[解散] Yellowcard - 世界を股にかけるバイオリンロック | (旧)喜怒音楽 -きど"おと"らく-

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2020年に引っ越しをしました。引っ越し先は最新記事からどうぞ。

 

 

ひとつライブレポを挟んで閑話休題。

 

今月の"推薦"の方で書いたように

 

"解散"の方でもこのバンドを取り上げます。

 

推薦の方は早かれ遅かれって感じもあったが

 

まさか解散の方でもこのバンドを書くことになるとは…

 

 

 

 

Yellowcard

世界を股にかけるバイオリンロック

 

 

 

音楽シーンの低迷化が叫ばれて幾年

 

遂にこのバンドまで解散となってしまった。

 

実質まだ解散はしていないものの

 

解散すること自体は既に決定事項…

 

先日、ラストアルバムであり

 

セルフタイトルアルバムもリリースされた。

 

それも含めて、至極のバイオリンロックの音源を紹介していく。

 

 

 



Midget Tossing (1997)
Where We Stand (1999)
One For The Kids (2001)

所謂初期音源。
この頃の音源の存在を知らない人もいるだろうし
Ocean Avenue』が1stと思ってる人もいるかもしれないが
Ocean Avenue の前に3枚も出してるんです。
そして初期はボーカルも違い、実際にRyan が加入したのは
2000年にリリースしたEP『Still Standing』から。
アルバムは『One For The Kids』から。

1stは今やどこにあるかすら不明だが
2ndと3rdはTSUTAYAレンタルで入手した。
2ndはバイオリンは健在ながらも、
ボーカルも違うし、今とは考えられないほどの
パンクパンクしてる作品だった笑
ここまで来るとホント別バンドって感じ。
Ryan 加入後の3rdからは、やはり以降のYCに見られる
バイオリン×エモーショナル×メロディック な感じの
原型が見て取れた。Ryan の声も若い若い笑




Ocean Avenue (2003)
 - Way Away
 - Breathing
(not official/FF KH MAD)
 - Ocean Avenue
 - Only One
 - Believe
(Fan-made)


Yellowcard の名を世界に知らしめた、
全米で200万枚以上のセールスを記録した
YCイチの不動の名盤4th『Ocean Avenue
"Way Away"→"Breathing"→"Ocean Avenue"と
頭3曲で打ちのめされたリスナーは少なくないハズ。
名曲"Only One"を始めとするエモーショナルナンバー
公式のMVがない曲でも
メロディックな速曲"Life Of A Salesman"、"Twenty Three"
勢いのある上げ曲"Miles Apart"、"Believe"、"Firewater"、"Hey Mike"
カントリー、アイリッシュパンク的な"View From Heaven"
アコギが光る"One Year, Six Months"
そして全てに絶妙に絡むSeanバイオリン
この1枚にYCの全てが詰まっている気がする。
YCの名盤は?いちばん好きなアルバムは?の問いに
このアルバムを答えるYCリスナーは多いだろう。
個人的にも、このアルバムが最高傑作だと思う。


 - Ocean Avenue Acoustic

このアルバムのアコースティック盤も、2013年にリリースされた。
やはり元が良いだけにかなりの良盤となっている。
YCといえばアコースティックにも定評あるしね。




Lights and Sounds (2006)
 - Lights And Sounds
 - Rough Landing, Holly
 - How I Go


バンドにとっては大きな実験作だったと語る
5th『Lights And Sounds
とはいえ、あれだけのヒットを飛ばした
Ocean Avenue』の後だと次作は考えちゃうよなぁ。
そのせいもあってか、割と『Ocean Avenue』からは
見劣りするような作品かもしれないが
タイトル曲の"Lights And Sounds"はライブでも定番の名曲
次点で"Down on My Head"、"Rough Landing, Holly"あたりは
過去ライブでもセトリに入る率は高かった。
他にも、終盤に向かって壮大さを増す"City of Devils"
大人のジャズ的な雰囲気漂う"Two Weeks From Twenty"
オケ的なバイオリンが響く"Waiting Game"
エモーショナルロックナンバーの"Grey"や
"Holly Wood Died"あたりは個人的にもストライク。
"実験作"の言葉通り、YCらしさもあるけど
他にも色んなことしてるな、とわかる作品に。




Paper Walls (2007)
 - Fighting (Transformers Music Video)
 - Light Up The Sky
 - Shadows and Regrets


そして再び"らしさ"を取り戻した6th『Paper Walls
それはメロディックに疾走しつつも、
バイオリンの美麗な旋律がマッチする
1曲目の"The Takedown"からもわかるだろう。
続く"Fighting"や"Shrink The World"、"Afraid"も
そんな"らしさ"爆発の上げ曲ロックナンバー!
忘れちゃいけない"Light Up The Sky"は
もはやYCにはなくてはならない鉄板曲に。
そんな中で、個人的にはLUTSを凌ぐほど好きな曲が
"Five Becomes Four"
ライブで来たらブチ上がる、サークル必須の
YC曲の中でも最速の速曲だと思う。
そしてメンバー全員がお気に入りに挙げる
"Cut Me, Mick"はエモーショナルロックナンバー。
もうじき始まるラストツアーでもやりたいと語っていて
それを日本でも実現してくれることを願おう。


