Sumo Cyco『Opus Mar』日本人好みなガールズラウドロック。 | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。

 

 

先月末に入手した音源のレビュー

着々と進めていきましょう。

今回のバンドに関しては

初見は読者登録して、させていただいてる

ヌメ太郎さんの記事から。

そして3/31に今回の新譜が出ると判明した為、

iTunesで、今作に収録されるもの以外の過去音源を

軒並み買い揃えました。

そのまま新譜もiTunesで新譜リリースされると思いきや

同日リリースのBackWordz があっても

このバンドは全く配信されなくて

どうやって音源を入手しようか途方に暮れておりました。

最近、コアな輸入盤新譜は渋谷タワレコより

他店のタワレコの方が在庫ある方が多い

ってことで、先月末に新宿あたりを検索してたら

あった!

しかも国内盤が出てるぜ?!Σ(゚Д゚ ;)

ってことで、仕事帰りにそのまま新宿タワレコへ行き

祝☆日本デビュー\(^o^)/ を飾った新譜を

入手してきたのでした。






Sumo Cyco『Opus Mar』
01. Anti-Anthem
02. Free Yourself
03. Move Mountains ft. Benji Webbe
04. Passengers
05. Brave II
06. Sleep Tight
07. Rivalry
08. Kids Of Calamity
09. Can't Put Me Out
10. Words
11. The Broadcasters (Murdering by Radio)
12. Rally
13. Building Castles
14. Sirens *Bonustrack



シングルカットされたMV曲"Anti-Anthem"からスタート。
今、ガールズ界でも注目を集めるvo.Sever
シャウトから幕を開けます。
そこまででもない、心地良いヘヴィ感と、
Sever のボーカルによるラウドロックを展開。
かなり日本人の好みに合いそうな感じ。

続く2曲目の"Free Yourself"は
遊び心満点な陳腐なコーラスが笑いを誘う。笑
しかし、これまたサビがキャッチーで、
繰り返す歌詞が頭に残ります。
ヘドバンをしたくなるハードでグルーヴ感漂うところも

非常に好感。

3曲目となる"Move Mountains"は
再びシングルカット&MV化されてます。
バンドも影響を受けたとするSkindredBenji
featゲストに迎えたラウドロックを展開。
どこに行っても抜群の存在感を示すBenji もさることながら
そこにちゃんと合ってるバンドのサウンドも良かです。

4曲目の"Passengers"では、
モッシュ必須なほどにアップテンポに攻めます。
その気になったらサークルでも、ダイブでも
何でもこいなアッパーチューンです。
うんうん、やっぱこれくらい勢いがあると
個人的にもだいぶ好きです。
しかし、ラストへ向かう前
それこそSkindred の影響を感じさせるパートも垣間見えます。

Ⅱがあるってことは、過去にⅠもある。
そんな5曲目の"Brave II"
曲の雰囲気とSever のボーカルで怪(妖)しさ満点
Sever が愛して止まないとするホラー、オカルト的な
雰囲気を存分に感じられる曲になってます。
そう考えるとMisfits からの影響もあるように感じるなぁ。

昨今のニューメタブームを感じさせるが如く、
結構ミドル~ややアップテンポ気味な、
ノリの良い曲が続く中、10曲目の"Words"も
Passengers 同様、モッシュできるほどに
アップテンポなサビが良い。
イントロからヘヴィながら、短いクラップパートもあり
そのクラップはサビでも取り入れられており
モッシュしながらクラップすれば楽しさも倍増
ラストサビ前にはヘドバンしたくなるような
ヘヴィでグルーヴ感の強いパートもあり攻め感○です。

クラップパートといえば、7曲目の"Rivalry" も。
ラスト前、Sever の早口パートで
クラップパートも同時に展開しており、
これまでにもあったラスト前の盛り上がり煽るを
しっかり考えてる曲構成は良いっすな。

そして、キャッチーでノリやすい曲が多いのも
このバンドの特長ですかね。
6曲目の"Sleep Tight"では、サビにHey!! Hey!!
わかりやすすぎるシンガロングパートがあり、
ライブでの盛り上がりが容易に想像できます。

