現の夢を、今ここで・・・                                   ~艶が~る 妄想小説~ -7ページ目

現の夢を、今ここで・・・                                   ~艶が~る 妄想小説~

今まで色々だらだらブログを書いてきましたが
艶が~るの妄想二次小説などをぼちぼち載せてみたいと・・・

古高俊太郎さまが好きなので、メインは俊太郎さまの予定。

先日UPした慶喜さんの『幸せに・・・』の続きとして書きました。

が、これは主人公目線なんで、まったく違うものとしても読めると思います!


一応鏡エンド後ですが、ネタバレはほぼなしです。

できれば幸せに・・・ から読んでいただきたいところですが、そっちはネタバレがあるんで(^▽^;)


どこまでかはわかりませんが、ちょっと続く予定でございます。


では、どうぞー!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



空気が違う。

今までいた場所とは、匂いが違う・・・


おそるおそる目を開くと、そこにあったのは、見覚えのある、懐かしい景色だった。



「慶喜さん?どこ・・・?」


辺りを見回しても、あの優しい、私の大好きな顔はどこにもなかった。




初めはずいぶん泣いて『なんで、あの時私を離してくれなかったの!?』なんて、翔太くんに詰め寄ったりもした。


その度に翔太くんは辛そうな顔をして『ごめん・・・』と謝って・・・



でも、翔太くんだって辛かったはずだ。


あの時、私と慶喜さんの気持ちの板挟みになって、それでも、私の幸せと、私の幸せを願う慶喜さんの気持ちを考えてああしたのに・・・



それなのに私は、翔太くんの気持ちも考えないで、一方的に自分の気持ちだけを押し付けて、翔太くんを詰ったりしてしまった。



『あの時はごめんなさい』


そう謝った私に『気にすんなって!』と笑って言ってくれた。


ただそのあとに



『俺、思うんだ。あの時の慶喜さんはお前の幸せを願う気持ちのほかに、もう一つ思うことがあったんじゃないかって』


『もう一つ・・・?』



『ああ。お前の両親のことを考えたんじゃないかな?大切な人を失う悲しみを、それも大事な娘を失う悲しみを、味あわせたくなかったんじゃないかなって。俺の勝手な想像でしかないけどさ』




翔太くんもあの時代で、龍馬さんという、とっても大切な人を失った。


だからこそ、慶喜さんの気持ちがわかったのかもしれない。





この時代に帰ってくると、すべては元のままだった。



私たちが長い時間あの時代にいたことなんてまるでなかったかのように・・・




私の長く伸びた髪も、翔太くんの逞しくなった体つきも。

全てが元に戻っていた。



ただ・・・私たちの記憶以外は。




続く・・・









慶喜さん、鏡エンド後の短編です。


ネタバレがあるので、いやん!な方は読まないでね?

特に『慶喜さんルートを一度もクリアしたことがない』『鏡エンドがどんな感じなのか知らない』方は結構なネタバレかもしれないので、注意です~(;^_^A


後日これの続き(?)を主人公目線でUP・・・できたらいいな!w

では、どうぞー!

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇








目が眩むような真っ白な光が、二人を包む。



最後の瞬間まであいつの顔を見ていたかったのに、強い光に遮られて、その願いは叶えられなかった。





目を開けるのが怖い。



怖さをかき消すように頭を振ってから、ゆっくりと目を開けた。



さっきまでそこで泣いていた姿は、もう、そこにはない。





これで、良かったんだ。



ここにいても・・・俺と一緒にいても、あいつはきっと幸せになれない。



生まれ育ったところで、両親や友人の愛に包まれ、幸せな人生を送って欲しい。



そう思うのに・・・そう思ったから、あいつを帰したのに。



俺の目からは、涙があふれて止まらない。



(なぁ、教えてくれよ、秋斉。俺は・・・正しかったか?あいつを帰したのは、間違ってなかったよな?)



今はもういない秋斉に、心の中でそう問いかける。



「俺は、一人になってしまったんだな・・・」



そう声に出して呟くと、堪えきれない嗚咽と共に、今までの事が脳裏に浮かんだ。







初めて会った時、奇妙ななりをしていて気になった。



二度目に会った時、あまりの美しさに驚いた。



三度目に会った時・・・俺は、お前に恋をした。





いつも健気で、可愛らしくて。



会う度に惹かれていった。



笑ってる顔はもちろん、憂い顔も、拗ねた顔も・・・すべてが愛おしい。





覚えているかな?



