今年(2022年)のG.Wは鈴鹿山脈へ。
以前から行きたかった山域。
山行計画はずいぶんと前に作成してストックしていたもの。
昔、鈴鹿セブンマウンテンと呼ばれる大会があり、そのルートをベースにしている。
鈴鹿セブンマウンテンは藤原岳、竜ケ岳、釈迦ケ岳、雨乞岳、御在所岳、鎌ケ岳、入道ケ岳の七山。
■4月29日(金)
新幹線、在来線を乗り継いで鈴鹿山脈に向かう。
登山口近くの西藤原駅には午前10時30分頃、到着。
「いざ出発!」
久しぶりの縦走装備。
ズシリと重いザックが肩に食い込む。
(重量は12kgぐらい)
駅からそう歩かないうちに登山口に到着。
登りだして早々、雨がパラついてきた。
もともと天気予報は雨。
思ったよりも早い時刻の雨にちょっとがっかりする。
最初は森の中なのでそれほど雨も気にならなかった。
だけど尾根に出るころには大雨になっていた。
スタートから1時間30分ほどで藤原山荘に到着。
山荘とついているけれども、ここは避難小屋。
すぐさま中に飛び込んだ。
小屋に打ちつける風の音から暴風になっているのが分かる。
この日は鈴鹿山脈最高峰の御池岳(標高1,247m)に登る予定。
「とても無理・・・」
早くも予定を変更せざるおえなかった。
御池岳はあきらめ、翌日から行動することに。
そう決めたのが午後12時頃。
そうなると、この日はもうやることがない。
小屋には誰もいない。
携帯も圏外となっている。
とにかく暇な時間が過ぎていく。
地図をながめたり、いろいろ考えたり。
夕食も午後5時早々にとってしまった。
聞こえるのは雨と風の音のみ。
「良かった、ここに避難小屋があって」
テントだったら大変なことになっていただろう。
夜になってもなかなか寝付けない。
突然、小屋の扉がガラガラっと開く音がした。
時計を見ると午前0時ちょうど。
「こんな時刻にどこから来たんだ?」
何やらガサガサと音を立てて何かやっている。
「ひょっとしてこれは見ちゃいけないやつか?」
小屋の壁にはライトの光が当たっているのがはっきり分かる。
「怖えよー、怖えよー」
シュラフから顔を出すことができなかった。
再び扉が開く音が聞こえ、10分も立たないうちに元の静寂に戻った。
おそるおそる小屋の中を見渡すと誰もいない。
「何だったんだ?」
そのあとの眠りも浅かった。
(つづく)