ノリやすさで言うなら8曲目の"Kids Of Calamity"も。
そんなノリやすさに反し、バスドラ連打のドコドコ感
ドラム好きな自分にはツボるとこです。

9曲目の"Can't Put Me Out"も
またわかりやすいシンガロングパート
盛り上がりを煽るような感じが良いです。
サビも縦ノリしたくなるようリズムが○

縦ノリ感は11曲目の
"The Broadcasters (Murdering by Radio)"にも。
しかし、この曲はStrung Out を彷彿とさせる
イントロが個人的にはツボでした。
そしてメロパートは、クラップはないものの、
クラップしたくなる感じもあります。

しかし、一聴した時に最初にツボったのは
12曲目の"Rally"でした。
理由は単純、はえー曲だからだッ!
イントロからメタリックに、サークルよろしくなハイテンポを展開し、
ブレイクダウン気味に曲もスタートする。
そのまま歌唱に入るが、ヘドバン必須な。
そしてサビはイントロ同様、ハイテンポで
パンキッシュに攻めるサークル煽られる感
はえー曲ホイホイには容易に食いつくワタシです←

本編のラストを迎える13曲目の"Building Castles"
のっけからヘドバン御用達なヘヴィさ
サビに向かうにつれアップテンポに展開する。
サビは縦ノリ
ラストはアルバムのジャケットのように
列車が線路を通過するようなSEで終わります。
フェードしていく様が、列車が行ってしまった感をちゃんと演出しており
上手にアルバム全体を締めています。

あー、待って!1曲やり忘れた!
という、本編ラストの終わり方を聴くと思ってしまいますが笑
このバンドだからこそ、そんな印象も抱いてしまうというか。
そんなボートラである国内盤ラストを飾る
14曲目の"Sirens"は、アップテンポに攻める系です。
さながら本編後のアンコールでやる曲、みたいな。
最後の最後にもうひと盛り上げしてくれます。




という、『相撲』の名を冠するバンドの

記念すべき日本デビュー作でした。

最近、ホントにクオリティの高い新譜が続いてた為

パンチというか、衝撃度的には劣るけど、

レビューでも"キャッチー"という言葉を

何度も使った通り、とても聴きやすいです。

そこはやはり女性ボーカルってところが強いからですが

本文で挙げたSkindred を始め、影響を受けたバンドに

Icon For HireNew Years Day Butcheras Babies

あたりを挙げてるように、少しハード寄り

メタル寄りなガールズ系が好きな人に是非オススメ。

Sever の声質?歌い方?を見ても

決してキレイ系、カワイイ系ではないしね(声が)

Sever 自身はカワイイですがね←

むちむち感が良い具合です。とてもイィ!←

他にも、公式でレッチリカバーも挙げているので



そこからの影響も受けてるでしょうね。


音楽性的にも、昨今話題のニューメタルを彷彿とさせる

日本人にも合いそうなガールズラウドロックです。

せっかく国内盤もリリースされたことだし、

より多くの人にも聴いて欲しい1枚ですね。



と、レビューはここまでにしますが

個人的にも初見のバンドなので、調べてたら

色々と興味あるところも発見したので

少しバンドのことを掘り下げていきます。





SUMO CYCO

Vo/Sever (Skye Sweetnam)
Gt/M.D.
Ba/Thor
Dr/Andy

 

2011年に、CanadaTronto で結成。
バンド名の由来は、日本の国技である「相撲」と
Psychopath(精神病質)」から。

 

ドラムは2013年にメンバーチェンジをしているようですが

バンド公式Facebookには、上記ベースまでの3人しか

明記されてません。

ドラムはいるものの正規ではなく、まだサポートなのかな?