あの日、俺が持っていった望遠鏡で星を見た時を。



お前にあげると言ったのに、『借りる』って。



返す約束をしたら、また会えるからと。



あの時、星に何を願ったの?







お前はいつも、俺のことを考えてくれていた。



『疲れていませんか?』



『無理をしていませんか?』



お前の素直な言葉に、その笑顔に、俺は幾度となく救われた。



俺を思って泣いてくれる・・・それが、愛しくて・・・



泣かせたくなんてないのに、その泣き顔さえもが、愛おしくて。





ずっと一緒にいたいと思った。



一緒にいられると。





お前を身請けしたい・・・あの時そう言ったのは、嘘じゃないんだよ。



共に暮らしていきたかった。



お前がしわしわになっても、俺が禿げても。



どんなふうになっても、愛し合いたかった。







きっと俺は、お前のことを忘れることはできない。



隣にお前がいてくれたら、どんなに嬉しいか・・・そう思った。



今でも、そう思っているけれど・・・





でも。俺とのことは忘れて?



泣いている顔も可愛いけれど、お前は笑顔が一番だからね。







どうか、幸せに。



お前が生きる未来に、俺はいないけれど。



幸せを祈る気持ちくらいは、届くかなぁ?



幸せに・・・



愛しているよ。






桜舞い散る季節に 本編(俊太郎さまver)からお読みいただくことをお勧めします。


翔太編その2からお読みください。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


その後、俺と龍馬さんは宿屋に戻ってきていた。


「のう、翔太」

「なんですか?」


「なんというか・・・」

なんだ?龍馬さんにしては歯切れが悪い。




「すまんかったのう」



「はい?」



「いや、その・・・翔太の気持ちも考えんと、その、枡屋さんと・・・」


なるほど、そういうことか。



「龍馬さん、俺はあいつと枡屋さんが一緒にいるところを見て、安心しました」




「安心?」



不思議そうにする龍馬さん。





そう、俺はあの光景を見て、安心したんだ。



「はい。だって俺はずっと京にいるわけじゃない。あいつのことをそばで守ってやることは、出来ない」




「いや、もし翔太が京に残りたいなら、わしは・・・」



「いえ、そういうことじゃないんです。あいつはもう見つけたんです。自分のそばにいる人・・・自分がそばにいたい人を」


あぁ、そうか。



自分で言葉にすることで、やっとわかった。


あいつは、もう守られるだけの、子供のころのあいつとは違うんだ。




きっとあいつは、枡屋さんに守ってもらおう、なんてことは微塵も考えていないだろう。



枡屋さんもそうだ。


でも、お互いに



『守りたい』


そう思っているんだろうな。




「龍馬さん」


「なんじゃ?」




「俺、あいつのこと支えてやりたかったんです」



何も言わず、微笑みながら次の言葉を待つ龍馬さん。




「強くなって・・・龍馬さんの助けになれるくらい・・・そしたら、あいつのこと、守ってやれると思ってたんです。支えてやれるって・・・」



気が付くと、俺の目からは涙がこぼれていた。


「でも、でも・・・っ、俺・・・」



次から次からあふれてくる涙を止めることができないまま、さらに言葉をつなげる。




「支えるだけじゃ、だめなんだ・・・って、今日、枡屋さんとあいつを見てて・・」



「翔太・・・」




「俺、くやしいけど・・・きっとかなわない。あんな風に、何がどうってわけじゃないのに・・・ちょっとした二人のしぐさから、お互いを支えあってる感じが伝わってきて・・・龍馬さん」



「ん?」




「俺、情けないですかね?やっぱり」



泣き笑いで、そう問いかける。




すると龍馬さんは、少し考えてから言った。



「そがなことないき、翔太。おまんは好いた女子が幸せそうにしちょるのを見て、安心したんじゃろ?」




「はい」



「おまんは立派じゃ。好いた女子の幸せを願って身を引けるとは、まっこと立派ぜよ!」




「龍馬さん・・・」




「さぁーて、飯を食いに行くぞ!」



「えぇ!?さっき食べたばかりじゃないですか!」




そう言いながらも、龍馬さんの気遣いが嬉しくて、俺も後を付いて宿屋を出たのだ

った。



~翔太編~ END