(前回からのつづき)
本栖湖道路に下りてからしばらくはロード。
A10本栖湖エイドまで「約3km」とスタッフが言っていたけれど、眠くて覚えていない。
ただ、「歩くには長いなあ」と感じた。
結局、走ったり歩いたりの繰り返し。
この時点では足の疲れよりも眠気の方がきつい。
それらしい明かりが見えてきてエイドに到着。
A10本栖湖 32:57 (4:05) 138.6km
エイドに入ってびっくり。
すごい人ごみだ。
座る場所も見つからない。
とにかく、まともなものが食べたかった。
たしかここでのおもてなしは「ゆば丼」だったはず。
ところがそんなものは無く、あるのはパン、バナナ、オレンジ、チョコレート。
さすがにこれはショックだった。
「前回食べた鹿カレーはうまかったよなあ」
思わず回想する。
ベンチの空きを見つけて座る。 無造作にバナナを口に運ぶ。
周りではおにぎりやカップラーメンを食べている人が目につく。
温かくてうまそうだな。
売店で売っているのなら買いたかったけれどルール的に無理。
コーヒーを飲みながら仮眠スペースが空くのを待つ。
順番がまわってきたので横になる。
「せめて睡眠だけでも・・・」
すぐに寝落ちた。
目覚ましの必要もなく、ほぼ1時間ほどで目が覚める。
頭はいくぶんすっきりした。
出発前にバナナとコーヒーを補給して出発。
エイドの裏手から山に登る。
余計なロードやフラットなところがないので気が楽だ。
ちょうどタイム的にボリュームゾーンらしく、前後に選手が多い。
何も考えず、前に行く人について行く。
登りでは少し抜いていく感じ。
本来ならば景観の良いトレイルらしいのだが、真っ暗で何も見えず。
夜明けの時間帯は幻想的な景色が見えたようだ。
今までと比べたら厳しい登りもなく、トレッキングに近いような感じで進む。
真っ暗なパノラマ台を過ぎて下りていくと青木ケ原の樹海。
このエリアに足を踏み込んだとたん、強烈な寒さが体を襲ってきた。
とにかく寒かった。
コース上のどの山頂よりも寒い。
あわててライトダウンジャケットを着込む。
「これは冷気ではなくて霊気か」
そんなことを考えながら進む。
走ったり歩いたり。
気が付くと完全に夜が明けていた。
「3日目の朝だ・・・」
この日も天気は快晴。
ホント天候のは恵まれた。
樹海から抜けてA11鳴沢までは長いロード。
ちょうどチャレンジ富士五湖の本栖湖から西湖方面にもどるルートである。
微妙な上り坂がだらだらと続いている。
迷わず歩く。
走って通りすぎていく人は、長い距離をどんどん進んでいるのがよく分かる。
それを見て羨ましく思いながらも「歩いた」。
ホント長かった。
A11鳴沢 39:58 (5:47) 157.6km
これまで歩いた分、ペース計画よりも48分ほど遅れて鳴沢に到着。
気持ち的に「完走はほぼ確実」という感じだった。
157kmを超えて残りはわずか11km。
あとはどれだけ楽しんでゴールするか。
ストーブにあたりながら携帯をチェック。
おおよそのゴール時間を仲間に伝える。
すると、この鳴沢にネコさんが寝ているとのこと。
これには驚いた。
とっくにゴールしているものと思っていたからだ。
寝起きのネコさんを見つけてしばらく話しをする。
相当寒そうな感じがした。
自分はもう少し休むことにしてネコさんを見送った。
ポテトチップスとチョコを食べながら休憩。
トイレで用を済ませて出発。
「さあ、ゴールへ」
最後の紅葉台、足和田山は大したことはない。
走ることはできないが淡々と進むだけ。
ところどころで富士山を眺める。
結局、下りトレイルはレース最後まで攻めることなく、ゆっくりと無難にやりすごした。
まだゴールもしていないのに、「来年のUTMFはどうしようか」などと考えていた。
そして最後の河口湖畔遊歩道。
残り3km。
桜が咲くこの場所に再び戻ってこれたことが嬉しい。
ホント嬉しかった。
ゆっくり歩いていると何人かのUTMFの選手に、
「あともう少し、走りましょう」
と何度か声をかけられた。
なんか、「はっ」とさせられた。
知らず知らずに歩いてでも完走できることに甘えていた。
JOGにも満たないペースだけれども走りだす。
なんか無性に嬉しくなってきた。
最後まで走ろうと思った。
どんどんと沿道の人も増えてくる。
楽しくて仕方がない。
ゴール近くには花道ができていた。
やばい、かなりぐっときた。
そしてゴールゲートが見えた。
そして、ゆっくりとかみしめながらゴール。
ホント嬉しかった。
すぐに他の選手が来ていないこともあり、鏑木さんとコースの感想を話す。
一緒に喜んでくれた六花先生と記念撮影。
「やっぱりUTMFはきつかった」
それが素直な感想。
その分、「やったぞ」という気持ちも大きい。
とにかく嬉しいゴールだった。
そして長い長い169kmだった。
最後にこの壮大な大会に関わったすべての関係者のみなさまに感謝いたします。
ホントにありがとうございました。
そして応援してくださった方々もホントにありがとうございました。
(おわり)
そして日常の生活へ
↓
にほんブログ村




