現の夢を、今ここで・・・                                   ~艶が~る 妄想小説~ -5ページ目

現の夢を、今ここで・・・                                   ~艶が~る 妄想小説~

今まで色々だらだらブログを書いてきましたが
艶が~るの妄想二次小説などをぼちぼち載せてみたいと・・・

古高俊太郎さまが好きなので、メインは俊太郎さまの予定。

俊太郎さまの新暦のお誕生日によせて(その1)  からお読みください。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



――翌日


せめて、着物くらいは俊太郎さま好みのもので会いたい。


そう思って、出来るだけ俊太郎さまが好きそうなものを選んで、私は俊太郎さまのお座敷に上がった。



「失礼します」


そう言ってお座敷に入ると、俊太郎さまは満面の笑みで私を迎えてくれた。


「いつも綺麗やけど……今日は一段と美しおすなぁ」


「ありがとう、ございます……」


褒められて嬉しいはずなのに、俊太郎さまにちゃんとしたプレゼントを用意できなかったことを考えると、素直に喜べなかった。


「……なんや、おましたか?」


俊太郎さまに心配をかけたくない。


そう思うのに、うまく返事が出来なかった。


「俊太郎さまに、贈り物を用意しようと思ったんです」


「贈り物?」


「はい。でも、何を贈ったらいいのかわからなくて……結局こんなものしか用意できなかったんです」


そう言いながら、私はおずおずとお菓子を差し出す。


「……」


「ごめんなさい。こんなものしか用意できなくて」


恥ずかしくて、顔を上げられない。


俯いて膝の上にある手を見つめていると、その手を、俊太郎さまがそっと握った。


「わては、あんさんと過ごしたかった。それだけどす。贈り物が欲しかったわけやあらしまへん」


「でも……」


「わてに贈り物をしたかった?」


「……はい」


握っていた手を、俊太郎さまは優しくひいた。


「わての、目ぇを見て?」


そう言われて私は顔を上げる。


「ええ子や」


そう言って相好を崩す。


「もしわてが今のあんさんの立場やったら、同じことを思うてたかもしれまへんなぁ」


「俊太郎さま……」


「せやけど、わてにとっての一番の贈り物は、この時間や」


柔らかい笑顔のまま、俊太郎さまが私を優しく抱き寄せた。


「こないにして一緒におる時間が、あんさんに触れていられることが……一番の幸せや」


「でも……」


「そないにわてに、贈り物をしたい?」


「それは、そうですよ。だって、約束したし……」


私がそう言うと俊太郎さまは、いつもは見せない、ちょっといたずらっ子のような顔で笑った。


「せやったら、わての願いをきいてくれはる?」


「もちろんです!!」


「どんな願いでも?」


「はい。俊太郎さまに喜んでいただけるなら」


私の返事を聞いて、俊太郎さまはさっき私が差し出したお菓子を見つめた。


そして、その箱を手に取る。


「このお菓子を、一緒に食べまひょか?」


「え?それがお願いですか……?」


「そうどす。ただし――」


そう言ってお菓子を一つ取り出し、私の口に咥えさせた。


「口移しで」


その3へ続く……

グルっぽに上げたのをUPします。


グルっぽにはぎりぎり8日に載せることができたんですが、ブログは日付が変わってしまった(^▽^;)


途中から一気にばーっと書いたんで、ぐだぐだ感がハンパないwww


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



京の町は、いつ来ても賑やかだ。


でも、私の気持ちは晴れなかった。


せっかく秋斉さんにお願いして、お買い物に来させてもらったのに……男の人へのプレゼントがこんなに難しいだなんて。


俊太郎さまの誕生日は、もう明日。


いくつものお店を見て回るけど、どれもこれもピンとこない。


(どうしよう。全然決まらないよ。こんなことなら、花里ちゃんに一緒に来てもらえばよかったなぁ)


もし元いた時代だったら、何をプレゼントしただろう?


時計? 靴? それとも洋服?


俊太郎さまは私よりもずっと大人だから、ネクタイ?