とはいえ、2013年からなら既に4年も在籍してるのになぁ…

と、その2013年にはWarped Tour にも出演しいたようです。


今回が初の国内盤とのことですが、

発売元からの宣伝文句によると

デビュー・アルバムがここ日本でも10万枚を超える大ヒットになるなど~……

と、あるが現状を見ると非常に疑わしい(。-∀-)

1stは2014年リリースだけど、その頃には既に

日本の洋楽低迷はとっくに始まってただろうし、

国内盤すら出てない新人洋楽バンドが、仮に

デジタル盤等々、リリース音源全てを総動員しても

10万枚なんて売れたらかなり話題になるでしょう。

でも、ネットで検索しても日本の音楽メディアの記事が

ひとつも出てこないのは当然のことながら、

個人の音楽ブログですらひとつもヒットしないのに…

 

10万枚って言ったら、一般的な知名度はなくても

 

音楽好きな人が何人か取り上げててもいいレベルだぞ。

その後、読み進めていくとボーカルのSever

Skye Sweetnam 名義だった頃

12歳の時には自作曲のデモ・テープを制作し、祖母が通っていた美容院でそのデモ・テープをBGMとして使用してもらっていた。
その時、その場にいたお客が楽曲を気に入り、若手音楽プロデューサー、ジェームズ・ロバートソンに紹介。
彼と一緒に作曲活動を開始しすることになる。2004年に1stアルバム「NOISE FROM THE BASEMENT」にてデビュー。
ロック、ポップ、パンク、エレクトロニカ、ホラー映画のテーマに至るまで、ありとあらゆるものから影響を受けた楽曲は、たちまち話題となり、ここ日本においても「NOISE FROM THE BASEMENT」(TOCP-66333)は10万枚以上の大ヒットとなった。


ってことを言ってる為、10万枚は

Skyeの1stのことなんじゃねーの?

なんて思ってしまいますね。

2004年ならCDも、洋楽も

まだそこそこ売れてた頃だろうし。まして

同年、ブリトニー・スピアーズのオープニング・アクトとして抜擢され、アメリカとヨーロッパで50日間に及ぶツアーを行って世界中にその名を知らしめた。2005年には待望の来日公演も果たし、多くのファンを魅了することに成功。

こんなことがあったなら尚更でしょう。

彼女のネームバリューあってのことなら

Sumo Cyco としての1stも、もしかしたら…

って思ったけど、やっぱ怪しいよー(。-∀-)笑

まぁ、箔をつける為に誇張するのは

リリース元としては当然の"戦略"だとは思いますが。


そんな大人の事情的なものはさておき、

ボーカルのSever(Skye) は、上記の通り

知る人ぞ知るレベルでの著名人なのは確かなようで。

彼女が新たに組んだバンド

ってことで、注目した人も少なからずいたかもしれません。

Sever がソロだった頃から

彼女は単なる若手シンガーソングライターというわけではなく、プロモーションビデオを自分で撮ったり、服を自作したりと幅広い創造性の持ち主でもあり、楽曲の中にもホラー映画から影響を受けたものがあったりと多分に彼女の独特なセンスが表れている。

とある通り、Sumo Cyco もDIYながらも

今作で2枚目のフル作とは思えないほど、

既存のMV(シングル)がめちゃくちゃ多い

それだけでも結構な数なのに、1stの時は

収録曲の半分くらいをMV化し、

Chapter 1~8まで使って、ストーリー仕立てに

MVを作成してます。

それもSever の才能あってか、とても面白かったです。



そんなSumo Cyco というバンド

バンド名に"相撲"を入れるくらいだろうし、

きっと親日家でもあることでしょう。

東日本大震災の時には、シングルとしてリリースした

"Limp"と"Mercy"の売り上げを寄付する

 

と表明しています。

当時、彼らのことを知っていた日本人は

一体どれだけいたでしょう。

当然、自分も知らなかった日本人の1人ですが

Sumo Cyco のように、日本人には知られずとも

寄付してくれた親日なバンドは他にもいたでしょうね。

ホント、感謝してもしきれませんね。

日本のレーベルや呼び屋には、是非とも

こういったバンドと契約し、音源の国内盤リリース、

そして来日まで漕ぎ付かせて欲しいですね。


しかし、2枚目となる今作で

晴れて日本デビューを飾りました。

リリースはSpiritual Beast ってレーベルらしいですが

販売元はユニバーサルらしいので、

元々はユニバーサル傘下のレーベルなのかな?

ともあれ、よくぞ国内盤をリリースしてくれました。

せっかく日本人好みな音楽性でもあるワケだし。

これが日本の音楽リスナー、一人でも多くの

目に触れ、耳に触れ、注目されて欲しいバンドですね。

そして近い将来、来日してくれたら万々歳です。