レースに戻ったと言っても走るわけではなく、ひたすら歩いて登る。
第一関門からちょっとしたところで、
「げっ、足がつりそう!」
太ももの裏側が「ぴくっ」としたのである。
とりあえず、コースを少し外れてストレッチ。
考えてみれば、急勾配の坂道を駆け下りて、今度は登り道。
筋肉が悲鳴をあげるのも無理はない。
そしてすぐにまた登りだす。今度は、
「げっ、今度は足の付け根の部分だ!」
これは少し休憩したほうがよいと思い、思い切って休むことにした。
このとき頭の片隅で
「リタイヤ?」
の言葉がよぎった。
7~8分ほど休んだだろうか。これ以上は休むことはできないと思い再開。
なるべく歩幅を小さくゆっくりと登る。
ひたすら登る。
そして登りきる。
あとは第二関門までは下るだけだ。 この時点での時刻、「12:00」。
関門制限まであと「30分」、距離にして「7kmちょっと」。 ほぼ絶望的である。
ここからの下りはトレイルコースではなく、一部舗装された車道。
いつものLSDのペース(7'30/km)で走る。
さっき休憩したので足の痛み、筋肉の張りはない。
ここからは歩くことなく第二関門に到着。時刻は「12:55」。
25分オーバーでリタイア。
30分遅れでスタートした後続の関門制限は「13:00」。
必死になって滑り込んだ人、数秒の差で間に合わなかった人、さまざまな様子を見ることにもなった。
結局、第二関門を突破することができなかったけれど、
「正直、ホッとした」気持ちもある。もし関門制限に間に合ったとして、残りのコースを走ることができただろうか?
29.55km (記録なし)
これがこの日の結果だった。
自分の身の程知らずを思い知った。
だけど、すごく悔しい。
初めてのトレイルランで完走した人は多いが、少なくとも何のトレーニングもしていない人は、
いきなりこのレースに出てはいけない。
他の人の邪魔になるばかりでなく、自身の怪我のリスクも大きいからである。
リタイアした人を収容した帰りのバスの中で、はじめて「初夏の北丹沢の山々」を眺めた。
「ああ、こんなにいい景色だったんだ・・・」
時間と走ることばかり考えて楽しむ余裕をなくしていた。
「また来る!」
そう自分に言い聞かせるのが精一杯だった。