……だめだ。


どれもこの時代にはそぐわなかったり、手に入れるのが難しかったり。


うーんと唸りながら店先を見ていると、後ろから聞きなれた声がした。


「ずいぶんと熱心に見ているねぇ」


「慶喜さん! こんにちは」


「やぁ、買い物かい? と言っても男物のようだけど……?」


私は渡りに船とばかりに慶喜さんに問いかけた。


「あのぅ、男の方ってどんなものを贈られたら嬉しいんでしょうか?」


「そうだなぁ……煙管とか、その入れ物とか。あとは、扇子なんかかねぇ?」


煙管と扇子……


「まぁ俺は、お前がいれば何もいらないけどね?」


煙管と扇子かぁ……


「ねぇ、聞いてる?」


煙管を吸ってる俊太郎さまは見たことがないし、扇子も悪くないけど……


「こらっ!」


「わっ!!」


俊太郎さまのことばかり考えていて、慶喜さんの話を聞いてなかった……


「まったく……誰の事を考えているのやら」


「あ、あはは……」


「俺への贈り物じゃないことは、確実だね。じゃ、俺は帰るよ。今度会った時は、俺のことを一番に考えてね」


そう言って、慶喜さんは去って行った。



悪いことをしちゃった……


でも、今は俊太郎さまへのプレゼントが一番大事だよね。


そう自分に言い聞かせて、俊太郎さまへのプレゼントを選んでいたけれど。



結局、何もいいものが買えず。


置屋に帰る時間が迫ってきて、何もないよりはいいと思って今、京で流行っているお菓子を買ってきた。



でも……


私みたいな小娘じゃないんだし、大人の男の人が、お菓子なんかで喜んでくれるわけがない。




この時代にはまだ、誕生日を祝うという習慣がなかった。


自分の生まれた日すら、あやふやな人も多かったらしい。


私の故郷ではその日を、家族や大切な人と過ごす習慣があることを伝えると、俊太郎さまは


『ほんなら、わての生まれた日に……あんさんと一緒に過ごしたいゆうたら、それを叶えてくれますやろか?』


と言ってくれた。


そう俊太郎さまに言われた時、とっても嬉しくて。


『俊太郎さまが喜ぶものを用意して待ってます!!』


なんて言ったのに…


私は、子供じみたお菓子しか用意できなかった。



その2へ続く


君がくれたもの  君がくれたもの 2  君がくれたもの 3  


からの続きです。


遅くなってしまったー(((( ;°Д°))))


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


公園のベンチで一人、私は翔太くんが言ったことを考えていた。


(もしまた歴史が変わってしまったら…かぁ…)


翔太くんの言うとおり、そういうことも考えられる。


私が慶喜さんのところへ行って、その時にほかの人が慶喜さんの隣にいたら…


考えたくないけど、その可能性は十分にある。


その時、私はどうするんだろう?


あの時みたいに、運よく誰かに助けてもらえるとは思えない。


菖蒲さんたちを頼って、また置屋に?


不可能ではないかもしれないけど…



…そもそも、あの時代にまたタイムスリップをすることなんて出来るんだろうか?


あの時幕末にタイムスリップしてしまったのだって、きっと偶然だったはず。


カメラに触れたことが原因だったことはわかってる。


でも、それ以上のことは何もわかってはいない。


あのカメラは今、どこにあるんだろう?


もし見つけることが出来たとして、またあの時代に…慶喜さんのそばに行くことなんて、できるんだろうか?


考え出すときりがなかった。


頭の中でぐるぐると考えをめぐらせながら、家路についた。



「ただいまー」


玄関を開けると、母が夕飯を作る音がする。


「おかえり。着替えたらお手伝いよろしくね。今日はからあげだよー」


そんな母の声がキッチンから聞こえた。


「はーい」


これが、今の私の日常。


朝起きて、お母さんが作ってくれた朝食を食べ、学校へ行く。


授業は少し退屈だけど、そこには友達もたくさんいて。


放課後にはカラオケに行ったり、ファストフードに行って、最近誰と誰が付き合いだしたらしい、とか、あの先生の授業は楽しくないとか…そんな話をして。


そして、家に帰ると温かい夕食。


お母さんのお小言や、バイトをすることを許してくれないお父さん。


受験の事ばかり言う先生、将来への漠然とした不安。


メールの返信が遅いだけで疑心暗鬼になり、ともすれば亀裂が入りかねない、脆い友人関係。


そんな小さな不満や不安はあったけれど…


明日が来ることを、当たり前だと思ってた。


退屈で、少し窮屈で…


それでいて居心地のいい、ぬるま湯のような時間が繰り返されるのが普通なんだって。


でも、今私たちが当たり前だと思ってる日常は、あの時代では当たり前じゃなかった。


自分や仲間にも、もしかしたら明日は来ないかもしれない。


『あたりまえ』


なんてなかった、あの時代。


今、慶喜さんはどうしているだろう?


多くの犠牲を出した戦い。


大切な…大切な人も失った。


あの人の最期に、私は約束したんだ。


慶喜さんを幸せにするって。


「慶喜さんに、会いたい…」


そう声に出して呟いたときに、私の心は決まった。


どのくらい時間がかかるかはわからない。


けれど、カメラを探して慶喜さんに会いに行く。


慶喜さんのそばに…帰りたい…!!


今度タイムスリップしたら、もうここには戻ってこられないだろう。


お父さんやお母さん、友達。


…それに翔太くんとは、きっともう二度と会えなくなる。


それでも、私はカメラを探す。


どれだけ時間がかかっても、たとえ慶喜さんのそばに誰か別の人がいたとしても。


慶喜さんが幸せだったら、私は後悔なんてしない…!



「お母さん! ちょっと出かけてくるっ!」


「えぇ!? ご飯は??」


「帰ってきたら食べる! 行ってきますっ!」


自分の決意を伝えるために、私は翔太くんの家へ向かって走り出した。




……続く