といった、らしさを取り戻したあと
2008年に一度、活動休止になっている。
後に"充電期間"としているが、バンドにとって
とても大きく、困難な年だったとも。
その間メンバーがそれぞれの活動に勤しみ、
2010年に晴れてシーンに復帰した。




When You're Through Thinking, Say Yes (2011)
 - For You, And Your Denial
 - Hang You Up
 - Sing For Me


活休からの復帰作にして7枚目となる
When You're Through Thinking, Say Yes
自分がリアルタイムに手にしたアルバムは
非常に遅咲きながら、ここからになる。
BIGMAMAから先に聴き始めたけど、
YCもすぐに好きになったなぁ。
YCに入ったのが『Lift A Sail』からだったら
ここまで好きにならなかった気がする(。-∀-)笑
1曲目の"The Sound Of You And Me"は
初っぱなからメロディックな速曲で胸踊る。
BreathingWay Away を彷彿とさせる2曲目
"For You, And Your Denial"はリード曲かな?
シンガロングパートが秀逸な"With You Around"
YCの持ち味、エモーショナルながらも上がるPOP PUNKナンバー
"Life Of Leaving Home"、"Hide"、"Soundtrack"
Ocean Avenue』の"Only One"に次ぐ
至極なバラード"Hang You Up"と"Sing For Me"
復活の狼煙を上げるには十分なクオリティをもった
1枚になっていると思う。


 - See Me Smiling (Acoustic)

そしてこのアルバムも、同年10月に
アコースティック盤がリリースされた。
この曲は、2001年に若くして亡くなってしまった
友人へ向けての曲だと、後に語っている。
そしてその友人は過去の曲にも何度か出ているとのこと。




Southern Air (2012)
 - Awakening
 - Always Summer
 - Here I Am Alive
 - Telescope
 - Southern Air
(Acoustic Video)


1年後には早くも次作をリリース、8th『Southern Air
これが個人的にはかなり好きなアルバムで、
リアルタイムに入手したアルバムの中では最も再生回数が多く、
Ocean Avenue』に次ぐ名盤だと思ってる。
これまでも、YCらしさといえば
影響を受けたと語るJEWの"エモーショナル"な部分と
NUFANの"メロディック"や"POP PUNK"な部分。
それが遺憾なく発揮されている"Awakening"や"Always Summer"
今作でも光るバラードナンバー"Telescope"
MVなしでも良曲が軒を連ねる。
2曲目に持ってきたことが大正解な
骨太なギターサウンドと、LPのドラミングが非常に良い"Surface Of The Sun"
"Rivertown Blues"は、Five Becomes Four を思わせる
サークルヨロシクなメロディックな速曲。
タイトル曲の"Southern Air"もミドルテンポで
持ち前のエモーショナルさが秀逸な曲。
もうひとつのバラード曲"TEN"も、アコギが良く
これまでのバラードに負けないものを持ってる。
思えばジャケットの色合いも『Ocean Avenue』に似た暖色系。
やはり個人的にはYC史上"2番目"に好きなアルバムです。
 

 


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Tony Sly Tribute
 - Already Won



Punk Goes Christmas
 - Christmas Lights (Lyric Video)


次のアルバムまで2年を要したが、その間
色んなコンピ盤への参加があった。
YCに影響を与えたNo Use For A Name
vo.Tony Sly 追悼のトリビュート盤にカバー曲を。

カバー曲コンピでお馴染みの『Punk Goes』シリーズの
クリスマス版では、このクリスマスソングを提供している。




Lift A Sail (2014)
 - Transmission Home
 - Crash The Gates
 - Make Me So
 - One Bedroom
 - The Deepest Well ft. Matty Mullins
 - California


『When Your~』のところで言った通り、
初見さんにはまずオススメ出来ない9th『Lift A Sail
それと言うのも、初期メンであり、リズム隊、
YCの"メロディックパンク"な部分を支えていた
Dr. LP の脱退
それが影響したか、このアルバムからは
YCらしさのあるメロディックやPOP PUNK調の曲は
一切入ってない。
一気にオルタナティブ感が強まった作品に。
Ryan の声でYCってことはわかるが
サウンド面は別バンドですか?と。
正直、自分も全くリピートしなかったし、
リピートするほどのモチベーションも湧かなかった。
オルタナティブ感と、骨太ロック感が強くなり
そのせいかバイオリンがホントに目立たないのも気になった。
Sean どこよ?と、思ってしまうほど。
らしさが残るのは、良くて"Make Me So"くらいだろうか?
その曲ですら、バイオリンはほとんど目立たない。
脱退したのはLPだが、個人的には
Sean すらいなくなったような感覚に陥るアルバムだった。
そういった部分もリピートしなかった理由かも。
Memphis May FireMatty がfeatした曲もあるが
なんか勿体ないなぁ… って思ってしまった。



