い当てられたようで、顔が赤くなってしまう。




「いえ・・!別に、その・・・」



あわてて言い訳をしようとする私に秋斉さんは




「あんさんは全部顔にでる。隠したって無駄や」



と苦笑した。




「そうそう、あんさんに文を届けにきたんやった」



「文?」




(こんなに朝早く・・・まさか、俊太郎さまの都合が悪くなったとか?)



「ふふ・・・やっぱり顔に出てはる」




「!私は別に、しゅ・・・枡屋さんのことを考えてたわけでは・・・」



「・・・わては別に、枡屋さんのことはなんも言ってへんよ?」




「あ・・・」



(確かに・・・もう、私ったら、恥ずかしい!)




秋斉さんはあきれたようにため息をつきながら、私に文を渡した。




「心配せんでもええ。送り主は慶喜はんや」



「慶喜さん?」






俊太郎さまからではないことに少しほっとしながら、私は受け取った文を開いた。




(あ・・・)



「大方、花見の誘いやろ。今日は花見日和やさかいに」




「はい」






慶喜さんからの文には、桜も満開だし天気もいいから、今日は一緒に花見に行こう、というようなことが書かれていた。




(お誘いは嬉しいけど、今日は俊太郎さまとお花見の予定があるから)




「あの、秋斉さん・・・」




「わかっとります。慶喜はんにはわてから断っておくさかい、あんさんは枡屋はんと花見を楽しんで来たらええ」



「すみません、ありがとうございます」





私はほっとしながら秋斉さんにお礼を言ったのだった。







(ほんとに秋斉さんにはかなわないなぁ・・・何でもお見通しなんだもん)





その2へ続く