今日の会食でフランス人が「エロキチ」「エロキチ」と連呼するので、また変な日本語を教えた日本人がいるなあと思って呆れていたら、エロキチではなく『Hello Kitty』でした(。-_-。)。
フランス語はHを発音しないから「エロキチ」になるのね( ̄▽ ̄;)。
キティちゃんとエロキチではえらい違いだよなσ(^_^;)。
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蔵出しミステリシリーズ、今日はルース・レンデル(別名義 バーバラ・ヴァイン)です(^^)。
レンデル作品は人間の心理をえぐるような重く暗い話が多いですが、その重厚なストーリーのわりには読みやすく(それでも時間はかかりますがσ(^^;))、ウェクスフォード警部シリーズからだと意外ととっつきやすいかもしれません。
今日はウェクスフォード警部シリーズ1冊、ノンシリーズ1冊、そしてヴァイン名義の1冊をご紹介します。
1.薔薇の殺意
2.ロウフィールド館の惨劇
3.死との抱擁
『薔薇の殺意』ルース・レンデル 角川文庫
【ロンドンまで1時間の静かな田舎町、キングズマーカム。この町の治安を預かるのが主任警部のウェクスフォードだ。詩的な一面を持つ初老の紳士だが、時にはコワモテぶりも発揮する。被害者は30歳の平凡な家庭の主婦。器量も平凡、顔に化粧をしたこともなく、夫と二人、つつましく、ひっそりと暮らしていた。そんな彼女の絞殺死体が牧草地の茂みで発見された。暴行目当ての犯罪ではなかった。有力な手掛りは遺品の本にあった。余白に彼女に寄せる想いが綿々とつづられていたのだ。このおよそ人目をひかない女に、これほどの想いを寄せる男がいたとは……捜査はまずそこからスタートしたのだが・・・。】
ルース・レンデルの処女長編にして、「ウェクスフォード警部」シリーズ第一弾です。ノン・シリーズの暗く重苦しい雰囲気とは違って、正統派ミステリとして読みやすいシリーズだと思います。奇をてらったトリックや暴力的な場面、派手な捕りものシーンはありませんが、無理のない物語展開や細やかな人物描写で、ウェクスフォード警部らの地道な捜査が緻密に描かれます。ウェクスフォードは変人・頑固といったよくある警部キャラではなくて、詩的な感性と豊富な知識に基づき、柔軟な発想で捜査を進めます。また、堅実かつ紳士的な捜査手法がモットーなので強権的な捜査や容疑者を無理に問い詰めるようなことはせず、理詰めで、しかし甘いわけではなく厳しく追求します。華麗な推理の展開があるわけではありませんが、パズルのピースがそろって一気に犯人を追い詰めるところなどはレンデルの迫力の筆致により読み応えがあると思います。英国では23作目(2011年)まで出ているようですが、僕が読んだのは14作目までのうち10冊のみ。いつか全作品を読破したいところです(日本ではすでに絶版で入手困難なものもあるとか・・・)。
『ロウフィールド館の惨劇』ルース・レンデル 角川文庫
【文盲であることを隠しながらしたたかに生きてきた女性、ユーニス・パーチマンが、イギリスの中上流階級のお屋敷・ロウフィールド館で召使として働き始めた。はじめはカヴァデイル一家の中でうまく立ちまわっていた彼女だが、田舎町のひとりの女性との親交をきっかけに次第に歯車が狂い始めた…。 犯罪者の異常な心理を描く名手、レンデルの会心作。 】
「ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったからである。 」・・・冒頭の1行目から明かされる犯人・被害者そして動機!! ルース・レンデルのノンシリーズの代表作と言って間違いない傑作です。ユーニスが抱く文盲がばれることへの恐怖が、カヴァディル一家に対する警戒を強め、やがてその感情は憎悪になり、狂気へと変わっていきます。そして冒頭で宣言された惨劇に至る過程が、レンデルならではのじっとりと、まとわりつくような心理描写とともに犯罪手記のような丁寧さで描かれていて、読者を恐怖に陥れます。レンデルと言えば「ウェクスフォード警部シリーズ」「ノンシリーズ」「バーバラ・ヴァイン名義シリーズ」と3つのシリーズがありますが、本書はノンシリーズの傑作であり、レンデル/ヴァインの重厚な作品群の中では比較的短めで読みやすい(それでもレンデルだけに重い!)一冊ですので、レンデル未読の方の入門編としてもいいのではないかと思います。今思い返しても、レンデル、ヴァインの作品を一気に読もうとチャレンジした日々は、その重さ・暗さ・異常さ・厚さとの戦いで、なかなかハードでした・・・。
『死との抱擁』バーバラ・ヴァイン 角川文庫
【ヴェラ・ヒリヤードの死期は、時間と分に至るまで、あらかじめはっきりとわかっていた。彼女は絞首刑に処せられたのだ、殺人罪で。平凡な中流家庭に生れ、幸福な結婚をしたはずのヴェラが、なぜ殺人を犯すに至ったのか? そして、まるで母と子のように仲むつまじかった、妹イーディンと彼女の間に何が起きたのか? 作者の精緻な筆が闇の迷宮に踏みいるとき、暗黒の底からある異常な物語が浮かびあがってくる。レンデルが別名義のもとに満を持して放つ意欲作。アメリカ探偵作家クラブ最優秀長編賞受賞。】
ルース・レンデルがバーバラ・ヴァイン名義で世に放った第一作です。ウェクスフォード警部も出てきませんし、レンデル名義のノン・シリーズよりさらに重く陰鬱なストーリー、複雑極まりない人間関係のため、前半は読むのがつらくなる瞬間が何度もありましたが、そこを乗り切ると後半は一気に読めました・・・というより止まらなくなりました。イギリスの大戦前後の暮らしや風俗階級意識。仲の良い姉妹、兄妹などの家族をめぐる複雑な心情。その中でどこにでもいつでもある人間一人一人の持つ人格の違い、趣味や好みの違い、生き方の違いが小さくぶつかり時には不必要なまでに衝突します。その先にある悲劇。レンデルが描き続けた、誰もが持っていそうな感情、あるいはどこかにありそうな秘密、ちょっとした異様さや少しだけ極端なくせ、そんなものが収まりきらずに膨らんで互いを刺激しあっていく・・・そんな恐怖が過ぎ去ると悲しみだけが残ります。