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Yellowcard』 (2016)
 - Rest In Peace
 - The Hurt Is Gone


そんなこと思ってたら、今年の6月
まさかの解散発表
そして最後のワールドツアーのアナウンスと
10枚目にしてラストアルバム『Yellowcard』のリリース。
ジャケットからして先行きの不安や、ラスト感が漂いすぎてんよ…
そんなYellowcard がセルフタイトルを付けた最後の作品。
track-01は解散発表と共にMVが発表された"Rest In Peace"
これまでのツアーの様子を散りばめたMVに
YCリスナーもエモーショナルさと"最後"を感じたことだろう。
しかし、楽曲自体は"YCが帰ってきた!"と感じる出来に。
もうひとつのMV曲track-06."The Hurt Is Gone"
最初はRest~の方が良かったが、聴いてく内に
こちらの方が良く思えてきた。
track-12のアコギverも良かったからかも。
track-03."Got Yours"、track-09."Savior's Robes"は
往年のYCのように、アップテンポの中に
バイオリンが光る勢いのある曲。
そういったのがこの2曲しかないのが寂しいが
3曲目でGot Yours が来たときのワクワク感
YCリスナー歴が長い人ほど感じられると思う。

ラストってことで、YC特有の
エモーショナルさに降りきった曲も多く
track-04."A Place We Set Afire"
track-05."Leave A Light On"
track-08. "I'm A Wrecking Ball"
このへんの破壊力はホントにやばい…
やべぇよ… バイオリンソロやべぇ…

We don't have to say goodbye
 - さよならなんて言わなくていいけど
But we can't get lost in time
 - 時間を無駄にしちゃいけない
I'll be yours and you'll be mine
 - 僕は君のもので、君は僕のものだよ
Maybe in another life
 - きっと別の人生でも

 

バンドがリスナーに寄り添うような
こんな歌詞があるtrack-04とか
ラストライブで聴いたら絶対泣いてしまうわ…





と、世に認知されてるYC盤を羅列しました。

今年からこのテーマで、月1で書き始めたけど

今年解散を発表して、記事にしたのは3バンド目。

その内のひとつが、まさかYellowcard になるなんて

全く予想もしなかったけど…


ここまで世界的にも人気や知名度を確立したバンドが

どうして解散という結果になってしまったのか…

それは最後に載せるAPの記事も参照してほしいが

やっぱりLift A Sail』ってターニングポイントでは?

と思ってしまうよね。

初期からメンバーチェンジもけっこうしてたバンドだし

やっぱりLP脱退も大きかったように思う。

APの記事では

「Lift A Sail」の時、僕たちは、楽しんで自分自身を押し進める新しいことを試したり、実験することが欠けていた、だけどこのアルバムでは自分たちがやりたかったこと以外やっていないんだ

と、語っているが

そもそも元からこういう音楽やってたバンドじゃないんだし

やりたかったこと以外はやってないとしても

作ってる本人たちが楽しんでないのに

それを聴くリスナーが楽しめるワケないと思うんよ


セラピー的な作品になったとも言ってるけど

それを世に出すには是非が問われる作品だった気も。

でも、ラストアルバムでは

過去からのYCと、『Lift A Sail』のYCの

ちょうど中間くらいだったようにも思える。

Lift A Sail』が『Yellowcard』くらいの感じだったら

また今は変わっていたのかもしれない。


また、この記事を書くにあたり

古い音源から順に、改めて聴きながら書いたけど

時代の変遷を感じたし、

その時、アルバムを聴いた時の気持ちや

そのアルバムでのツアー(ライブ)のこととか

色々と思い出せたよね。

解散かー… 寂しいなぁ……



とはいえ、正式にはまだ解散はしてません。

最後の最後に、ワールドツアーを行い

それが終わってからが正式な解散に到る。

その最後のツアー、日本でもやってくれます。

Ryan が手塩にかけて育ててきた

Like Torches を連れて。

Yellowcard の遺伝子を受け継いだバンド、

そして何よりYellowcard の最後の来日公演

Yellowcard が好きな人は参戦待ったなし!

日本でもラストライブやって良かったと

バンドに思ってもらえるように

最後に大いに盛り上げましょう。





参考記事
(ALTERNATIVE PRESS JAPAN)
Yellowcardが解散を発表、Newアルバムから新曲 “Rest In Peace” のMusic Videoを公開
Yellowcardが解散とラストアルバムについて語る「もちろん、(解散の決断は)簡単なことじゃなかったよ」
Yellowcardが2008年の活動休止を語る「僕たちはこの先どうなるのか本当に分からなかった」

参考過去記事
2011 LIVE REPO 5th. YELLOWCARD JAPAN TOUR 2011
2012 LIVE REPO 26th. YELLOWCARD JAPAN TOUR 2012
2015 LIVE REPO 2nd. TEN HUNDRED MILES TOUR 2015

2017 LIVE REPO 6th.  Yellowcard Final World Tour
Yellowcard好きにオススメするバンド10選